猫にできものが出来た際に注意すべき3種類のガン

猫にできものが出来た際に注意すべき3種類のガン

愛猫の体にポッコリとできものが!それがニキビやイボならば、きちんと対処すれば、大変な事態になることはあまりないでしょう。しかし、猫のできものの中には、ガンなどの怖い病気が隠れていることもあるんです。ここでは、ガンの可能性のある3種類のできものを解説していきます。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の顔のできもの 「扁平上皮ガン」

目を閉じる猫の顔

猫の目元や鼻すじ、そして口内のできものは、「扁平上皮ガン」の可能性が有ります。特に白い猫は耳に扁平上皮ガンになりやすいので注意しなければなりません。

初期の扁平上皮ガンは、猫の目の周りや鼻すじ、耳の先端に脱毛やカサつき、小さなできものやカサブタができるなど、他の病気とまぎらわしい症状が出ます。そのため、「外でケンカでもしてケガしたのかな」「皮膚が荒れているな」と思って様子を見る飼い主さんも多いようです。

軽いケガや皮膚の炎症であれば、そのまま治まってしまうこともあります。しかし扁平上皮ガンの場合は、治るどころか段々と症状が悪化していきます。ひどくなると、できものがただれて潰瘍の状態になったり、膿を持って出血したりすることがあります。

猫の口の中に発生すると、膿や血混じりのよだれが出ることや、できものが邪魔をして、ご飯が食べにくくなってしまうことも。

扁平上皮ガンは、猫が長時間日光(紫外線)に当たっていると発症しやすくなります。毛の薄い(少ない)猫や、紫外線を防いでくれるメラニン色素に乏しい白い猫、毛に白い部分のある猫は特に注意が必要です。しかし、被毛が真っ黒の猫でも発病するリスクはありますので、油断は禁物!

8~9才以降にかかりやすくなる病気ではありますが、小さな頃から紫外線に当たる時間が長くならないように気をつけてあげましょう。

猫の頭と内臓のできもの 「肥満細胞腫」

レントゲンを見る医師

猫の頭や内臓に発生したできものは、「肥満細胞腫」の可能性があります。

肥満細胞の役割は、アレルギー症状を起こすヒスタミンを発生させ、体にとって有害な物質を追い出すこと。もともと体内に存在していて、猫たちの体を守ってくれています。この肥満細胞がガン化すると肥満細胞腫と呼ばれます。その病名から、おデブな猫さんがかかりやすい病気だと誤解されがちですが、発病のしやすさに猫の体形は関係ありません

肥満細胞腫の危険度は、できものができた部位によって大きく異なります。

【頭、首などの皮膚にできる】危険度低

頭頂部にポツリとできものがある場合や、耳の周り、首周辺、足などの皮膚に発生したできものの場合、良性であるケースが多いです。

皮膚型の肥満細胞腫は、できものの状態に目立った規則性はなく、きれいな丸形のものから潰瘍状のものまでさまざまです。できものの数も、1つだけポツンとできることもあれば、全身の皮膚のさまざまなところに多発することもあります。

皮膚のできものといえば、脂肪や角質化が原因のものも多いです。目で見ただけでは、肥満細胞腫とその他のできものの区別をつけることは難しいでしょう。また、良性の「可能性が高いだけ」であって、必ずしも良性だとは限りません。気になる症状があった時には、一度獣医さんに相談することをおすすめします。

【腸や肝臓、脾臓などの内臓にできる】危険度高

肥満細胞腫が内臓にできた場合は、悪性のことが多く、転移のリスクも高いです。

皮膚と違って、内臓に発生したできものは目視では確認できません。しかし、手で触ることによって確認できることがあります。

お腹の中にできもの(しこり)を感じるのと並行して、次のような症状が見られる場合は動物病院に行きましょう。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 体重減少
  • 活動量の低下
  • 発熱
  • 血便

できものの発生部位により、症状は異なります。

8才から10才くらいの猫に発生することが多い病気です。シャム猫の場合は、若くして内臓型の肥満細胞腫ができることも多く、発生確率も高めというデータもあります。

猫の乳房周辺のできもの「乳ガン」

授乳する母猫

乳腺のできもの、いわゆる乳腺腫瘍は良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられます。猫に乳腺のできものが発生した場合は8割ほどが悪性、すなわち「乳ガン」だと言われています。これはかなり高い確率であると言えるでしょう。悪性のケースでは、肺などへの転移も頻繁に確認されています。

乳ガンの猫が増えてくる年齢、10才前後からはメス猫に特に注意してあげましょう。乳腺腫瘍も、シャム猫の場合はもう少し若いうちから発生する可能性があります。

できもの(しこり)は乳房の周りだけでなく、猫の脇の下あたりから足のつけ根付近にかけても発生することがあります。広範囲をできものが無いかチェックすることを心がけましょう。

