1. 恐怖
しっぽを下げ、後ろ足の間に入れ込んでいるときの猫は強い恐怖を感じています。猫は野性味が強く基本的に臆病な動物なのですが、その中でも特に臆病な性格の子の場合は、恐怖のしっぽを頻繁に目にするかもしれません。
身体を小さくして防御モードに
しっぽだけでなく、このときに耳も閉じている様子の場合は恐怖レベルがより高いでしょう。猫が恐怖を感じたときに耳やしっぽなどの身体の凹凸をなくそうとするのは、身体の出っ張りをなくすことで、攻撃を受けにくくするという「防御」の姿勢であるためです。
2. しょんぼり
人間の場合は「肩を落とす」というガッカリしたときの表現がありますが、猫の場合は「しっぽを下げる」と言えるでしょう。
- 寂しい
- 不安
- 叱られてしょんぼり
などの気持ちのとき、猫のしっぽが力なく下がっていることがあります。自信があるときの猫のしっぽは堂々と上がっているのですが、しょんぼりしているときの猫は、その歩き方やたたずまいもどことなく弱気でしょんぼりしている雰囲気を感じます。
3. 近付かないで!
猫ちゃんのしっぽが「山型」に下がっているときにはゴキゲンがナナメです。しっぽの中ほどを基点にし、しっぽの先が山なりに下がっているときには、
- 威嚇
- イライラ
- 拒否
などのネガティブな気持ちを表しています。このときの猫ちゃんは構われたくない状態なので、そっとしておいてあげましょう。
4. 体調不良
ぐったりしていたり食欲がなかったりする場合は要注意!
「叱られてしょんぼりした」「寂しかった」という場合には、しばらくすると機嫌が戻ってしっぽも上がるようになることがほとんどです。
しかし、食欲がなかったりぐったりとしたりしている様子の場合は、激しい疲れや体調不良を感じてしっぽを上げる気力や体力がない、または強い痛みを感じているということが考えられます。この場合は体調不良の可能性が高いので早めに受診すると安心です。
椎間板ヘルニア
猫は高齢になると眠る時間が増えるので気が付きにくいのですが、歩くときにしっぽが上がらなくなったという場合には注意が必要です。
- 触ると痛そうな声で鳴く
- 段差に上がらなくなった
- 立ち姿に異変を感じる
などの場合は椎間板ヘルニアを起こしている恐れがあります。背骨はしっぽと繋がっていますので、椎間板ヘルニアを起こしていると、しっぽの動きにも麻痺や異常が見られる場合があります。
まとめ
今回は「猫がしっぽを下げているときの気持ち」について解説いたしました。猫の感情はしっぽによく表れます。しっぽの「高さ」に注目してみると、そのときの猫ちゃんの気分が「ポジティブ」か「ネガティブ」かということを読み解くヒントになります。
猫はしっぽが高く上がっているほど「自信がある」「強気」「嬉しい」などのポジティブな気分で、しっぽが下がっていると「弱気」「恐怖」などのネガティブな気分であると考えられます。
また、体調不良を感じていると、しっぽが力なく下がったままになることがあります。体調不良のしんどさゆえという理由のほか、痛みがある場合や骨関節の不具合によるもので、しっぽを上げることができないことも考えられます。
しっぽが下がっていることに加え、ぐったりしている、食欲がない、触ると悲痛な声で鳴くなどの異変がある場合には、早急に受診するようにしましょう。