猫にワクチンを投与した時の副作用と注意点

猫にワクチンを投与した時の副作用と注意点

猫の感染症予防のためのワクチン接種は、副作用があらわれることがあります。副作用には、重いものから軽いものまでありますが、猫にどのような症状があらわれるのか、ワクチンを接種するときに注意したいことを調べました。

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監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

猫にワクチンを投与した時の副作用

ワクチンをうたれる猫

猫のワクチン

猫の健康のためにできることの一つがワクチン接種です。猫にワクチンを打つことで、高い確率で感染症を予防することができます。完全室内飼いの猫なら感染症にかからないわけではありません。飼い主さんが外から病原体を室内に持ち込んでしまうこともあります。ですので、完全室内飼いでもワクチンをする必要があります。

ワクチンの副作用

猫のワクチンは弱毒化や不活性化した病原体で作られています。猫にワクチンを接種するということは、異物を体内に入れるということです。体が過剰に反応してしまい、副作用があらわれることがあります。猫のワクチンによる副作用は、症状が軽いものから重いものまであり、副作用があらわれるまでの時間にも違いがあります。

猫のワクチンの種類と副作用

猫のワクチン

猫のワクチンの種類

猫のワクチンで予防することができる感染症は以下の6種類です。

  • 猫ヘルペスウイルス感染症(猫風邪)
  • 猫カリシウイルス感染症(猫風邪)
  • 猫汎白血球減少症
  • 猫白血病ウイルス感染症
  • クラミジア感染症(猫風邪)
  • 猫免疫不全感染症

猫のワクチンにも種類があり、3種~7種の混合ワクチンと、2種類の単独のワクチンがあります。3種混合ワクチンは猫ヘルペスウイルス感染症、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症に対応していて、これをコアワクチンと呼びます。3種混合ワクチンに猫白血病ウイルス感染症ワクチンが加わると4種混合ワクチン、さらにクラミジア感染症ワクチンが加わると5種混合ワクチンとなるのです。猫白血病ウイルス感染症と猫免疫不全感染症のワクチンは単独で接種することができます。

猫のワクチンの副作用「アナフィラキシーショック」

  • ショック
  • けいれん
  • 血圧低下
  • 興奮
  • よだれ
  • 嘔吐
  • 呼吸困難

猫がワクチンを接種して15分~1時間以内にショックやけいれん、血圧低下、興奮、よだれ、嘔吐、呼吸困難などの重い症状があらわれるのがアナフィラキシーショックです。すぐに処置をしなければなりません。

猫のワクチンの副作用「接種後2~3時間後」

  • じんましん
  • 顔のむくみ
  • 目の周りが赤くなる
  • 発熱
  • 元気消失、食欲低下

じんましんや顔のむくみ、目の周りが赤くなる症状があらわれたら、すぐに動物病院に連絡をしましょう。アレルギーを抑えるための治療が行われます。

猫のワクチンの副作用「接種後~数日」

  • 元気がない
  • 食欲がない
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 熱っぽい
  • 体温の低下
  • 粘膜の色が白っぽい
  • 震え
  • くしゃみ
  • 鼻水

いつもより元気がない、食欲がない、下痢、嘔吐、熱っぽいなどの症状が出ることがあります。症状が激しくない場合は、一過性のものなので治療する必要がないことがほとんどです。他には、体温の低下、粘膜の色が白っぽい、震え、くしゃみ、鼻水などの症状が出る場合もあります。3日ほどで良くなりますが、症状が続いたり悪化したりするようであれば治療が必要となります。

猫のワクチンの副作用ではなく、病院に行くストレスや注射のストレスで一時的に体調を崩してしまっている可能性もあります。

猫のワクチンの副作用「しこりができる」

1万匹に1匹という低い確率で起こる「ワクチン反応性(誘発性)肉腫」というしこりができる病気があります。ワクチンを接種した場所が炎症を起こし、しこりになりますが、数週間で小さくなれば問題ありません。しかし、数か月経ってもしこりが残っていたり、数か月後に急にしこりができたり、しこりが大きくなったりしていたら、ガンになっている可能性があります。肉腫を取り除く手術を行いますが、再発しやすい病気です。

しこりができる原因は猫のワクチンに含まれる成分やウイルスなどが考えられていますが、はっきりとしたことは分かっていません。肉腫ができてしまっても取り除きやすい後肢の太ももにワクチンをすることが推奨されています。しこりや炎症が見られたら、触り過ぎないようにして動物病院に相談をしましょう。

猫のワクチンの副作用で注意する点

ワクチンを打った猫

ワクチン接種の前後の体調をよく見る

ワクチン接種の前はいつもと体調に変化がないか確認しておきましょう。また、ワクチンを接種した後24時間は副作用による体調の変化がないか観察が必要です。動物病院によってはワクチン接種後30分は病院内や病院の駐車場など近くにいるように指示されることがあります。自宅に帰ってから副作用の症状があらわれることもあるので、ワクチン接種は午前中に行う方が安心です。

ワクチンは相談して決める

ワクチンの種類は多く、予防できる感染症の種類や、生ワクチン、不活性化ワクチンなどがあります。完全室内飼い、外に出る猫、多頭飼い等、猫に適したワクチンが異なるため、獣医さんと相談して決めましょう。

また、過去に猫がワクチン接種による副作用があらわれたことがある場合は、獣医さんに伝えておきましょう。ワクチンによるしこりの予防は、ワクチンを打つ場所について相談したり、飼い主さんが記録したりするとより安心でしょう。何らかの理由で病院を変わった時には昨年度の記録がないので、飼い主さんが把握しておくほうがよいでしょう。

相談しやすい動物病院を見つける

猫のワクチンは年に1回行うことがほとんどなので、ワクチンの説明をしてくれる、質問しやすい、きちんと答えてくれるなど、安心できる動物病院を見つけることも大切です。

まとめ

ワクチンの検査中の猫

猫の感染症を防ぐためのワクチンは、副作用が出ることがあります。症状は軽いものから重いものまであり、ワクチンを接種したらよく観察をすることが必要です。副作用があらわれた経験がある猫は、事前に獣医さんに伝えましょう。

また、ワクチン接種でしこりができることがあります。感染症を防ぐために必要なワクチンですが、猫の観察や病院への相談などで、もしもの時に素早く対応できるようにしておくと安心ですね。

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