エキゾチックショートヘアの平均寿命と注意すべき病気
エキゾチックショートヘアの平均寿命は10~13歳や12~14歳と言われており、他の種類の猫と比較すると寿命はやや短いといえます。短命になってしまう原因は、かかりやすい病気があるからと考えられます。
注意すべき病気1:流涙症
エキゾチックショートヘアがかかりやすい病気の、1つ目は流涙症。その字の通り涙が流れ続ける病気です。涙やけとも呼ばれており、涙で目の周りが汚れやすく、結膜炎や目の周りの皮膚炎など他の病気を引き起こすことがあります。エキゾチックショートヘアはその特徴的な顔の構造が原因で流涙症になってしまいやすいと言われています。
薬や手術によって治療が可能なので、涙が流れ続ける、目の下が汚れるなどの症状が見られた場合はすぐに獣医さんに相談しましょう。
注意すべき病気2:多発性嚢胞腎
2つ目は多発性嚢胞腎。流涙症は命にはかかわりませんが、多発性嚢胞腎は命にかかわる病気です。ペルシャ猫で多く見られる遺伝的な病気で、ペルシャ猫をルーツに持つエキゾチックショートヘアにも多く見られます。腎臓の中に嚢胞(液体を含んだ袋状構造物)が作られて腎機能が低下していく病気です。有効な治療法は現在見つかっておらず、対症療法を行うしかありません。
遺伝的な病気なので、予防はできません。エキゾチックショートヘアを購入する段階で、その子や親に病気がないかしっかりと確認することが必要です。親猫が両親ともに多発性嚢胞腎の遺伝子検査で陰性であれば、子猫が多発性嚢胞腎になる確率は非常に低くなります。もし発症してしまった場合には出来るだけ早期に発見することで、 対症療法により腎機能の悪化を遅らせることと症状のコントロールもが可能です。多飲多尿などの症状に気付いたときはすぐに獣医に相談しましょう。
▼エキゾチックショートヘアの病気について詳しく知りたい方はこちら
エキゾチックショートヘアの寿命を伸ばす秘訣
エキゾチックショートヘアの寿命を伸ばす秘訣として、長生きのための気を付けたいポイントがあります。それは「スキンシップ」です。
エキゾチックショートヘアは愛情深く甘えん坊なので、あまりに構ってもらえないとストレスになってしまうことも。べたべたと甘えてくる際にはしっかりと撫でてあげたり積極的に遊んであげたりすることが寿命を延ばすことに繋がります。
また、飼い主さんと遊ぶことが大好きとはいえ、エキゾチックショートヘアは元々おとなしい性格で運動量は多くありません。もちろんどの種類の猫でも言えることですが、食事での体重管理が大切になってきます。ついつい甘やかしてしまいがちですが他の病気の原因ともなりえるため、体重管理には気を付けましょう。
まとめ
愛らしい顔を持つエキゾチックショートヘアですが、かかりやすい病気もあります。スキンシップをとりながら、日頃より些細な変化も見逃さないことが寿命を延ばす長生きの秘訣です。
エキゾチックショートヘアの平均寿命は10~13歳程ですが、これはあくまで平均。飼い主さんの体調管理やストレスを溜めない環境作りで平均寿命以上に長生きさせてあげることも可能です。
獣医さんなど専門家の指導の下、ぜひ愛猫を長生きさせてあげましょう。
常染色体にあるPKD遺伝子にある変異があると多発性嚢胞腎を持つことになります。優性遺伝ですので、2本ある遺伝子の片方だけに変異があっても発症することになります。遺伝子に変異を持つ猫が繁殖に用いられた場合には、その子孫にもその変異が受け継がれます。
多発性嚢胞腎は、嚢胞が形成され始めていれば超音波検査で検出することが出来ます。いつ、どのくらいの大きさと数の嚢胞が出来るかは猫によって様々です。遺伝子検査では、嚢胞が形成されていなくてもPKD遺伝子に変異があるかどうかが分かります。
遺伝子検査で変異が見つかった場合には、その時点では嚢胞が認められず無症状でも、いずれ発症すると考えます。
多発性嚢胞腎を発症した猫は繁殖に用いないことはもちろん、ペルシャやエキゾチックショートへアなどのPKD遺伝子変異を持つことが多いと分かっている猫種では、遺伝子検査を受けることが推奨されます(それ以外の猫種でも多発性嚢胞腎はありますが。)
変異を持つことが分かった場合には、繁殖には使用しないこと、そして腎機能低下を早期に気づけるように飼い主が知識を持つことと定期的な健康診断、腎臓に出来るだけ負担をかけないような生活をさせてあげることが重要となります。