アメリカンカールに多い病気やケガについて、予防法など

【獣医師監修】アメリカンカールに多い病気やケガについて、予防法など

くるっと反り返った耳を持つアメリカンカールは、アメリカ原産の猫種です。好奇心旺盛で明るい性格が人気ですが、飼う際にはアメリカンカールがかかりやすい病気やケガについて知っておくことも大切です。そこで今回は、アメリカンカールに多い病気の症状や予防法、健康に過ごすためのポイントをご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

アメリカンカールに多い病気やケガ

赤い首輪をしたアメリカンカールの顔アップ

外耳炎

アメリカンカールに多い病気のひとつが外耳炎です。カールした耳が特徴的な猫種ですが、その珍しい形状ゆえに耳の病気にかかりやすい傾向にあります。

他にも食物アレルギーや感染症なども、外耳炎になる原因と考えられています。

発症するとかゆみや痛みを伴い、大量の耳垢がでます。かゆみが原因で頭を振る、頻繁に耳を掻く、耳が臭うといった様子が見られたときは外耳炎が疑われます。

外耳炎は原因によって治療法が異なるので、早めに動物病院で検査を受けましょう。

角膜炎

アメリカンカールは角膜炎にもかかりやすいと言われています。角膜炎は、猫の目を覆う透明な角膜に炎症が起こる病気です。

猫同士のケンカや事故による外傷、眼球に入り込んだ異物などが原因で起こり、発症すると大量の目やにや涙が出ます。強い痛みを伴い、眩しそうに眼を細める様子も見られます。

症状が進行すると角膜が白く濁り、角膜潰瘍や角膜に穴が開く角膜穿孔などの病気を発症する場合があります。 失明に繋がる可能性もあるため、様子がおかしいと感じたらすぐに動物病院を受診させてください。

毛球症

毛球症は、長毛種のアメリカンカールがかかりやすいと言われる病気です。通常、毛づくろいの際に飲み込んだ毛は吐き戻しや便によって体外へ排出されます。

しかし長毛種の猫は、短毛種の猫と比べて飲み込む毛が多くなり、体内で毛玉状に固まってしまうことがあります。

毛球症になると、食欲不振や便秘、お腹に触られるのを嫌がるといった症状が現れます。毛球が腸に移動すると腸閉塞を引き起こす可能性もあります。

腸閉塞は重症化すると命を落とす危険性がある病気です。下痢や嘔吐を繰り返すといった症状が見られた際は早めに動物病院を受診させましょう。

骨軟骨異形成症

骨軟骨異形成症は、アメリカンカールに多い関節の病気です。アメリカンカールやスコティッシュフォールドが持つ折れ曲がった耳は、軟骨が正常に成長しない「軟骨異形成」によって生まれました。

遺伝的に「軟骨異形成」を持つ猫種は、耳以外の軟骨にも成長不良が起こりやすいと考えられています。

手足の関節を保護する軟骨に異常が起こると、関節部がこぶ状に腫れた状態になります。これを「骨瘤」と呼び、痛みの程度によっては歩行が困難になる場合もあります。

アメリカンカールに多い病気やケガの予防

横を見てくつろいでいるアメリカンカール

外耳炎

外耳炎の予防には定期的な耳掃除が効果的です。しかし、綿棒などを使うとアメリカンカールの耳を傷つけてしまう恐れがあります。柔らかいコットンを使って耳の中を軽く拭ってあげてください。頻度は月に1~2回程度がよいでしょう。

定期的に耳の中をチェックすることは、病気の早期発見にも繋がります。梅雨など湿気の多い季節は、耳の中が蒸れて細菌や真菌が繁殖しやすくなるので特に注意しましょう。

角膜炎

角膜炎を防ぐためには、猫の目に異物が入る確率を減らすことが大切です。アメリカンカールの目の上にある毛は「上毛」と呼ばれ、空気中のホコリや抜け毛から目を守る役割をしているので、抜いたり切ったりしないようにしましょう。

角膜炎の発症は、猫ヘルペスウイルス感染症が原因となることもあります。感染症予防にはワクチン接種が効果的です。すでに発症している場合は、目を擦って悪化させないようにエリザベスカラーを着用する場合もあります。

毛球症

日頃からこまめなブラッシングを心がけましょう。ブラッシングは、毛球症だけでなく皮膚の病気の予防にも効果的です。

アメリカンカールは、夏や冬になる前の換毛期に特に抜け毛が多くなります。換毛期は1日に1~2回ブラッシングをすることで、毛球症の予防にもつながるでしょう。

さらに食物繊維の多いフードを与えることで、繊維が体内の毛と絡んで便と一緒に排出されやすくなります。

骨軟骨異形成症

軟骨形成不全は遺伝的な要因が多いため、決定的な予防法がないと言われています。定期的に健康診断を受け、四肢のレントゲン撮影などで病気の早期発見につとめましょう。

発症した場合には、アメリカンカールに激しい運動をさせないことが重要です。室内の段差を減らす、滑り止めになる素材を敷くなど、足にかかる負担が軽くなるよう工夫できるとよいですね。

アメリカンカールが病気にならないために

並んで座る3匹のアメリカンカールの子猫

飼育環境を整える

アメリカンカールはふさふさの被毛に覆われているため、熱中症に注意が必要です。暑い時期にはエアコンなどで室温調整をしましょう。ストレスも病気の原因となります。安心して過ごせるスペースを確保し、トイレも清潔に保ちましょう。

食事に気をつける

猫は肉食のためタンパク質含有量の多い食事を必要とします。成長に応じて必要な栄養やカロリーも変わるので、「子猫用」「老猫用」など、年齢に応じたフードを用意してあげてください。長毛種のアメリカンカールには、病気の予防として毛玉対策用のフードもおすすめです。

運動を管理する

アメリカンカールは活発で遊ぶことが大好きです。猫は高いところに上る習性があるので、屋内でも立体的な上下運動をさせるとよいでしょう。

キャットタワーを活用するのもおすすめです。運動不足による肥満やストレスは、病気に繋がる可能性もあります。おもちゃなども取り入れて運動量を確保しましょう。

まとめ

座ってこちらを見つめるアメリカンカール

アメリカンカールは、明るい性格と賢さを持っており、飼いやすい猫種とも言われています。反り返った耳が魅力ですが、猫種特有の病気にも注意してあげましょう。こまめなブラッシングや耳のチェックなどで、病気の予防、早期発見に繋げられるとよいですね。