不安を感じている猫がとる行動
猫も人間のように不安を感じることがあります。しかし、猫の場合はほとんど表情に現れません。その代わりに特徴的な行動が見られます。
次に挙げる5つの行動は「分離不安症」においてよく見られるものです。常に飼い主さんの傍にいたい甘えん坊な猫に見られることの多い不安のサインです。
1.飼い主さんの後をついて歩く
食事時に飼い主さんの後をつけるのは食事の催促です。しかし、中には飼い主さんが移動する度に後をつけてくる猫もいます。それは、風呂場やトイレなどにも及びます。まるでストーカーのような行動です。
これだけでは分離不安症とはいえません。ただし、程度の差はあれど不安気味になっている可能性は考えられます。安全面への配慮も兼ねて、せめて入浴中は外で待たせたほうが良いでしょう。
2.大声で鳴き叫ぶ
猫が激しく鳴き叫ぶのは発情だけではありません。飼い主さんを探すときにも、驚くほど大きな声で鳴くことがあります。例えるなら、幼児が迷子になったときのようなイメージです。
これは、飼い主さんの姿が見えなくなると不安でたまらなくなる猫によく見られる行動です。これに対してすぐに反応してしまうと、今後行動がエスカレートする場合があります。遠目から少しの間見守り、落ち着きを取り戻してから声をかけるようにしましょう。
3.家中を散らかして歩く
仕事終わりに疲れて帰宅すると、いつも部屋がめちゃくちゃになっている。これは飼い主さんにとって大きなストレスになります。実は、この行動は嫌がらせではありません。原因は不安です。
飼い主さんを探しても姿が見えず、鳴いても帰ってきてくれないことでパニックになってしまうのです。
対策としてはケージを活用することや、想定されるもの(特に危険なもの)はイタズラできないように戸棚に収納することが手っ取り早いものになります。そのうえで、少しずつ訓練を積んでいきましょう。方法は後の項目でご紹介します。
4.体調不良や自傷行為
不安や緊張から体調を崩してしまうことがあります。主なものは嘔吐や下痢、特発性膀胱炎などです。ただし、これらの症状や病気が必ず分離不安症によるものとは限りません。続くようであれば一度診察を受けましょう。
また、不安が原因で自傷行為をてしまうこともあります。ここでいう自傷行為の特徴は、被毛が禿げてしまうほどの過度な毛繕いやしっぽを噛むなどです。
5.攻撃的になる
嫌がることをしていないのにも関わらず、攻撃的な態度を取られてしまう場合は背景に不安やストレスを抱えている可能性があります。
愛猫が落ち着きのない様子を見せたり、急に攻撃的になった場合は、飼い主さんの身にも何かしらの変化がなかったか思い出してみましょう。
不安に対する対処法
猫が不安に陥る背景には飼い主さんへの依存をはじめ、母子分離が早く猫らしさを学ぶ機会(社会化期)が不十分であることなど多岐にわたります。
これらの背景を踏まえ、愛猫から少しでも不安を取り除く方法は主に次のようなものがあります。
毎日一緒に遊ぶ時間を作る
一日数分程度で構いません。確実に遊んでくれる時間があるだけでも愛猫は安心します。そして、この時間を確保することでイタズラや破壊行動などが減少する可能性があります。
程よい距離感を意識する
先ほどとは逆に、一緒に過ごす時間が長い場合は敢えて距離を置く時間を設けましょう。これを意識するとこで、少々の留守番程度では不安を感じることなくひとりで過ごせるようになります。
ひとりでも夢中になれる遊びを探す
留守番中に遊んでいても危険性の少ないおもちゃを用意し、日頃からひとり遊びをさせるようにしましょう。これは不安を軽減させるだけではなく、ご家庭で大事な仕事をする際も役立ちます。
まとめ
猫が不安に陥っている際の特徴は、意外と些細なことです。日頃から注意深く観察し、異変にできるだけ早く気づきましょう。そして、体調不良が続く場合は、単なる不安と軽視せずに動物病院を受診しましょう。