大切な家族を守るためにできること
猫も人も大切な家族です。日本ではまだ、猫が新型コロナウイルスに感染したという例は報告されていません。しかし、気をつけるに越したことはありません。
そして、万が一飼い主さんが感染してしまったら、愛猫を取り巻く環境は大きく変化します。これまで通り愛猫と楽しく過ごすために心がけてほしい感染予防をいくつかご紹介いたします。
1. 手を洗う
手洗いは、感染防止の観点からとても重要です。人は無意識に顔を手で触っています。そして、猫と暮らしていれば顔以上に猫に触れる機会が多いかもしれません。
たとえ、ウイルスが猫の体内で悪さをすることがなくても被毛には付着する可能性があります。そして、また他の家族が愛猫と触れ合うことでウイルスが移動してしまうのです。
意識的に手を洗い、清潔な手で愛猫に触れるように心がけましょう。
2. 猫の脱走防止を徹底する
猫とともに生活するうえで完全室内飼育という概念は、もはや当たり前のように浸透しています。家猫の生活は、常に「うちにいよう」がスローガンです。
新型コロナに限定した事柄では、先ほど紹介したように猫の被毛を介して感染が拡大する恐れがあります。大切な愛猫をウイルスの運び屋にしてしまわないように、今まで以上に脱走防止を徹底してください。
特に窓は要注意です。こまめな換気が推奨される中、うっかり閉め忘れてしまうことがないように確認する癖をつけてください。
3. 猫と遊んで体力をつける
全力で遊ぶ子どもに付き合って遊ぶと疲れるように、猫と全力で遊ぶことも体力を消耗します。しかし、適度な運動は体力をつけるためには必要です。
若い猫と暮らしている方は、猫が寝落ちするくらい全力で遊んでみてください。愛猫が高齢であれば運動は家事で補うようにして、愛猫とまったり過ごすことでリラックスしましょう。
4. 室内を清潔にする
猫は綺麗好きな動物なので、猫の飼い主さんは日頃から掃除をする習慣が身についているかもしれません。
この習慣はとても大切です。こまめに掃除をすることで埃を除去しておくことでウイルスが室内に留まることを防いでくれます。
掃除といってもアルコール除菌に強くこだわることはありません。基本的な掃除を怠らず、休日などを利用していつもより丁寧に行うことが重要なのです。
5. バランスの良い食事と睡眠を意識する
新型コロナウイルスを直接攻撃したり、予防する食材はありません。ある特定の食材を重点的に摂取するのではなく、バランスの良い食事を意識することが大切です。
そして、食事と同様に大切なのは睡眠です。在宅勤務や外出自粛は、生活リズムを崩してしまう恐れがあります。あまり大幅にリズムを変えずに普段通りのリズムに近い生活を送りましょう。
まとめ
感染を拡大することを防ぐ手段は意外とシンプルです。手洗い・うがい・掃除などコロナに関係なく行っていることを少し丁寧にすることの積み重ねなのです。
そのうえでさらに、不要不急の外出を控え「密」を避けることになります。そして猫を外に出さず、被毛を整えることを普段よりも意識してみてください。
新型コロナウイルスの情報は日々アップデートされています。新しい情報を確認していくようにしましょう。
2020年4月19日現在の情報は以下のサイトで確認してください。
環境省
厚生労働省
日本獣医師会
山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。