猫のごはんを「置きエサ」しない方が良い4つの理由

猫のごはんを「置きエサ」しない方が良い4つの理由

猫は一度で食事を終えず何回かに分けて食べますが、これは野性下で狩りがうまくいかない時に、エサをいっぺんに食べずいざという時のために少し残しておくという習性から来ているようです。このため家猫もフードを出しっぱなしで好きな時に食べる、いわゆる置き餌状態で食事をすることが多いようですが、これは猫にとって良くない食事方法であると言われることもあるようです。いったいなぜなのでしょうか。調べてみました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.不衛生になりがち

猫とドライフード

猫に置き餌で食事をさせるということは、当然ではありますが猫が何度もフードに口を付けているということになります。こうなってくると猫自身の唾液によって雑菌が繁殖したり、他にもハエやゴキブリなどがたかったり、非常に不衛生になってしまうこともあります。

これはドライフードならまだしも、ウエットフードであればなおさらであり、気がつかないうちに腐敗していることもあるようです。このように不衛生になりがちである、というのが猫に置き餌でフードをあげるべきではないと言われる理由の一つです。

2.食事から猫の健康を把握しにくい

ぐったりした猫

猫は体調が悪くなると食欲がなくなることがあり、それは病気の兆候であったりして見逃せないものです。しかし置き餌状態だと猫は常に少しずつ食べているため、実は体調不良で食事量が減っていることにも気づきにくいです。

このように猫に置き餌で食事を与えることは、もしそうであればいち早く気づいてあげたい猫の体調不良を食事量から判断しにくいため、好ましくないとされています。

食事は猫の健康のバロメーターとも言えるものですから、これは置き餌で食事を与える際の大きなデメリットであると言えるでしょう。

起き餌にする場合でも、1日に必要な量をはかりあげるようにしましょう。万が一残していたら、残った分の重さを測り記録しましょう。

3.どの猫がどれだけ食べているか分からない

餌を食べる猫達

一匹でなく数頭の猫を飼っている場合、それぞれが適切な量のフードを食べていればいいのですが置き餌の場合、それがきちんとできているか分かりにくい場合があります。

例えば、他の猫の分まで余分に食べて肥満を引き起こす原因となることもありますし、逆に他の猫に自分の分まで食べられて、きちんとした食事量が摂れていない場合もあるでしょう。

食べ過ぎや逆に食べなさ過ぎは、猫の健康を大きく損なうことにもなりかねないので、置き餌は食べ方としてよくないと言われているのです。

4.置き餌は味が損なわれる

フードボウルを前にこちらを見る猫

猫は人間ほどの味覚はないかもしれませんが、やはり新鮮な状態のフードの方が美味しく食欲も増すのは間違いないでしょう。置き餌状態で猫にフードを与えることは、あまり美味しくない状態で餌を食べている可能性もあり、猫にとっても嬉しくない食べ方と言われることがあります。

猫は野性下では食事を残してキープしておく習性があるとしましたが、これはあくまでもいざという時のためのもので、本来は新鮮な状態の獲物の肉を好みます。

また、おやつに対する反応を見ても、猫にもしっかりと美味しい物を判断するだけの味覚が備わっているのが分かります。

このようなことから、猫に置き餌でフードを与えるのは美味しさの面から見ても、与え方として適切でないとされるようです。

まとめ

チャコとエリー

いかがでしたか?猫は1日中少しづつ食べるいわゆる「猫食い」ではありますが、常にフードを置き餌で与えることには様々なデメリットもあります。それでもどうしても置き餌でフードをあげなくてはいけないという場合には、傷みにくいドライタイプの置き餌にしましょう。

置き餌は猫の習性に基づいた食べ方ですが、衛生面で問題があったり、知らないうちに肥満などを引き起こす、食事量で健康を計りにくいなど、気をつけなくてはいけない部分もある食事の与え方と言えるでしょう。

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