猫にイボができる病気
愛猫とスキンシップをしている時やブラッシングの時など、ボコッとしたイボが見つかる事があります。もしイボが出来ているのを見つけたら、一度受診するようにしましょう。
猫にイボが出来る病気として、考えられるものを挙げます。
猫のイボで多い病気 基底細胞種
- 基底細胞種は皮膚ガンの一種
- ほとんどが良性のイボである事が多い
猫の皮膚にできるイボで、1番多く見られる病気です。皮膚ガンの一種ではありますがほとんどが良性で、悪性の可能性は低いのが特徴です。ただ、一度切除しても再発することがあります。
イボが出やすい体の箇所
- 頭部や頸部、体幹
基底細胞腫のイボは頭部や頸部、体幹によく出ます。
基底細胞腫のイボができる原因
原因ははっきりとは分かっていませんが、遺伝子や日光が原因ではないか、と考えられています。老猫に多く見られる症状です。シャム猫やペルシャ猫も発症しやすいと言われています。
治療の方法
治療は切除手術を行うことがほとんどですが、時間が経ち大きくなると難しくなることもありますので、早めの治療がオススメです。
イボを予防する方法
予防法としては完全室内飼いにし、老猫や白い被毛の猫はこまめにイボが出来ていないかのチェックを行うことです。もしイボを発見したら、すぐ受診するようにしましょう。
シャム猫に多いイボができる病気 肥満細胞腫
猫の体の組織に存在する肥満細胞がガン化したものが「肥満細胞種」です。皮膚にできるものと内臓にできるものがあるのですが、猫の場合は皮膚にできる場合がやや多めです。
肥満細胞腫のイボができる原因
原因はほぼ不明ですが、シャム猫に多いとされています。ただシャム猫の場合は4歳未満の猫に多く、自然に治る事があります。シャム猫以外では8歳〜10歳のシニア猫に好発しやすく、イボの形は様々です。
内臓にイボができた場合
内臓にイボが出来た場合はお腹に触れた時、異常にゴリゴリしていたり、肝臓や脾臓が大きくなっていたりすることがあります。
治療の方法
治療は症状により、外科手術や化学療法、薬物療法が施されます。
猫の顔にイボが見られる病気 扁平上皮ガン
扁平上皮ガンは猫の体の表面を覆っている上皮にできるガンです。
イボが見られる箇所
- 鼻
- 耳
- まぶた
- 唇
- 口腔内
- 肺
鼻の表面や耳、まぶた、唇、口腔内、肺などに好発する傾向があります。発症する部位により症状が異なり、主に8歳以降の猫に多いです。何かおかしいな、と感じたら、早めの受診をオススメします。
扁平上皮ガンの原因
扁平上皮ガンの原因は不明の事が多いですが、白い被毛や紫外線が要因ではないか、と言われています。
治療の方法
- 外科手術
- 化学療法
- 薬物療法
治療は外科手術、化学療法、薬物療法が用いられます。マメに愛猫の体をマッサージしてあげる事で、早期発見に繋がります。
ただ実際にイボがあってガンだった場合、そこをむやみに触るとガンを刺激してしまうこともあります。イボを見つけたら触らず、速やかに受診しましょう。
悪性である猫のイボ 繊維肉腫
- 体幹四肢に多くイボができる
- イボが固い事が多い
- 再発しやすい病気
体幹や四肢に発生しやすい、悪性腫瘍です。イボの形は様々ですが、イボは固く周辺の組織との境目がはっきりしていない場合が多いです。
繊維肉腫は治療が難しくまたイボができて病気の再発もしやすいので、とにかく早期発見に務めましょう。
原因
- 免疫力の低下
- ストレス
- 猫白血病ワクチンのワクチン接種
原因ははっきりと分かっていませんが、免疫力の低下やストレスが関係しているのではないか、と言われています。また、ワクチン接種によりこの病気が発症することもあるようです。
特に猫白血病ワクチンによる肉腫の発生が多いとされています。
完全室内飼いの場合は猫白血病の感染の確率は低いので、必ず接種しなければいけない訳ではありません。慎重なワクチン接種が求められます。
治療方法
繊維肉腫の治療には、イボを取り除く外科手術と化学療法、放射線療法があります。
乳腺が張ったりイボができる病気 乳腺腫瘍
- 猫の乳がん
- 乳腺辺りのイボができる病気
- メスが発病する
- 良性が2割、悪性が8割
乳腺あたりにイボのような物ができるいわゆる「乳ガン」です。メスのみにある乳腺で発生するガンです。良性が2割、悪性が8割と言われています。
症状
妊娠していないのにお乳が張っている、乳首の周りに硬いいぼがある場合には注意しましょう。脇の下や大腿の付け根が腫れていたり、胸やお腹へ触るのを嫌がったりする時も、乳腺腫瘍が疑われます。
乳腺にイボがある乳腺腫瘍の原因
- ホルモンの影響
- 避妊手術をしていないメス猫がかかりやすい
- シャム猫がかかりやすい
2歳までに避妊手術をしていないメス猫に発症しやすいようです。シャム猫では他の猫に比べて発症しやすいという報告がありますし、その他にもホルモンが原因ではないか、と考えられています。
治療の方法、予防の方法
- 外科手術
- 化学療法
治療には外科手術と化学療法があり、予防法としては避妊手術が挙げられます。飼い主さんが日頃から愛猫のマッサージをすることで、早期発見に繋がりやすくなります。もし愛猫の胸部や腹部にイボやしこりを見つけた場合は、すぐに受診しましょう。
猫にイボを見つけたら…
猫のイボには良性と悪性の2種類あり、どちらなのかは検査をして見ないと分かりません。
良性ならばそのまま普通の生活を送っても問題ない場合が多いですが、悪性の場合は手術が必要となる事も。悪性のイボを放っておくと命に関わる危険性もある為、必ず受診が必要となります。
まとめ
猫にイボがある時の病気についてご紹介しました。
猫にイボがある時は必ず病気であるという事はありませんが、今回ご紹介したような内容のイボである場合は深刻な病気の可能性もありますので動物病院に受診しましょう。
猫はどこどこが痛い、具合が悪いなど、言葉では教えられません。
しかも猫は体調が悪いのを隠傾向があり、それにより病気の発見が遅くなるので、イボの早期発見には愛猫とのスキンシップが重要です。
愛猫とスキンシップをしつつ、どこか異常がないか、目を光らせましょう!
40代 女性 ねこ太
30代 女性 まつこ
検査の結果は、良性の腫瘍だったのですぐに切除してくださいました。傷の治りも良かったのですぐに、元気になりました。
その後も2回イボの切除をしていただきました。最近は、イボはできていませんが、ブラッシングの時に気をつけて皮膚を見るようにしています。イボが悪性の腫瘍ではなくて本当に良かったです。これからも、イボに注意してケアをしていきたいと思います。