猫の検便では何が分かる?方法や持って行く時のポイント

猫の検便では何が分かる?方法や持って行く時のポイント

検便と聞くとちょっと抵抗がありますが、猫の健康状態を把握するには、とても有効な方法です。猫の便の状態を調べることで、様々な事が確認できるのです。猫の検便で分かる事はもちろん、検便の方法、便を持って行く時のポイント、どのような時に検便したら良いのかを、お伝えします。猫の便は臭くて有名ですがそう嫌わずに、愛猫の体の状態を、教えて貰っちゃいましょう!

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監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

猫の検便で分かるコト

顕微鏡で検査する獣医師

猫の検便で分かるのは、以下のコトになります。

  • 腸内にいる寄生虫の有無
  • 微生物の状態
  • 消化と吸収の状態
  • パルボウイルスの有無(検査キットが必要です)

腸内にいる寄生虫の有無

野良猫やペットショップにいる猫でも、新しく迎える猫に寄生虫がいる事があります。中には人にうつるものもありますので注意が必要です。先住猫がいる場合、移ってしまう可能性があります。そのような場合も考え、新入り猫の検便を済ませて寄生虫がいない事が確認されるまでは、先住猫と同じ部屋に入れない方が良いでしょう。

微生物の状態

猫の腸内には人と同じで、とても多くの微生物が集まっています。そのバランスが崩れると、下痢や逆に便が硬くなるなどの症状が現れます。検便によって猫の腸内環境を調べて、適切な治療を行う事が出来るのです。

消化と吸収の状態

特殊な検査として猫の便を染色して、消化の状態を調べる事も。また、消化管造影を行えば異物の有無、毛玉の状態も確認できます。その他、便に血が混ざっている場合は大腸や腸管内からの出血が疑われますので、そのような異常に関しても、確認することができます。

パルボウイルスの有無

ウイルスを検出するキットを使い、パルボウイルスの有無を確かめる事が可能です。ただ、キットは犬用のものしかなく、猫では少々正確さが低下します。猫がパルボウイルスに感染すると、大量のウイルスが猫の便や尿に排出され、他の猫に感染する事があります。パルボウイルス感染症(汎白血球減少症)は進行が早く、感染力と致死率が高いので、治療に苦慮する病気の一つです。

ペットショップから購入した子猫がパルボウイルスに感染している事も多いので、注意しなければいけません。また、感染した猫の便から外に出たパルボウイルスは、3~6ヶ月程度は感染力があります。猫から猫への感染はもちろん、飼い主さんの靴の裏についたウイルスに感染する事も。完全室内飼いの猫でも感染する可能性がありますが、ワクチン接種をしていれば、感染するリスクは低くなります。

検便の5つの方法

獣医師に診察される猫

検便の方法は、大きく分けて5つあります。「肉眼・臭いでの観察」「直接法」「浮遊法」「染色検査」「ウイルス検査」です。検便を行う時はまず、肉眼で色や形状、消化の状態や異物の有無、臭いも調べます。

直接法では、ごく少量の便を顕微鏡で観察します。腸内微生物や寄生虫の卵などを確認することができます。浮遊法は、少量の便を溶液に溶かし、その上澄みを顕微鏡で調べる方法です。直接法よりも浮遊法の方が、余分なものが沈殿して、寄生虫の卵を確認しやすくなります。

染色検査は、便の中の消化できていない成分を検出する為に行います。脂肪やデンプンが染色液によって染まりますので、それらが検出される場合は、消化不全、または吸収不全が考えられます。ですが、確定診断にはなりません。ウイルス検査では前述したように、パルボウイルスを検出する事が可能です。

猫の便の持参方法

トイレから取り出した排泄物

猫の便を持参する時は、なるべく新しいものを持って行きましょう。便をしたその日に、検査をするようにしてください。猫のトイレに猫が排泄したものを、スコップやビニール袋など越しに取って、使い捨ての紙コップか清潔なプラスチック容器などに入れます。基本的には、常温保存で。検査内容によっては冷蔵しておく場合もあるので、動物病院に確認を取るようにしてください。

量は、人の親指の頭程度あればOKです。トイレットペーパーやティッシュなどに包むと、検査の邪魔になってしまうので、避けてください。猫砂は多少付いてしまっていても大丈夫ですが、もし取り除けるようでしたら便の乾燥を防ぐ為、出来る限り取り除くと良いでしょう。便が乾燥すると、検査結果に支障をきたすこともあります。特に、ジアルジアやトリコモナスなどの原虫、糞線虫などは時間がたつと動かなくなってしまい検出が難しくなります。その為にも、便を取ったビニールはしっかりと密閉し、早めに動物病院へ持参してください。検査できるような便がない場合は、直接猫の肛門から、便を採取する事も。

どのような時に検便すると良い?

タオルに隠れている仔猫

猫の検便は、どのような時に行うのが良いのでしょうか?

  • 猫を迎える時
  • 健康診断時
  • 猫の便に異常がある時

猫を迎える時

新しく猫を迎える時は、検便をした方が良いでしょう。譲り受ける前にブリーダーなどで検査していれば必要ない事もありますが、ペットショップにいた猫や野良猫を迎える時は、検便を行いましょう。

健康診断時

健康診断の際、検便の為に便を持って来るように動物病院から言われる事があります。もし言われなくても行っておいた方が良いので、猫の健康診断時には、新しい便を持って行くと良いでしょう。

猫の便に異常がある時

下痢になったり血便になったりした時や、猫の便の中に寄生虫がいた時などは、便を動物病院に持参して、検便をして貰いましょう。

まとめ

トイレに入っている茶トラ

言葉を話さない猫にとって、便の状態は健康状態が分かる重要なものでもあります。トイレ掃除の時、いつもと便の様子が違わないか確認しておくと、猫の体の異常に早く気がつきやすいでしょう。我が家でも良く、迎えたばかりの猫の便に、寄生虫がいることがありました。寄生虫入りの便を取るのは決して気分の良いものではありませんが、それを検査してくださる獣医師さんには、頭が下がります。猫の便の状態がおかしい時、持参すると診断の助けにもなりますので、検便を有効に使って、愛猫の健康状態をチェックしてください!

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