猫に水分補給を促す方法
元々砂漠で暮らしていた猫にとって、水を積極的に飲む習慣はありません。しかし、だからといって飲まなくても平気というわけでもありません。猫に腎臓病や尿路結石などの疾患が多いのは、水分不足も要因の一つです。
我々もそうですが、水分不足というと夏場が深刻という印象があるでしょう。実は、まだ肌寒さが残る春先も注意が必要なのです。
ここでは積極的に水を飲みやすくする方法をいくつかご紹介いたします。
1.器を見直す
愛猫にとって、水が飲みやすい器が必ずしも猫専用のものとは限りません。人間用のコップや茶碗など、意外なものが積極的な水分補給を促してくれる場合があります。まずは飲みやすい器を見直してみてください。
ただし、人間用のものを使用する際は人間と猫が器を共有しないように注意しましょう。猫の口腔内には、人間には害となる可能性のある常在菌がいます。特に抵抗力が弱っている方が感染すると、重症化する恐れがあるので、取り扱いには気をつけてください。
2.水の温度を調節する
一口に水と言っても様々な種類があります。ミネラルウォーター、温泉水に至るまで挙げればキリがありません。その中で猫が飲んでも良い水は、シンプルな水です。人間の体には良いとされるミネラルウォーターや温泉水は適しません。
ごく一般的な水道水をベースに水分補給を促す方法としては「水の温度」を調節するという手段があります。とはいえ極端な冷水や熱湯はNGです。常温・やや冷たい・人肌程度のぬるま湯など好みに合わせて調節してみましょう。
また、水道水特有のにおいが苦手という猫もいます。嗅覚が優れている猫にとっては、些細なにおいに敏感に反応することがあるのです。その場合は、少々手間がかかるものの、湯冷ましを作ると良いでしょう。
3.ウォーターサーバーを活用する
猫はグルメな動物ですが、実は水にも強いこだわりを持っています。中にはチョロチョロと流れる水道からではないと、水を飲んでくれないという強者も存在します。
その都度付き合ってあげられれば良いのですが、なかなか困難でしょう。そういう場合に便利なのが、循環式のウォーターサーバーです。専用のフィルターをセットして水を入れると中に内蔵されたポンプから水が流れ出し循環します。
ウォーターサーバーにもいくつか種類があるので、好みに合わせて選ぶと良いでしょう。ただし、循環式とはいえ掃除は必須です。最低でも1週間に1回はパーツを分解して水洗いするようにしてください。
4.ちゅーるを混ぜる
猫たちに大人気のおやつ「ちゅーる」を水に混ぜて、"ちゅーる水"を作るのも一つの手です。ちゅーる自体も多くの水分を含むものですが、やはり水を飲ませる目的としては、ただ食べさせるだけでは不十分です。
ちゅーる水を作る際は、ウォーターサーバーは使えませんので注意してください。また、持病がある場合はかかりつけの獣医さんに相談してから飲ませるようにしましょう。
一見便利な手段ですが、長期保存が不可能なことがデメリットになります。飲み残した分は速やかに処分するようにしましょう。
5.微量のマタタビを混ぜる
マタタビは神経に作用し、気持ちよくなる成分が含まれています。人間で言うところのお酒のようなものです。飲酒も適量であれば食欲増進に役立つように、マタタビも少量であれば水分補給を促すうえで有効です。(個体差あり)
ただし、摂取量が多いと興奮したり暴れてしまうことがあるので、気をつけなければなりません。水に混ぜる際は、ほんの香り付け程度にしておきましょう。これも持病がある場合は一度相談してからにしてください。
まとめ
今日のねこちゃんより:ルル♂ / 1歳 / MIX / 4kg
猫に水分が必要な時期はオールシーズンです。一筋縄にはいかない場合もあるかもしれませんが、根気強くチャレンジしてみてください。
夏場は熱中症が心配ですが、寒い季節は乾燥が大敵です。意外と見落としがちな時期でもあるため、少し気にかけるようにしてあげましょう。