1. 狭い場所は自分の死角も守れるから
猫には自分の体がちょうど入るくらいの狭い場所を好む習性があります。自分の体にフィットする狭い場所では、おしりや背中など自分の死角となる部位を守ることができるからです。
犬の場合、群れの仲間と身を寄せ合うことで、お互いの死角を守り合いながら休むことができます。しかし猫は犬と違って群れを成さないので、自分の身は自分で守らなくてはいけません。
今やおうちの中で安心して暮らせる猫たちでも、野生時代の習性が強く残っているため、箱や紙袋ののような狭い場所にいると安心するのです。
2. 暗い場所は安心してウトウトできるから
猫が最も活動的になる時間帯は夕暮れ時と明け方です。「猫は夜行性」と言われていますが、真夜中よりもこの2つの時間帯が彼らの活発な行動時間帯なのです。
多くの動物は日中の時間帯に活動していますので、猫はどちらかというと昼夜逆転の生活となります。猫がウトウトしたい日中の時間帯に、猫の敵となる動物は活動的になるということです。明るい時間帯は自分の姿もあらわになるため、野生時代の猫にとって日中に安心して眠るのは大変です。
そんな野生時代の名残から、猫は自分の存在を隠せるこたつの中やクローゼットの中などの暗い場所だと、安心してウトウトできるのです。
3. 争いたくないから
猫は引っかいたり噛んだりするイメージをお持ちの方も多くいらっしゃいます。猫には発情期がありますので、不妊手術をしていない子は神経質になる時期があります。そして、猫は単独行動ゆえに縄張りを主張する動物でもありますので、大きな声でケンカをしている野良猫も時折います。
しかし、猫にとって相手と対峙して攻撃することは最終手段であり、本来は争いを好まない動物です。群れを成さない猫は自分ひとりで戦わなくてはいけませんので、争うことは命のリスクがとても高いのです。
そのため、基本的には恐怖の対象から逃げて身を隠します。シャー!と言ったり大きな鳴き声で威嚇したり、毛を逆立ててポーズを取ったりするのは一見攻撃的な行為に見えますが、実は実際に手を出すまでの長いプロセスなのです。
十分な隠れ場所を用意してあげよう
現在では猫を完全室内飼いすることが推奨されています。猫にとって室内で暮らせることは安心ですが、室内は野外と違って行動範囲が限られています。多頭飼いをしていて猫同士のトラブルがあったときや来客があって見知らぬ人が家に来たときなど、猫が恐怖したときに隠れられる場所を十分に用意しておくことが猫の精神衛生上で重要です。
まとめ
今日のねこちゃんより:虎(トラ) / ♂ / 1歳 / キジトラ / 5.2kg
待ち伏せ型の狩りをする猫は気配や足音を消すのが得意なので、家の中ですら彼らを見失うことが多々あります。冷蔵庫の上、こたつ、引き出し、クローゼット…猫は隙あらばどこかに身を潜めてしまいます。猫は犬と違って基本的に単独行動なので、自分の身は自分で守らなくてはいけません。そのため、猫の「隠れたい」という欲求はとても強いのでしょう。