1.栄養状態の悪化
栄養が不十分な可能性
動物の毛艶は健康のバロメーターです。猫はセルフグルーミングをして毛を健やかに保つ習性がありますが、食べた物から吸収した栄養の充実度も被毛の健康を大きく左右します。毎日食べるごはんは、猫の健康の大部分を占める大切な要素です。
ちりも積もって、毎日のごはんが猫ちゃんの健康を支えるのです。毛艶が悪くなったということは、健やかな被毛を育てるための栄養が不十分である可能性があります。
フードの見直しをしてみよう
猫はほぼ完全肉食と言われていますので、猫の健康に動物性たんぱく質は欠かせません。しかし、キャットフードの中には動物性たんぱく質の配合が少ないものもあるので、現在与えているキャットフードのパッケージの原材料をチェックしてみましょう。
原材料の表は、配合量が多い順に記載されています。動物性たんぱく質が「米」「コーン」などの穀物の後に記載されている場合は、たんぱく質が不十分である可能性があります。
獣医師に要相談な場合
現在療法食を食べていたり疾患のある猫ちゃんの場合は、獣医師と相談して指示をもらう必要があります。また、猫ちゃんの体質や疾患によっては、高たんぱくなフードが体に負担となってしまうこともありますので注意しましょう。
2.体調不良
毛艶が悪くなることのある病気
猫ちゃんが体調不良になると、体の疲弊によって毛艶が悪くなることがあります。また、痛みや不調によりセルフグルーミングをしなくなってしまうことも、体調不良で毛艶が悪くなる原因の1つです。
猫の毛艶が悪くなることがある病気は
- 口内炎や歯周病(痛み)
- 皮膚の乾燥やトラブル
- 猫風邪や感染症
- 寄生虫
- 慢性胃腸炎
- 慢性腎不全
- 甲状腺機能亢進症
- 糸球体腎炎
などが挙げられます。
病気の早期発見を心がけよう
急に毛艶が悪くなったと感じたら、一度動物病院で健康診断をしておくと、病気の早期発見につながる可能性があります。その際に直接獣医師に毛艶について、アドバイスをもらえるので安心です。
セルフグルーミングできない場合
口内炎や歯周病などが原因で口腔内に激しい痛みがある場合、セルフグルーミングが困難になることもあります。その場合は、猫ちゃんの負担にならない範囲で丁寧なブラッシングをしてあげると、被毛や皮膚を健やかに保ちやすくなります。正しいブラッシングの方法は、猫のトリマーや獣医師などのプロに教えてもらうと安心です。
3.老化現象
老化は自然の摂理
老化現象の1つとして毛艶が悪くなることもあります。老化によって内臓の機能も衰えてきますので、ごはんから栄養を充分に吸収できなくなってしまうことが原因です。また、高齢になると体の自由度も低くなって睡眠時間も長くなるため、積極的にセルフグルーミングをしなくなってしまうことも原因の1つです。
若い頃のように、なめらかな毛並みを保てなくなってしまうのはある程度仕方のないことで、特に病気にかかっていない場合には、自然の摂理だと受け入れることも大切です。
清潔さを保ってあげることが第一
高齢猫ちゃんの場合は
- 優しくブラッシングをしてあげる
- 毛や身体をタオル等で拭いてあげる
- 寝床の清潔さを保つ
- 消化しやすいごはんを試してみる
などの穏やかな対策が良いでしょう。
特に、高齢猫ちゃんはセルフグルーミングの時間が減ってしまうことが多いため、被毛や皮膚の清潔さを保ってあげることが重要です。そして、消化吸収がしやすくお腹に優しいフードを試してみると、栄養バランスが良好になって毛艶を守れる可能性もあります。
まとめ
猫の毛の手触りやツヤ感は、猫の種類や個体差によっても違いますよね。我が家の猫たちでは、ロシアンブルーはしっとりベルベット、茶トラはふっさふさのフワフワ、黒猫はハリハリのツヤツヤという個性があります。個体差があるものの、急に毛艶が悪くなったと感じた時には体に異変が起こっている恐れがあります。
老猫ちゃんの場合は、ある程度の毛艶の低下は老化現象という自然の摂理なので、特に病気や問題がない場合には心配はいらないと考えられます。
毛艶が悪くなったと感じたら良質で高たんぱくなフードに変えてみる、病気がないか受診する。老猫ちゃんで特に疾患や問題がない場合は、皮膚や被毛の清潔さを保つ、お腹に優しい良質なごはんを試してみる。など、猫ちゃんそれぞれに合わせた対策をしてみましょう。