聞いたことありますか?猫のオナラ

聞いたことありますか?猫のオナラ

皆様は猫のオナラの音を聞いたことがありますか?あまり派手な音を立てるイメージはありませんが、猫もオナラをします。なぜ音が小さいのか、オナラと病気の関連性はあるのかなど、今回は猫のオナラの謎に迫りたいと思います。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫もオナラをするの?

驚く猫

猫も我々人間と同様にオナラをします。そもそもオナラはなぜ出るのでしょうか。まずはオナラの仕組みについて簡単に説明いたします。オナラは生理現象の一つです。食べ物が腸内細菌のはたらきにより発酵する際、ガスが発生します。このガスのほとんどが腸管に吸収されますが、吸収されなかったものがオナラとして排出されるのです。これがオナラの仕組みです。これは人間も猫も同様です。

なぜ猫のオナラは音が小さいの?

疑問を持つ猫

皆様は猫のオナラの音を聞いたことありますか?猫のオナラの音はあまり目立ちません。聞こえてきても「プスッ」という軽い音です。少し羨ましい気もしますがなぜなのでしょうか。おならの音は「ガスの量」と「ガスが出る速さ」で決まります。猫は体が小さく吸い込む空気の量もヒトと比べて少ないため腸に溜まるガスの量も少なくなります。ガスが出るスピードも遅いためあまり音がしないのです。

人間がオナラをすると音が目立ってしまうのは、皮膚が重なっている場所から空気が勢いよく出ることから起こる振動の音だったのです。よって、猫の場合は、余程多くのガスが勢いよく出ない限り音が目立たないのです。

(参考サイト:https://www.asahi.com/shimbun/nie/tamate/kiji/20130204.html

オナラのにおいについて

口に手を当てる猫

猫のオナラのにおいは、フードの内容やストレスの有無などによって異なるようです。猫は肉食動物なので基本的には臭いのですが、腸内環境に問題がある場合や消化不良を起こしている場合は、よりにおいが強くなります。

オナラをするシチュエーション

舌を出す猫

猫がオナラをするシチュエーションにとくに決まりはありません。睡眠中にすることもあれば、隣に座っているときに何食わぬ顔をしてすることもあるようです。ただし伸びをするようなポーズでオナラをする猫もいるようなので、もしも愛猫が伸びをしているときに「プスッ」という音が聞こえてきたらオナラが出たと心の中に留めておいてあげましょう。

オナラと関係のある病気

診察される猫

先に述べたようにオナラは生理現象の一つなので、通常は問題ありません。しかし、オナラも病気と全く無関係というわけではありません。急に頻繁にオナラをするようになったり、においが気になる場合は注意深く観察し病院を受診するようにしましょう。ここではオナラとの関係性がある病気をいくつかご紹介いたします。

腸閉塞(イレウス)

放置すると死に至ることがある重篤な病気です。誤飲、腫瘍、腸捻転などにより、消化管の動きが止まる状態を指します。腸閉塞を起こすと、腸の内容物やガスがその場に滞留するため、見た目ではっきり分かるほどお腹が張ります。これにより激しい嘔吐が起こります。原因を突き止め、治療を開始しなければ腸が破裂して死に至ることがあります。

慢性の下痢

腸炎により慢性的な下痢がある場合、オナラも顕著に現れます。また、これらの症状の他に嘔吐を引き起こすこともあります。慢性的な下痢は痔の原因にもつながりますので、腸炎に対する適切な治療を受けるようにしましょう。

膵外分泌不全症

食べ物の消化吸収には、膵臓から分泌される消化酵素の働きが重要です。しかし、消化酵素が分泌されなくなることがあります。この状態を膵外分泌不全症といいます。この病気を発症すると、消化不良や細菌の過剰増殖を引き起こします。これにより体重減少や下痢の症状が現れます。またオナラもみられます。

ストレス

精神的なストレスも腸内環境に悪影響を及ぼします。腸内環境に問題を抱えるとオナラだけではなく軟便や下痢、嘔吐も併発することが多くみられます。日頃からスキンシップをとり愛猫のストレスケアを心がけましょう。

まとめ

籠の中の猫

オナラは生理現象の一つであり、我々人間と同様に猫もオナラをすることが分かりました。オナラに関する注意点は頻度とにおいです。飼い主さんが気になるほど頻繁にする場合や、明らかに異常なにおいを放つ場合は腸に問題を抱えているかもしれません。

また、オナラ以外の症状(下痢や嘔吐など)が頻繁に起こる場合は早めに動物病院を受診するようにしましょう。たかがオナラされどオナラ。とても些細なものですが、愛猫の健康のバロメーターの一つとして少し気にかけてみても良いかもしれません。

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