片肺が機能しない『無気肺』愛猫ミルクとの生活で伝えたい事

【獣医師監修】片肺が機能しない『無気肺』愛猫ミルクとの生活で伝えたい事

無気肺という病気を知っていますか?肺が機能しない病のきっかけは猫風邪。 ここでは無気肺を抱えながらも元気に過ごしている猫、ミルクの日常について紹介します。

1831view

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

無気肺猫ミルクとの出会い

ミルクとの出会い

ミルクとの出会いはペットショップでした。大きな瞳にフワフワ被毛のメスのラガマフィン。あまりの可愛らしさに眺めていると店員さんがミルクを抱いて出てきました。

抱っこだけならと思い抱かせてもらうことにしました。そして、すっかり気に入ってしまった筆者と母。

しかし一つ大きな疑問がありました。それは価格。

あまりにも安すぎでした。不思議に思った母が聞いてみると衝撃的な一言が返ってきました。

「実はですね、この猫ちゃんは片肺が全く機能してないんです」と。

それが安価な理由であり、家族がなかなか見つからない理由だと話してくれました。ミルクがお店にデビューしたのは1日前。連休中であり多くの人が声をかけてくれたそうですが、病気だと話すと、仕方のないことですが返されたそうです。

その場に父も加わり、気づけば1時間以上話し合っていました。

するといきなり父が「分かりました。連れて帰ります!!」と言い出したのです。決して中途半端な同情ではありませんでした。

その頃にはすっかりミルクのほうも懐いてくれていたからです。この瞬間から筆者とその家族は無気肺猫ミルクとの生活が始まりました。

ミルクが無気肺になった原因

帰宅中のミルク

無気肺とは「肺の一部もしくは全体に空気が入っていない状態」です。ミルクの場合は左肺の全体が無気肺です。 無気肺になった原因はいわゆる猫風邪で肺炎になり、後遺症として無気肺が残ったそうです。

無気肺になると激しい運動はできません。走ることで呼吸困難に陥ったり、猫ではあまり見られない開口呼吸(犬のように口を開けハァハァと呼吸する)が見られます。

無気肺になった猫の日常生活の注意点

初めての家

1,激しい運動をさせない

上に挙げたように呼吸困難や開口呼吸を避けるため、他の猫と遊んでいるときも一匹で遊んでいるときも常に様子を見ている必要があります。万が一開口呼吸をしてしまった場合はケージに入れ安静にさせます。

2,手術を必要とする病気や怪我に注意する

心肺機能が正常でない猫は麻酔に制限があります。ミルクの場合は麻酔はかけられず手術は不可能です。よって定期健診と怪我の予防は必要不可欠です。

3,ケージは必需品

就寝時と外出時はいざと言うときに対応できないためケージに入れるようにしています。ミルク自身も自由に遊べる時間を作ることで、嫌がることなくケージに入ります。

4,完全分煙、可能なら禁煙を

猫全般に言えることですが、煙草は猫にも害があります。筆者の家庭は喫煙者がいるため、猫が出入りしない部屋を喫煙可能な部屋としています。

普段のミルクの様子

カメラ目線

1,普通の猫と変わらない

ミルクの場合健診は必要ですが、特別な治療が必要な状態ではないため普通の猫と同じ生活をしています。様子を見ながら猫じゃらしで遊んだり、先住猫と追いかけっこをすることもあります。

2,いたずらっ子で甘えっ子

好奇心旺盛

ラガマフィンは穏やかな性格ながら、ラグドール同様いたずらっ子な一面を持ち合わせています。ミルクもいたずらっ子で、充電器のケーブルや爪楊枝には注意しています。そして、とても甘え上手で常に家族の誰かに甘えています。

3,持病があることを忘れてしまうほど元気

現在、病状が落ち着いているため時々持病があることを忘れそうになります。小柄ではありますが餌もしっかり食べ、排便や排尿も良好です。

まとめ

キメ顔

ここで挙げたことはあくまで一例に過ぎません。継続的な治療を必要としている無気肺猫もいれば、残念ながら元気に過ごすことが困難な猫もいるでしょう。

それを踏まえながら敢えてこの記事を書こうと思ったのには理由があります。それは突然大切に飼っている猫が無気肺と宣告されたとき、もしくは迎え入れようと思っている猫が無気肺であると言われたときに少しでも参考になれば良いと考えたためです。

また、たとえ障がいがあっても猫であることに変わりないということを多くの人に知ってもらいたいと思ったからです。健康な猫と比べ医療費が多くかかることもあります。

そして何より天寿を全うできないリスクもあります。

それでも持病のある猫が受け入れられる環境にいれば、一つの命が繋がれることになり、一日一日がかけがえのない大切な日になると筆者は思います。

40代 女性 ひげぶくろ

我が家のマンチカンも言葉は悪いのですが見た目の割に価格がお安く売れ残っていた子です。両方の後ろ足の指が奇形な事や関節炎、また生まれつき腎臓が小さい為に腎臓病になるリスクが高く、食生活や病院など細やかに気を付ける必要があります。
でもだからこそ我が家で迎え入れて良かったと本当に思います。元気にのびのび暮らしてもらえるように自分が出来る事なんてわずかで、むしろ猫さんがくれる幸せの方がたくさんですが、これからも見守っていきたいと思います。