猫におむつを使う場面
生まれながらの疾患や、交通事故でのケガで下半身が機能しない場合は、飼い主さんのサポートが欠かせませんし、おむつが必需品です。また、成猫になって起こる発情期のスプレー行為や、縄張り意識の強さからくるマーキングで、トイレ以外での粗相が治まらない時の対策におむつを使う手段もあります。
そして、高齢期に入るとトイレまで間に合わない事や、痴呆の症状から猫におむつを使い始める方も多いのではないでしょうか。他にも、公共機関で長時間の移動をする時や、災害での緊急時に使うと、臭い対策として周囲の方に迷惑を掛けるリスクも低減します。
はじめは愛猫におむつを使う事に戸惑う方も多いかもしれませんが、躊躇せず便利なアイテムは活用して飼い主さんの負担をサポートすることも、とても大事なことです。
猫のおむつの選び方
猫専用のおむつと言うものではなく、犬猫兼用のおむつが一般的に販売されています。大手ペット用品メーカーから様々な種類が発売されている他、コストを考えて人間用のおむつをアレンジして利用されている方もいる様です。
はじめての利用時には猫に対応したメーカーのおむつを、そして使う事に慣れてきたらアレンジに挑戦してみるのも良いですね。猫に使うおむつは、3Sや2S、Sサイズが推奨されています。枚数や価格はメーカーによりけりですが、2枚程度のお試し用で150円、10枚程度の少ない枚数で600~700円前後、30枚~50枚前後の枚数でおよそ2,000円が平均価格となります。
おむつに限らず、何かを身に着ける事が嫌いな愛猫の場合は、まずお試し用や枚数少量タイプから始めてみるのが良いでしょう。着けてみたものの、動いている間に外れてしまったり、嫌がっておむつを取ってしまったりする事も日常的に考えられます。そんな時の対策として、おむつカバーを使ってみる事も良いでしょう。ズレや漏れのない様に考えられているもので、おむつが隠れて見た目も可愛いです。
嫌がる事を無理にするのは避けたいかもしれませんが、粗相やスプレー行為でお部屋が不衛生になってしまうと、別の病気の発症に、つながってしまうかもしれません。
また、メーカーによってサイズの違いやフィット感の違い、香りやおしっこの吸収回数の差もあります。まずは、飼い主さんと猫ちゃんにとって、使いやすいものを見つける事が先決です。
猫のおむつの上手な使い方
愛猫のおむつは猫にとっては違和感そのもので、身に着ける事自体がストレスな場合もあります。可能であれば1日中おむつを着けるのではなく、飼い主さんが見ていられる間は外してあげる事も視野に入れてあげましょう。
- 日中はペットシーツの上で寝かせてあげて、体が汚れてしまった時は拭いてあげる
- 避妊や去勢の検討をする。粗相をしそうな家の各所に猫の苦手な香りを付けてみる
- 猫用トイレを複数設置する
状況によって出来る対策はいくつか出てくるかもしれません。お世話で大変な事も多いと思いますが、それが命を共にする事なのです。
コストも掛かる猫のおむつですが、人間用をアレンジすると、多少出費を抑えられるのではないでしょうか。ペット用品メーカーから発売している猫用おむつは、猫の尻尾が出せるように穴を開けられる仕組みになっています。
人間に尻尾は無いので、尻尾用の穴をあけてあげる手間はありますが、小さな赤ちゃんがいらっしゃって、猫のおむつも必要としている方は、一度試してみても損はありません。同様に人間用のおむつカバーを猫用に利用される時も、尻尾穴を開けてあげるのをお忘れなく。最近は新生児用のおむつも発売されているので、サイズもフィットするかもしれません。
まとめ
猫におむつ生活を求めても、すんなりと受け入れてくれるかどうかは保証がありません。猫が自分でおむつをはいたり、脱いだりする事は出来ないので、飼い主さんの努力と根気も大切なこと。おむつ生活に慣れる事は、飼い主さんの課題でもあるかもしれません。