猫が飼い主さんに向ける優しい気づかい
猫はクールなようで優しい動物です。それは、子育ての様子を見ていると感じるかもしれませんが、とても母性本能が強いのです。
その母性本能は我が子のみならず、時には飼い主さんに向けられることがあります。次に紹介する3つの行動は、愛猫が飼い主さんのためにしてくれる思いやりです。
1. 顔や手を舐める
スリスリして甘えてきたかと思うと、しきりに手や顔を舐めてくることがあります。ザラザラとした舌で舐められる感触は、くすぐったいような痛いような、なんともいえない感覚ですよね。
これはアログルーミングといい、毛繕いをしてくれています。猫が自分以外の相手の毛繕いをするのは親愛の証です。親しくない相手とは毛繕いをし合うことがありません。
いつもお世話をしてくれる飼い主さんへの感謝や、母猫気分になってお世話をしてくれているなど色々な解釈があります。いずれにせよ、思いやりの溢れる行動ということです。
理由が分かるとこちらも感謝の気持ちを伝えたくなりますよね。実際に被毛を舐めてお返しするわけにはいかないので、代わりに撫でてあげましょう。そのとき優しく声をかけることも大切です。
2. 一緒に寝てくれる
猫が飼い主さんと一緒に寝る行動にも様々な意味があります。中でも興味深いのは、飼い主さんを守ろうとすることです。
安全な家庭内で、身に危険を感じるような出来事は滅多に遭遇しないでしょう。むしろあっては困るのですが、感覚が鋭く野生の本能が強い猫は、危険の感じ方が人間とは少し異なります。
冒頭でも紹介したように、猫は母性本能が強い動物です。我が子は全力で守ろうと必死なのです。飼い主さんを子猫としてみているのであれば、無防備になる就寝中は護衛が必要だと考えているのでしょう。
3. お土産を持ってくる
猫は虫や小動物などの獲物を狩り、飼い主さんにプレゼントすることがあります。正直、戸惑うのは当然です。人間ならばいじめのようなものですが、猫は嫌がらせをしているのではありません。
猫が飼い主さんにお土産を持ってくる理由は、ズバリ親心です。まだ狩りのできない未熟な飼い主さんが餓死してしまわないように、そして早く狩のスキルを身につけられるようにと、半殺しの獲物を持ってくることもあります。
完全室内飼育で小動物が持ち込まれることは少ないかもしれませんが、室内に侵入した虫を持って来た場合、すぐに処分してしまうと愛猫が傷ついてしまいます。嫌かもしれませんが、他に意識が向いから処分するようにしましょう。
猫にとって飼い主さんとは?
猫の思いやりの根底には、強い母性本能があると紹介してきました。そもそも猫にとって飼い主さんはどのような存在なのでしょうか?
自身の立場はその時々の気分で変わるものの、飼い主さんのことは「体が大き過ぎる猫」として認識していることが多いといわれています。それも、狩りのできない運動音痴な猫だと心配しているようです。
果たして愛猫が今、子猫モードなのか母猫モードなのか、何となくつかめるでしょう。飼い主さんが愛猫と接する際は、モードを見極めるとより楽しく過ごせるようになります。例えるならごっこ遊びをするような感覚です。
まとめ
今日のねこちゃんより:くるみ♀ / 3歳 / 雑種(ミックス) / 5kg
今回紹介した3つの行動は、一見すると何のことやら分かりにくいものですが、意味が分かると改めて猫の愛情深さが伝わってくるでしょう。
猫と人間は言葉で会話することはできません。しかし、言葉の壁を越えてお互いに愛情は伝わるものなのです。猫がどこか憎めないのは、思いやりのある行動に愛おしさを感じるからなのかもしれません。