雄猫がスプレーをする4つの意味とやめさせる方法

雄猫がスプレーをする4つの意味とやめさせる方法

室内で雄猫がスプレーをしてしまうと、ニオイやシミなどで困ってしまいますが、猫はむやみにスプレーをしているわけではなく、理由があってスプレーをしています。雄猫がスプレーをしてしまう理由から対策を考えましょう。

雄猫がスプレーをする理由

トイレットペーパーの上でくつろぐグレーの猫

1.「縄張りの主張」

猫は単独で生活をし、縄張りを持つ動物です。縄張りを主張するために、自分のニオイをつけることをマーキングと言います。

マーキングは、歩いて足裏のニオイをつけたり、顔をこすりつけたりと、いくつか種類があり、その一つがスプレーです。ふだんよりも濃いおしっこを、立ったまま後ろにスプレーのようにかけます。

雄猫は縄張り意識が強いため、雌猫よりもスプレーが多いのが特徴です。室内で暮らす猫が、縄張りを主張するときのスプレーは、窓の近く、カーテン、部屋の角、部屋の入り口にすることが多いようです。

また、家の外に猫が来ているときも、自分の縄張りであることの主張や、威嚇のためにスプレーをする場合があります。

2.「雌猫を引きつけるため」

雌猫が発情期に入ると、雄猫を引きつけるための性フェロモンが出るようになったり、大きな声で鳴いたりします。

雄猫はフェロモンや鳴き声を感じ取り、雌猫が発情期に入ったことがわかると、スプレーをして、雌猫に自分の存在をアピールするようになるのです。

このときのスプレーは、まわりの猫に対して「自分は大きい猫」であることを伝えようとするため、高い位置にしようとします。

3.「情報伝達」

猫のスプレーによって、猫たちは様々な情報を交換することができます。この場合のスプレーをする理由は、雄猫にも雌猫にも共通しますが、情報というのは、スプレーをした猫の性別や年齢、健康状態などです。

縄張りに、よその猫が入ってきたことや、その猫の喧嘩の強さもわかると言われています。

4.「環境に不安、不満がある」

雄猫、雌猫ともに環境に対しての不安や不満があると、スプレーをすることがあります。スプレーによって自分のニオイをつけて、その環境を安心できる場所にしようとするのが目的です。

新入り猫が来た、結婚や出産で家族が増えた、引っ越しをした、食器やトイレの位置が変わった、トイレの掃除がされていないなどが、スプレーをする原因となる代表的なものです。

雄猫のスプレーを止めさせる方法

エリザベスカラーをした緑の首輪の猫

1.去勢手術をする

雄猫のスプレーは、性ホルモンが関係しているため、去勢手術を行うことで多くの猫はスプレーをしなくなります。

90%の雄猫が、去勢手術でスプレーを止めさせることができるとされていますが、去勢手術を行っても、スプレーをする猫もいるということを覚えておきましょう。

去勢手術をしてからスプレーをしなくなるのには、1週間ほどかかります。すでにスプレーを覚えてしまっている猫の場合、手術後もスプレーをする可能性がありますが、ニオイが軽減されること、スプレーの頻度が減ること、そのうちにスプレーをしなくなることが期待できます。

去勢手術は、生後5か月頃の繁殖可能になる前に行うとスプレーを抑えられますが、事前に獣医師と相談をして手術時期を決めましょう。

また、雌猫と一緒に飼育している場合で、繁殖を希望していないのであれば、避妊手術を行った方が、発情期の雄猫のスプレーを抑えることにつながります。

2.雄猫がしたスプレーのニオイを消す

雄猫がスプレーをした場所に、おしっこのニオイを残さないようにすると、スプレーをしなくなる場合があります。

スプレーをして時間が経過してニオイが薄くなると、再びスプレーをするためです。なるべく早めに、雑巾などでふき取り、中性洗剤、アルコール、ペット用消臭剤、熱湯、漂白剤等でニオイが残らないように処理をしましょう。

また、スプレーをしてほしくない場所に、猫が嫌うニオイのするものを置くという方法もあります。

3.不安、不満の原因を見つけて対応する

スプレーの理由が、不安や不満による場合、原因を解決しないと止めさせることは難しいです。原因を見つけるのは簡単にいかない場合もあるので、根気よく猫と向き合っていくことが必要になります。

新しく迎えた猫の場合、慣れない場所に自分のニオイをつけて安心しようとスプレーをすることがありますが、トイレを覚えるとスプレーを止めることがあります。

外に野良猫が来る場合は、窓から野良猫が見えないようにすることや、野良猫が寄り付かないような対策が有効です。

どうしても止められない場合は動物病院へ相談をする

どのような方法を試しても雄猫がスプレーを止めないときは、動物病院へ相談をしてみましょう。不安を和らげるフェロモン製剤やサプリメント、薬などでサポートすることで改善することもあります。

雄猫のスプレーを止めさせるときの注意点

猫を抱き上げて叱る女性

叱らないようにする

猫がスプレーをしてしまっても、叱らないようにしましょう。縄張りの主張や、繁殖など本能でスプレーをしてしまっているため、叱っても止めることはありません。

猫にとっては、なぜ叱られているのか分からずストレスとなってしまいます。雄猫の場合は去勢手術、雌猫は避妊手術をするなどの対策をし、同時に、スプレーをしてしまう場所には、ペットシーツを貼るなどして対応してあげましょう。

まとめ

眠る黒猫にキスをする女性

猫と暮らす上で、「雄猫のスプレー」は知っておきたいことの一つではないでしょうか。雄猫がスプレーをする理由は、縄張りの主張や繁殖のためです。さらに、不安や不満が原因となっていることもあります。

スプレーを止めさせるには、去勢手術を受けることが一番効果的です。不安や不満によるスプレーは、その原因を見つけてあげることが必要です。

スプレーで悩むこともあると思いますが、猫を叱らずに対応することや、獣医師へ相談をするなど、猫も飼い主さんもストレスとならないような方法を探っていきましょう。

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