ヒマラヤンがかかりやすい病気とその予防法

ヒマラヤンがかかりやすい病気とその予防法

ヒマラヤンのかかりやすい病気、健康管理についてご紹介します。ヒマラヤンは、比較的遺伝性の病気を発症しやすい品種とされているのをご存知でしょうか。ヒマラヤンと暮らしている方も、これからお迎えしようと考えている方も、ヒマラヤンのかかりやすい病気について、今一度確認してみましょう!

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監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

ヒマラヤンがかかりやすい病気

ヒマラヤン

ヒマラヤンがかかりやすいとされる主な病気をご紹介します。

肥大性心筋症

肥大性心筋症は、その名の通り心筋が中心に向かって肥大していく病気です。肥大するのは主に左心室で、肥大する事によって拡張障害を引き起こします。また、肥大性心筋症最大の特徴として、甲状腺機能亢進症等の明らかな原因がないのにも関わらず、肥大を引き起こすというものが挙げられます。

肥大性心筋症の初期症状は無症状の場合が多く、症状があったとしても元気がなくなったり、食欲が低下したりと非特異的である為に発覚が遅れる事も。他には咳や、呼吸が荒くなる、失神、下半身麻痺等があり、突然死を招く場合もあるとされています。

多発性嚢胞腎(のうほうじん)

多発性嚢胞腎とは、遺伝性の腎臓の病気です。多発性嚢胞腎は、先天性の病気であり、猫の成長と共に腎臓に発生した小さな嚢胞がゆっくりと数を増やしながら肥大し、結果的に腎不全を引き起こします。

多発性嚢胞腎は、成長と共にとてもゆっくりと進行する為、症状が表れにくく、発覚が遅れる事が多いとされています。ただ、慢性腎不全によく似た症状が表れる場合があるとされていますので、食欲減退、多飲多尿、体重減少等の症状には十分に注意しましょう。

短頭種気道症候群

短頭種気道症候群とは、マズルが短い、顔が平たいという特徴を持つ短頭種に発症する事の多い鼻腔狭窄、声門狭窄等の症状が併発した場合の総称です。ヒマラヤンの中でも、エクストリームと呼ばれる鼻ぺチャの品種は注意が必要です。

マズルが短い猫種の場合、鼻腔狭窄の発症率が高く、鼻をグーグーとブタ鼻のように鳴らしたり、呼吸が荒くなったりする症状が表れます。症状が悪化すると呼吸困難により、チアノーゼを引き起こす可能性もあります。

眼瞼内反症

眼瞼内反症とは、その名の通り眼瞼が内側を向いてしまう病気です。ヒマラヤン等の短頭種の場合は、先天性である場合も多いとされています。涙や目ヤニが増える等の症状や、結膜炎や角膜炎を引き起こす場合も。執拗に目を気にするようであれば、かかりつけ医を受診しましょう。

流涙症

流涙症は、涙があふれ、常に涙が流れているような状態になってしまう目の病気です。結膜炎や角膜炎の疾患が原因になっている場合もあれば、煙やガス等が刺激になって引き起こす場合もあります。また、ヒマラヤン等のマズルの短い猫種の場合は、先天性の構造異常によって流涙症を引き起こしやすいとされています。涙の量が増えた、目の周りが茶色く汚れている場合等は、流涙症の可能性を疑いましょう。

これらの他にも、ヒマラヤンの特徴である長毛のダブルコートが原因で毛球症や熱中症を引き起こす場合もあります。ヒマラヤンの特徴をしっかり理解し、病気の予防、早期発見に努めたいですね!

ヒマラヤンがかかりやすい病気の予防方法

猫手入れイメージ

ヒマラヤンの健康管理についてご紹介します。

遺伝性疾患の予防方法

肥大性心筋症や多発性嚢胞腎等の、遺伝性疾患についての予防は先天性である場合が多く、予防が難しい病気でもあります。ただし、定期的な健康診断や、日頃から飲水量、オシッコのチェック等を行う事で、早期発見に繋がる可能性もあります。

ヒマラヤンは、遺伝性疾患が比較的多い品種であるという事を理解した上で、些細な変化にも気付く事ができるよう心がけましょう。

眼瞼内反症、流涙症の予防方法

これらの目に関わる病気についても、先天性で引き起こされる可能性もあります。しかし、上記のような心臓や腎臓等の内臓系疾患よりも、早期発見がしやすいとも言えますね。日頃から目の周りを清潔に保ち、異変がないかどうかチェックしましょう。

また、これらの病気は埃や、煙等が刺激になって引き起こされる場合もありますので、ヒマラヤンが過ごす部屋を清潔に保つ事も重要です。ヒマラヤンはマズルが短く、鼻と口の距離が近い為に、ご飯が鼻の中に入ってしまう事もありますので、食後は口周りを清潔に拭き、鼻に違和感を感じている様子がないか確認してあげましょう。

毛球症の予防方法

ヒマラヤンの特徴であるゴージャスな被毛は、毎日のブラッシングで清潔に保ちましょう。普段は1日1回、換毛期には1日2回ブラッシングする、月に1度シャンプーを行う等の方法で、なるべく抜け毛を飲み込まないように注意してあげたいですね。

熱中症の予防方法

ヒマラヤンのような短頭種は鼻腔が狭く、熱の発散が難しい為、熱中症を引き起こしやすくなります。夏場はクーラーを利用する等して、室温調整にも気を配り、新鮮な水をいつでも飲めるように工夫しましょう。

ヒマラヤンの健康管理は、日頃のケアがとても重要になります。目や鼻の周りを濡らしたガーゼ等で拭きとる、ブラッシングする等のケアをこまめに行いましょう。また、少しでも異変を感じた場合は、些細な事であっても獣医師に相談する事で、早期発見に努めたいですね。

ヒマラヤンの特徴

抱っこされるヒマラヤン

では、改めてヒマラヤンの特徴について確認してみましょう。

ヒマラヤンとは、ペルシャとシャムの交配によって誕生した品種です。ペルシャのゴージャスな被毛とシャムのポイント、それぞれの最大の魅力を持ち合わせた品種を誕生させたいとの思いから長きにわたって研究されてきたようです。

ヒマラヤンの体型はペルシャの要素が強く、太めの足に丸い体が特徴ですね。顔については、ドールフェイスと呼ばれる鼻筋の通った顔立ちと、エクストリームと呼ばれる鼻ぺチャの顔立ちの2種類に分けられます。日本で暮らしているヒマラヤンの多くは、前者のドールフェイスに該当するようです。瞳は美しいブルー、毛色はシャムの特徴であるポインテッドに限られます。

ヒマラヤンがかかりやすいとされる遺伝性疾患の多くは、交配元であるペルシャからの遺伝である場合が多いようです。前述した多発性嚢胞腎については、この遺伝子を持つ親猫(ペルシャ)から先天的に疾患が遺伝する確率は50%前後とされています。また、マズルが短い事で引き起こしやすい疾患もあり、特にエクストリームのヒマラヤンの場合は注意が必要です。

まとめ

猫を抱く女性

ヒマラヤンのかかりやすい病気についてご紹介しました。こうして紹介すると、ヒマラヤンってこんなに病気になりやすいの?と思われてしまいそうですが、ヒマラヤンの平均寿命は14~16歳とされており、比較的長生きですよね。性格も温厚で甘えん坊な子が多く、とても魅力的な品種です。ただ、ヒマラヤンのかかりやすい病気について、よりよく知る事でいざという時に冷静に判断する為の参考になれば幸いです。

記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子先生
  • (ふくふく動物病院 院長)

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

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