この腫瘍は避妊手術を早期に行うと発症を防ぐことができるといわれています。ほとんどの乳腺腫瘍が悪性なので、この病気を予防するためにも早期の避妊手術をお勧めします。

できものが大きくなるにつれ、猫が気にしてできものを自分で舐めることが増えます。ですが、仮にガンだとすれば早期発見、早期治療が大切。できれば、できものが小さいうちに発見してあげたいですよね。

まとめ

猫をなでながら体をチェック

ガンの可能性のある猫のできものを見てきました。当然のことですが、ガンは腫瘍が小さいうちに治療を始めたほうが予後は良好です。治療開始が遅れれば遅れるほど治療期間も長くなりますし、猫の体にも負担がかかってしまいます。愛猫とのスキンシップを兼ねて、撫でたりブラッシングをしたりしながら、できものができていないか、こまめに確認してあげましょう。

投稿者

女性 百日紅

猫は全身毛におおわれているので、皮膚にできたできものに素早く気付いてあげられるのか不安があります。マッサージなどでできるだけ猫の体に触れるようにしていますが、毎日行うことが大切ですね。ですが体の中にできたものは外からは分かりにくいかもしれない、という不安もあります。
乳腺腫瘍は再発が多いことで知られていますが、避妊手術をすることで発症を予防することが可能で、生後6か月までに行うと9割防ぐことができるそうです。繁殖を望まないのであれば、早めに避妊手術してあげた方が猫のためと言えるかもしれませんね。
できものがガンかもしれないということを頭に入れて、早期発見、早期治療できるようにしてあげたいと思いました。
投稿者

30代 男性 リッツ

全身を被毛で覆われている猫の場合、短毛種であってもできものを見つけるのは難しいですよね。口や目の周りであれば比較的分かりやすいですが、毛に埋もれてしまう部分に関しては、発見が遅れる事も多いようです。

また、定期的にワクチンを接種する事で、注射針を刺す部位に皮膚ガンが発症してしまう「繊維肉腫」という病気があります。これは、コラーゲンを生産する繊維芽細胞に発症するガンの一種で「注射部位肉腫」「ワクチン接種肉腫」等と呼ばれています。この注射部位肉腫の症状を懸念し、日本では年に1度の接種を推奨されているのに対し、海外では数年に1度の接種を推奨している国もあるようです。

このような何らかの病気によるできものを判断する為にも、完全室内飼いの徹底が重要になってきますよね。外に出入りしていると怪我をする事も多いですし、猫の全身を管理する事は困難を極めます。記事にもあったように、毎日コミュニケーションの一環としてボディーチェックやブラッシングをする事で、何事も早期発見に努めたいですね。
投稿者

40代 女性 かえで

 うちの実家で飼っていました猫ちゃんの中で、次男猫ががんになりました。
 初めは、体をなぜているときにしこりを見つけたのが始まりでした!
ちょうど健康診断に行く日が近かったので怪我なのか腫瘍なのかを見ていただこうと早めに行きました。
すると、検査の結果、腫瘍でした!良性でしたが、手術は難しい場所である『首』だったので、薬の投与となりました。病院通いが続きましたが最終的には悪性腫瘍もできまして、残念ながら亡くなりましたが、早めに良性腫瘍を見つけたので、悪性腫瘍を患ってからも比較的、永く生きてくれたのでよかったなと思いました。
 病気や怪我の早期発見の為には体をなぜて触ってみたりとゆうスキンシップが大切だなと思いました。
投稿者

40代 女性 ねね

実家の猫ちゃんが、乳ガンになりました。初めは乳房にしこりを見つけまして、検査を受けると乳ガンでした。まだ手術を受けられる状態だったので、ガンを切り取っていただくことにしました。1週間ほど入院しましたが、綺麗に取っていただき元気になりました。手術の前は嘔吐したり、ぐったりしたりと心配しましたが、手術のあとは、すっかり元気になりました。走り回ったりすると息が切れるみたいですが、キャットタワーにとびうつったりは、余裕でできます。その姿をみると嬉しくなります。
投稿者

20代 女性 匿名

5か月のノルウェージャンの前足の脇しこりを見つけて、獣医さんに見てもらったら、たしかに、しこり?…しこりは検査しないと判らないので、しこりの方は去勢手術の時に取ると、良性のリンパ腫でただただリンパ節が大きなった物で大丈夫と…ホット一安心しました。時にはリンパ腫のこともあるとの事でした。
投稿者

30代 女性 みきこ

我が家の母猫ちゃんが乳ガンになったとき、検査の結果を聞いて驚きました。
頑張って治療を受けてまた元気になってほしいと思いました。
出産もしたところでしたが、子猫ちゃんが生後半年になってすぐだったので、母猫ちゃんは手術を受けさせることにしました。抗がん剤で痩せてしまったりもしましたが、栄養のいいご飯も食べさせて快方にむかうようにと願いました。手術で腫瘍を摘出してから、だんだん快方に向かいまして1年半後には寛解しました。
手術の跡は痛々しいですが、元気になってくれて本当に良かったです。

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