愛犬マリスとの出会い
私は生まれてからずっと犬猫と暮らしてきましたが、上京し体を壊し帰郷するまでの間にはペットがいない状態でした。TVで犬猫の番組が好きで、またいつか飼いたいなと思っていたのです。そんなある日、知人が子犬が産まれた里親を探してると言ってきたのです。子犬を見せてもらおうと知人のお宅に向かいました。
かわいい子犬が二匹、無邪気に遊んでいます。眺めていると1匹の子犬が近づいてきて、小鳥の死骸をぽとりと私にくれたのです。満面の笑みを浮かべて褒めて欲しそうにしているその子に、そのまま心を奪われました。まだ生まれて2ヶ月の子でしたが、そのまま連れて帰りました。名前をマリスと名付けて、どのに行くにも一緒に連れてきました。マリス中心に行動していたのです。
ハナちゃんとの出会い
マリスが入れるところに行く、マリスが入れなければ行かない。買い物など、少しの時間は車でお留守番でしたが、家で1人ぼっちは極力避けていました。カラオケにもマリスを連れて行っていましたがお店が潰れてしまったので、新たに入れるお店を探していたところ、子猫が生まれてしまったので、引き取ってくれるならいいよと言われ、見に行きました。
3匹生まれたとのことですが、母親のもとには2匹しか居りません、もう1匹探していると少し離れたところに2足歩行で踊っている子猫がいました。抱き上げるとマリスと目が合い、マリスは大喜び。この子をもらうと決めた一瞬でした。
名前をハナと名付けて、この日から家族の一員になりました。マリスはそれまで好き嫌いが激しく、定まった食事がありませんでした。ある日、友人がハナちゃんを見たいということで猫用のウエットフードを頼みました。しかし買ってきてくれたのは、同じ品名のドライフード、試しにハナちゃんにあげると、ハナちゃんと一緒にマリスも食べ始めたのです。ハナちゃんが食べればマリスも食べるのです。
ハナちゃんはいい子で、なにか要求があるとただ黙って見つめるだけなのですが、寝ていて気づかないときはマリスが起こしに来るのです。起きるとマリスはハナちゃんの方を向き、私がハナちゃんに気づくとマリスは何もなかったように自分の寝床に戻ります。
ニコさんのお迎え
ある日ネットを見ていると、里親募集の記事があり、可愛い雑種の子がいました。マリスのお嫁さんにでもと連絡をし、見に行くことを決めたのです。片道4時間くらいのお宅へマリスもハナちゃんも載せ向かいました。大変大事に育てられていた、いいところのお嬢さま。その子の両親にご挨拶していただくことになりました。
車での帰り道、途中のおしっこをさせる時にだけ起きて、あとは吐くこともなくずっと眠り続けた子で我が家についても普通にご飯を食べ、マリスと遊び、眠りにつく。まるで、今までずっと暮らしてきたかのようでとても初日だとは思えませんでした。
モモちゃんとチビタの出会い
ニコさんが来て1年を迎える頃。いつも通りのマリスとニコの散歩中に保護した2匹の生まれたての子猫。ニコさんがコタツの中に引き入れ、まるで巣ごもりした母親のようでした。順調に育ち、里親も見つかり雄の子を譲り渡しました。チビタと名付けられ溺愛されております。雌の子はモモちゃんと名付け家族の一員になったのです。犬2匹、猫2匹の多頭飼い生活です。
犬2匹と猫2匹の生活
4匹仲良く寄り添って眠る。甘えん坊で優しいマリスくん、優しくて厳しい狩人のハナちゃん、無鉄砲なお嬢様のニコさん、甘えん坊で怒りんぼうなモモちゃんとの生活は楽しくあっという間に8年と月日は流れていきました。
ミーアさん登場
ある日、大きな道路で猫が亡くなっていました。その2日後、大鳴きしている子猫を保護。きっと亡くなった猫の子供だろうと保護したのです。名前をミーアと名付け、その日から我が家の一員になりました。ハナちゃんと10歳離れたミーアさん。甘えんぼだったモモちゃんが遊び相手となるも流石に若い子猫にはついていけません。みんなに構ってもらいすくすくと育っていきました。
レオ君保護
ミーアさんが来て1年後、家の周りで鳴く子猫の声。マリスとニコがそわそわします。外に出るとすぐ近くにポツンと座っていました。手を差し伸べるとそのまま手の平に乗って来たのです。そのまま家に持ち帰り、洗っている中、湯船につかり眠っているのです。何にも動じることがなく、なされるがままの人懐っこい子。
名前をレオと名付けて我が家の一員になったのですが、3日後、ハナちゃんが11歳で腎臓を患い亡くなったのです。レオ君が来て1週間後に友人が遊びに来て泊まっていき、その時友人の体の上でレオ君は一緒に眠っていました。そしてそのままレオ君は友人に気に入られ貰われていったのです。我が家より裕福なお家。なんとも世渡り上手な子でした。
ルナさん保護
レオ君が友人のところに行って1月後、また子猫の声が、同じようにマリスとニコがそわそわします。しかもレオ君がいたところと同じ場所に子猫はいたのです。でもレオ君の時とは違い近づくと逃げてしまうのです。仕方がなく家からカリカリを持って、逃げるようならいた場所にカリカリを置いてこようと持って家を出た瞬間驚きました。すぐ側まで付いてきていたのです。
レオ君と似たようなサバトラ柄なので兄妹だと思いました。保護してお風呂へ。性格も似ているのか、おとなしく洗われていました。ルナと名付けて、とてもやんちゃで甘え上手な子に育ちました。そのあとルナさんが1歳を迎えてすぐに、マリスくんが13歳でお空に旅立って行きました。
離婚
いろんな出来事が立て続けに起こり、離婚することになります。マリスが亡くなったことでのペットロスなのか、自分自身体も心も弱かったのかもしれません。私が年老いたニコとモモを引き取り、家を出ていくことになります。
まとめ
振り返ると気づくことがいろいろあります。ハナちゃんが亡くなって、ハナちゃんの行動をしっかり教わって狩人になったミーアさん。ハナちゃんが亡くなって、1年経たないうちに亡くなったマリス。私の父母も同じく母が亡くなって1年しないうちに父が亡くなりました。
マリスのお嫁さんはニコではなくハナちゃんだったように思えます。若い頃、交通事故にあった私と1歳迎える前に事故にあったニコも一緒です。ハナちゃんが亡くなるとき寂しくならないようにレオ君を送り込んだのではないでしょうか。でもレオ君が貰われていってしまったのでルナさんを連れてきたのではないかと思ってしまいます。
ペットロスを子猫を育てる忙しさで紛らわせようと子猫を遣わしたように思えます。それでも離婚するわけですが、それまでも見越して、4匹、2匹ずつ引き取るようになっていたのではないか、お互いが寂しくないように、モモちゃんとルナさんはともに癒し系医療猫です。
最近はモモちゃんのマリス化が進み、マリスが私にしてきた行動を取るようになってきています。今でもマリスとハナちゃんは私を見守っているように感じます。私のもとに来るべくして来た我が家の犬猫。そんな不思議な縁と運命、みなさんもそれぞれ感じているのではないでしょうか。
犬も猫も人も、不思議な縁の力で結ばれているのかもしれません。この先の出来事も、振り返ると気づくことがあるのでしょう。犬と猫と人の共存、不思議な物語がその人の数だけあると思います。