猫のじゃれあいと喧嘩の違い
鳴き声
猫同士のじゃれあいと喧嘩の違いは、鳴き声を聞けばわかることがあります。
相手の猫に飛びかかっていくときに発する「シャーッ」という声は、怒っているように聞こえますが、緊張や威嚇の声です。「シャーッ」と言っているだけならじゃれあいで、本気の喧嘩ではありません。
「シャーッ」という声に続いて、何度も「ウー」とうなり、飛びかかっていくようなら、じゃれあいではなく本気の喧嘩に発展しています。
一方的な攻撃
じゃれあいをしているだけのときは、どちらかの猫が飛びかかるのをやめると、もう片方の猫もじゃれあいをやめます。これが、喧嘩の場合だとそうはいきません。どちらかが飛びかかるのをやめても、もう片方は一方的に追いかけます。
猫は、降参すると耳を寝かせますが、それを見たもう片方の猫が、攻撃をやめずに飛びかかっていくようであれば、じゃれあいではなく本気の喧嘩といえます。
甘噛みかどうか
猫がじゃれあいで相手を噛むようなとき、怪我をしないか心配になりますよね。
ただじゃれあっているだけの場合は、噛みついても甘噛みですので、怪我をすることはありません。噛まれた猫が悲鳴に似た声を上げたり、噛まれた箇所から血が出たりするようなら単なるじゃれあいではなく、本気です。
瞳孔の開き具合
猫の瞳は、明るい所では細く、暗い所では丸く大きくなりますが、興奮しても瞳孔が開きます。じゃれあいをしているときに、瞳孔が開いている場合には、本気の喧嘩に発展していると考えられます。
しっぽが膨らんでいる
普段は細い猫のしっぽが、大きく膨らんでいる、そんなときは興奮状態にあります。じゃれあいをしているときに、しっぽが膨らんでいるということは本気の喧嘩であることが多いです。
外にいる
室内で飼っている猫同士は、本気で喧嘩をすることは滅多にありませんが、外へ行って知らない猫と出会ったときは、縄張り争いからじゃれあいではなく喧嘩になることがあります。
外で毛を逆立て、「ウー」とうなったり、「シャーッ」という声を出しながらゆっくり近づいていたりしていたら、それはじゃれあいとはいえません。喧嘩です。
喧嘩では、首をめがけて飛びかかり、引っかいたり噛みついたりします。縄張り争い以外でもメスを取り合って喧嘩をしたり、ただ単に猫同士の相性が悪くて喧嘩になることもあります。
室内飼いの猫同士でも、新しく猫を迎え入れた場合、古くからいる猫との相性が悪く喧嘩になることがあります。
猫がじゃれあいをしている時の注意点
様子を見る
飼っている猫同士が激しいじゃれあいを始めたら、止めたくなりますが、まずは様子を見ましょう。じゃれあいをすることで、猫同士の関係性を作っている場合があります。無理に止めても、また同じようにじゃれあいを始めてしまいます。
子猫の時期は特に、じゃれあいをすることで力加減や降参の仕方、狩りの方法などを学んでいます。子猫にとっては必要なじゃれあいなので、様子を見ましょう。
この時期に十分じゃれあいによって勉強しなかった猫は、猫社会のルールを知らないまま大きくなってしまい、じゃれあいをした時に怪我につながることがあります。
手を出さない
猫がじゃれあいをしているところに手を出すと、爪や牙で思わぬ怪我をすることがあります。
むやみに手を出すのはやめましょう。じゃれあいがヒートアップしてしまい、止めなければ猫が怪我をしてしまいそうな時は、近くで大きな音を出したり、霧吹きで水をかけたり、おもちゃで気を引きます。
外で知らない猫と本気で喧嘩をしている時は、傘などを使って猫同士を引き離すか、大きな音を立てて気を引きましょう。
病気の感染に気をつける
外で野良猫とじゃれあいをした場合、本気の喧嘩のことが多いので怪我をすることがあります。
野良猫は病気を持っていることがあり、怪我をするとそこから感染したり、化膿したりする危険性があります。飼っている猫が外で喧嘩をし、怪我をして帰ってきた場合は、獣医さんに診てもらいましょう。
逃げ場を作る
猫は縄張り意識が強いので、猫がいる所に別の猫をつれてくると、先住猫が新入り猫に対して威嚇したり、攻撃をしかけたりすることがあります。これはじゃれあいではなく、喧嘩です。
この場合は、新しく飼った猫に逃げ場を作ってあげて下さい。喧嘩を続けて、新入り猫が怪我をしてしまうことがあるからです。そうなると、新入り猫は先住猫と仲良くするのが難しくなります。
新入り猫が、攻撃を受けた時に逃げ込めるよう、ケージを用意しておきましょう。段ボール箱などでも構いません。
その際、古くからいる猫を叱ることはやめた方がいいです。新入り猫ばかりをかわいがっていると、先住猫は飼い主を取られたと思い、ストレスになり、家出をしてしまうこともあるからです。食事を与える順番も、先住猫を優先します。
まとめ
複数の猫がいると、よくじゃれあいをすることがあります。猫のじゃれあいは、遊びであるだけでなく、猫社会のルールを学ぶ場でもあるので、むやみに止めない方がいいです。
じゃれあいが本気の喧嘩になってしまう時は怪我が心配ですね。じゃれあいなのか喧嘩なのか、鳴き声や噛み方などいくつかのポイントから判断して、喧嘩の場合は無理に止めるのではなく、気をそらすなどしてやめさせましょう。
ひとつ屋根の下の猫同士、仲良く暮らせるといいですね。