猫の耳垢が黒い!考えられる病気や治療の方法

猫の耳垢が黒い!考えられる病気や治療の方法

健康な猫は、茶色い汚れが少量、耳の中に付いていることがありますが、それは正常な状態です。ですが、黒い耳垢が大量に付いている場合、何かの病気とみて間違えなさそうです。猫の耳垢が黒い原因は何か、考えられる病気や治療法、対処法、予防法をお伝えします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の耳垢が黒いのはなぜ?

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猫の耳垢が黒い原因には、何があるのでしょう?以下の3つが、考えられます。

  • 耳ダニで猫の耳垢が黒い
  • マラセチアに感染して猫の耳垢が黒い
  • 真菌に感染しているため猫の耳垢が黒い

猫の耳垢が黒いのは耳ダニのせい

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猫の耳垢が黒いときは、耳ダニ(ミミヒゼンダニ)を疑いましょう。耳ダニ(ミミヒゼンダニ)が外耳の表面に寄生することで外耳炎となり、耳垢が黒い「耳ダニ症」になります。

黒い耳垢が出る耳ダニは草むらに生息しているので、野良猫や外出する猫の場合、寄生されやすいです。黒い耳垢が出る、強いかゆみを伴うので、頭を頻繁に振る、耳を良く掻くなどの症状が見られます。

野良猫を保護した場合、黒い耳垢が出る耳ダニを持っている事が多いので、必ず動物病院を受診して、調べて貰いましょう。先住猫や他の動物に黒い耳垢が出る耳ダニがも移る可能性がありますので、耳ダニの有無が分かるまでは面会させないようにしてください。

黒い耳垢が出る耳ダニは人に移る事は稀のようですが、ゼロではありません。赤ちゃんや高齢者など、免疫力が弱い家族がいる場合、十分に注意してください。

我が家の元野良猫も、保護した当時黒い耳垢が出る耳ダニ症にかかっており、耳の中が黒い塊でいっぱいでした。保護してすぐ動物病院に連れて行った為、耳ダニかどうか調べてくれ、耳の中の洗浄もしてくれました。

おかげで黒い耳垢が出る耳ダニが先住猫に移ることはなかったので、早めに受診して良かったと思います。黒い耳垢が出る耳ダニの治療は、耳の中の洗浄を行なった後で駆虫薬の投与や注射を数回行って、耳ダニを駆除します。

猫の耳垢が黒いのはマラセチアのせい

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猫の耳垢が黒いときは、マラセチアになっている可能性があります。

マラセチアは、猫の皮膚の表面にいる、常在菌です。通常であれば特に害のない酵母菌(カビの一種)なのですが、耳の中の湿度が増したり、免疫力が低下した時などに異常増殖し、黒い耳垢が出たり炎症を起こしてしまうのです。

黒い粘り気のある耳垢が特徴で、耳もベタベタと油っぽくなります。黒い耳垢が出るマラセチアは酷くなると油が酸化したようなツーンとした匂いがします。

黒い耳垢が出るマラセチアの治療は外耳道をイヤークリーナーできれいにした上で、抗真菌薬を耳の中に垂らして行います。スコティッシュフォールドやスコマンチなど、耳が垂れている猫種の場合は耳の中が湿っていることが多いので、黒い耳垢が出るマラセチアは特に注意が必要です。

猫の耳垢が黒いのは真菌に感染しているから

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猫の耳垢が黒いときは、真菌に耳に感染している可能性もあります。真菌は非常にありふれた菌ですが感染力が強く、一度かかると治癒までにそれなりの時間がかかります。人にも移りますので、もし愛猫が真菌症を患っていた場合、扱いには注意です。

真菌症の場合、黒い耳垢だけでなく全身に症状が現れます。黒い耳垢だけではなく、かさぶたになる、脱毛するなどの症状が現れたら、早めに受診しましょう。我が家に最初に来た猫は、動物シェルターから真菌を手土産として持参して来ました。

猫自身はそれほど、かゆみなどで辛い思いはしないようですし、命に関わる病気ではないのですが、ほうっておくと全身に広がり毛が抜け、目も当てられないほど可哀想なコトになってしまいます。ですから愛猫の真菌症が疑われる場合は、早めに治療してあげましょう。

真菌の治療には、抗真菌薬の投与やローション、軟膏の塗布、シャンプーなどを行います。真菌に感染している猫とは一緒に寝たり、濃厚な接触をしたりしない方が良いでしょう。感染猫の使ったベッドや毛布などは、マメに60度以上のスチームで、消毒します。

猫の耳垢が黒い時の対処法

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ふと気がつくと、愛猫の耳垢が黒い…というのはありえなくない話です。なぜ猫の耳垢が黒いのか、原因を突き止める必要がありますので、必ず動物病院を受診して、診断を受けるようにしてください。

黒い耳垢を迂闊に触ると、原因によっては飼い主さんにも愛猫の病気が移る可能性がありますので、なるべく触らず、連れて行くようにしてください。

猫の耳垢が黒くならないようにする予防法

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黒い耳垢を予防するためには免疫力が低下しないように気をつける

猫の耳垢が黒い病気にかからせないようにする為には、まずは健康的な生活を送らせて、免疫力が低下しないように気をつける事です。バランスのとれた食事と適度な運動、十分な睡眠をとらせてあげましょう。愛猫がストレスを感じないような環境作りも、大切です。

黒い耳垢を予防するためには室内飼いにする事

そしてできれば、室内のみで愛猫を飼うこと。外に出るとどうしても、どこかで耳ダニをくっつけてきたり、誰かに真菌を移されたりしてきて、耳垢が黒い症状が出る可能性があります。

また、定期的にダニの駆除薬を使用するのも効果的です。猫の耳垢が黒いなどの異常がないか、1~2週間に一度は、スキンシップも兼ねてチェックしてあげましょう。

まとめ

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  • 猫が黒い耳垢を出す「耳ダニ」
  • 猫が黒い耳垢を出す「マラセチア」
  • 猫の耳垢が黒い時は「真菌」も疑う

猫の耳垢が黒いと、ビックリしますよね。

ですが、あらかじめ猫の耳垢が黒い病気を知っておけば、落ち着いて対処することができます。

この記事を読んだあなたなら、もう大丈夫。

もし明日、愛猫の耳垢が黒い状態になっていても、きっと素早く対処することができますよ!

投稿者

40代 女性 かな

我が家の猫ちゃんを、拾った時耳にダニがいて、耳の中が真っ黒でした。
獣医さんに診ていただき、洗浄と薬で治療していただきました。1週間ほどかかり耳の中が綺麗になりました。毎日耳に薬を垂らした甲斐もありました。痒いのも治まったようで耳をかかなくなりました。耳ダニがいるときはすごく痒かったようで頭を振り回していました。獣医さんは、何本も耳を掃除する棒を使って耳掃除して下さいました。見ているだけですっとしました。早めに動物病院に行くべきですね。
投稿者

40代 女性 みやこ

昨年の大阪で発生した地震で一時、行方不明になって無事に、帰ってきたうちの猫ちゃんの耳の中が黒くなっていて、急いで獣医師に診ていただきました。
まだまだ混乱の中での診察でしたが、耳ダニが原因だということがわかりまして、治療していただきました。洗浄をしてお薬を耳にいれてくださいました。しばらくは、おうちでも耳にお薬を入れていました。元気がなかった猫ちゃんでしたがだんだん、元気を取り戻しましたし、耳の中も綺麗になりました。時間はかかりましたが、完治しました。
それ以来、耳ダニに悩まされることはなくなりましたので安心しています。

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