猫の知能と犬の知能を比較
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猫と犬を両方育ててきた経験の中で、子猫と子犬を比較した場合、断トツで猫の方が賢い、という実感があった。犬はとにかくトイレのしつけから、食べてはいけないもの(中には命の危険にさらされるものも)、ここから跳んだら死ぬ、とか、何もかも教えなければ出来ない。
猫はその点、何も教えなくても全部自分で出来るのだ。離乳食を食べはじめた位のまだバブバブの子猫が、ちっちゃなお手てで猫砂をかいてオシッコをするのを見て感動した。しかし、猫は芸をしない。決してしない。その点では、犬は人間様からご飯をもらう為に色々な芸をする。猫は美味しいものをもらう為に芸はしないが、愛らしい鳴き声や仕草を武器とする。
猫と犬の知能の比較としては「賢さが違う」というのが今のところの結論のようだ。
「3日で恩を忘れる」言われる猫の知能を検証
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これも主に昭和の時代までよく言われたことだ。誰が言い出したのだろう。失礼な話である。猫は、美味しいものが入っている引き出しも、お気に入りのオモチャが隠されている棚の場所も全部ずっと覚えている。バカにしないでもらいたい。
具体的に検証材料となるエピソードがある。旅行によく行くが、だいたい2泊3日の旅行だった。ある時、3泊4日の旅行に行くことになったが、その時飼っていた猫はお留守番。さすがに4日間の留守番は心配だったので、3日目に近所に住む友達に様子を見に来てもらった。友達が鍵を開けて玄関から入ると、飼い主が帰ってきたと勘違いした猫が「ニャア~ン!!♪」という鳴き声と共に階段をかけ降りてきたそうである。しかし玄関に居るのが友達だと分かると「ニャッ??!」と漫画のような声をあげて固まってしまったそうだ。4日目に飼い主が帰宅した時は、足元にまとわりつき、そんなに転がってどうするという位コロコロ転がって喜んでいた。
結論。猫は3日で恩を忘れない!
猫は自分の名前を認識するほどの知能を持つのか
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「うちのコはポチと呼んでもタマと呼んでも返事をするのよ~」というような話を何度か聞いたことがある。猫が自分の名前を認識しているかどうかについては色々なケースがあるようだ。今うちには猫2頭、犬1頭がいるが、複数の個体が共同生活しているせいか、全員自分の名前を認識している。が、以前に飼っていた猫はどんな名前を呼んでも返事をするクチであった。しかしそれには飼い主の責任もあった。どういう理由かというと、そのコには少なくとも10個近くの名前があったからだ。
例えばミケ、という名前だとすると、
ミケ→ミケちゅん→ちゅん→スズメ→ピヨ→ピヨたま→たまみ→…→……
というように、可愛さのあまり名前が恐ろしく変化していき、結果無数の名前が出来上がってしまう。そのコは何と呼んでも「ニャンッ♪」と返事をした。飼い主の責任であった。愛猫にちゃんと名前を認識させたければ、呼び名を統一する必要がある。
猫の知能を発達させる方法
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知能、とひとことに言っても様々なカテゴリーが存在する。猫の理解力、記憶力等を後天的に発達させるのは、本能、つまり元から遺伝子に組み込まれている割合が高いので中々難易度が高い。しかし、情緒を発達させる、つまり感情豊かな、愛情深い猫に育てる方法はある。それは「目を見てたくさん話しかける」ことだ。そして、呼ばれたら必ず無視をせずに返事をしてあげることだ。
最初は何の反応もないように見えるが猫は聴いている。
「ご飯美味しかった?」
「ママのお膝にきたいの?」
「ちょっとお留守番しててね」
「大好きよ」
なんでもとにかく話しかけているとだんだんと会話のような事が出来るようになってくる。何より猫自身が情緒深くなり、飼い主とのコミュニケーションが愛情に満ちたものになる。是非、オススメである。
猫の知能は人の子供で何歳になるのか
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よく、猫の知能は幼児でいえば○歳児、という話を聞くが、その○の中には色々な数字が入る。だいたい、2~3くらいがメジャーな意見のようである。しかし実際に人間の子供と猫の知能を比較検証する方法はないし、人間のIQテストのようなものがもし猫にあったら、まぁ、面白いことは面白いかもしれないが、まだ存在しないだろう。猫と同じく長い間、人と生活を共にしてきた犬と比較してみるのは興味深いかもしれない。
猫の知能に関するまとめ
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猫と犬と人間の出生時からの成長スピードを比較してみると、断トツに人間が1番遅い。子猫の成長スピードはたいへん早く、生後3~4ヶ月頃までの子猫の1日は人間の赤ちゃんの1か月に相当する、という説もあるほどである。元来、単独狩猟動物であるが故、生存に必要な知能は生まれつき備わっているのだろう。猫と犬、どちらの方が人間に近いかという意味では、猫よりも成長スピードの遅い犬であるかもしれない。
猫の知能がどのくらい高いものなのか、まだ謎は多いが、窓の外をじっとみつめる愛猫の横顔を見ながら空想を膨らませるのも猫飼いの醍醐味のひとつであろう。愛猫の名前を優しく囁けばきっと可愛らしい声で返事をしてくれるに違いない。
50代以上 男性 イチロウ
我が家の昨年に他界しました最古参で最愛の長男猫は、少なくとも飼い主である私と意思疎通が可能で、飼い主の思いを理解して尊重する等、人で言えば思い遣りのある猫でした。
私が、高熱のせいで天井が歪んで見える程の重いインフレエンザで寝込んでいた折には、心配したのか、寝床の横で一日中付き添い、私が目覚めると額を舐め、心配そうに顔を見詰めるのでした。 その折には、不覚にも何度も泣いてしまいました。
猫に、これ程の思い遣りがある、と驚く程でしたが、愛猫「とら」は、飼い主への思い遣りのみでは無く、私が保護した仔猫達への思い遣りも示し、仔猫達も「とら」を慕いました。
ある日、私が、洗濯物をたたみ、アイロンをかけている折に、その邪魔をする仔猫に手を焼き、「とら」に声をかけると、お邪魔虫の仔猫を前脚で押さえ、諭すように顔を近づけて何事を言うかのようにした折には、暫しの間、「とら」を見詰めてしまいました。
その姿は、まるで母親が、「邪魔をしてはいけません。」と諭すように見えたからです。
高齢になり、腎臓を病んでからは、投薬、輸液、等をしなくてはならない折にも、「とら」にその必要性を説明し、何度か実際に行うと、暫くするとその必要性を理解したかのように大人しく飼い主に協力するのでした。
ただし、苦情を言うように何事かを呟くのはいつものことでした。 それは、特に療法食に関しての苦情であるのは明らかでしたので、それこそこの国に流通しているあらゆる療法食を集めて出したものでした。
晩年になり、日に何度もの投薬とミルクの強制給餌では、嫌がるものの、その必要性を知るかのように素直に飲むのでした。 亡くなる前日まで、「とら」は、既に起つことも叶わなくなった身で残る力を振り絞るように薬とミルクを飲みました。
亡くなる前には、苦しそうにもせず、少し息が荒くなったのみでした。 あれも、飼い主への思い遣りのせい、と思い至ると如何にも「とら」らしい最期と感心するこの頃です。
可愛い、賢い、そして強い仔でした。
ただ、我が家に今も残る仔達には、「とら」に対すると同じものを期待してはいませんが。