猫の「自律神経系失調症」は治るの?症状と原因、対処法まで

【獣医師監修】猫の「自律神経系失調症」は治るの?症状と原因、対処法まで

よく耳にする自律神経系失調症は、人間だけではないようです。猫にも同じ病気になる可能性があると言います。猫の自律神経系失調症を、すぐに見分けるのは少し大変なのかも知れません。では、猫の自律神経系失調症について詳しく解説してみましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の自律神経系失調症とは

診察を受ける猫

そもそも、どんな病気なのでしょうか?以下の様な症状が見られたら、猫が自律神経失調症になっているかもしれません。

自律神経系失調症とは?

ぐったりした猫

自律神経系失調症とは、全身の機能に支障が出てバランスを崩す事により発症します。自律神経系の神経細胞が密集する器官に、細胞変化や萎縮、減少などがおこりコントロールが出来なくなり症状が出てしまうそうです。

また、猫の自律神経系失調症は「キーガスケル症候群」とも言われています。猫の自律神経失調症が病気として発見されたのは1982年と、比較的最近の疾患にあたるようです。

自律神経の働き

上を見る猫

自律神経には、交感神経と副交感神経のふたつの種類があります。普段生活していく中で自律神経は、息をしたり、血液を循環させたり、食べ物を消化させる胃腸の活動などを調整する為に、意識と関係なく働く神経です。その中で、交感神経と副交感神経がお互いを制御しながらバランスをとっています。

交感神経は、活動時の興奮や緊張など日中に活発に働く体を調整しています。反対に副交感神経は、安静時の体を休息させたりリラックスさせる為に働きます。これらが継続的にバランスを崩してしまうと、心身に不調をきたしてしまうのです。

猫の自律神経失調症による症状

診察を受ける猫
  • 元気がない
  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 体重減少
  • 心拍数の低下
  • 便秘、下痢
  • 胃腸が働かない
  • 瞬膜の露出
  • 腸閉塞
  • 排尿障害 など

自律神経系失調症による症状は、体や心に強く異常が見られる場合がありますが、検査をしても異常が見られないケースもあるようです。自律神経に障害が起きている部分に症状があらわれるのですが、猫によって症状の出方には差があるそうです。

猫の自律神経系失調症の原因と対処法

こちらを見る猫

自律神経系失調症の原因

猫の自律神経系失調症は、これまでにあまり多く見られていない事もありますが、猫によって原因も症状も違いがあるので、複雑な病気と言えるでしょう。

原因として考えられるのは、環境の変化などによるストレス、睡眠不足や偏った食事など不規則な生活、ホルモン分泌の異常など。これらの原因により、自律神経のバランスに乱れが起こるのです。

自律神経系失調症は、年齢的に若い猫に多いと言われていますが、年齢に関係なく、どの猫にも発症する可能性のある病気です。

自律神経系失調症は治るのか?

それでは自律神経失調症は治るのかというと、あっさり治る場合もあれば、一年以上かかる場合もあります。状況によっては、治療や介護が行き届かず助からなかったと言う報告もあるようです。

自律神経系失調症と診断確定するのは、簡単な事ではないようです。細かく神経などを検査しない限り、自律神経系失調症の「疑いがある」としか言いようがないということです。また、原因の特定ができない疾患な事もあり、症状に伴って懸命に治療をして行くしかない状況です。

自律神経系失調症の対処法

まず自律神経系失調症は、いつどのように発症するか不明なので予防方法はありません。

原因となる事柄をチェックしておいて、猫が自律神経系失調症にならない為にできる事を常に心がけていくのが大切となってくるでしょう。

猫に自律神経系失調症が疑われた時は、一つずつ検査をして原因を調べます。病院で行うのは、血液検査、X線検査、超音波検査、尿検査などで、症状や獣医師の判断によってどの検査を行うかの基準も異なるでしょう。異常があれば薬剤の投与や点眼など、集中的に症状を緩和させる治療をしていきます。

まとめ

獣医師に抱かれる猫

猫の自律神経系失調症についてご説明しました。人の自律神経系失調症は、過度なストレスが原因と言われており、ストレス社会で生きる上で誰でも発症する可能性があるようです。

猫の自律神経系失調症も、ストレスが大きな原因になると考えてもおかしくありません。原因不明の病気と言われていますが、ストレスや食生活に注意しながら、異常が気になる時は悪化する前に診察してもらい、二次性の自律神経障害を引き起こさないようにしましょう。