猫の安楽死を選ぶ時  その理由や費用とは

猫の安楽死を選ぶ時 その理由や費用とは

病気等で苦しんでいる猫を飼っている人は、一度は猫の「安楽死」を考えるのではないでしょうか。今回は猫の安楽死についてのお話をしたいと思います。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫の安楽死を選ぶ時とは

悲しそうな顔をした猫

安楽死とは、苦痛から解放してあげる事を目的とし、自然死を待たずに人為的にかつ苦痛を伴わない方法で命を絶たせる事を言います。病気で苦しんであとは死ぬときを待つだけ、もう治らないだろうと言われた猫を目の前にしたら、「楽に死ねるなら安楽死を」と考える飼い主さんも少なくはないでしょう。

私も腎不全で苦しむ猫を見ている時、「安楽死は出来ないのか」と考えたことがありました。でも、いざ離れるとなればそれは悲しいもので、もう少し、もう少しと安楽死から逃げているうちにも、猫の死期は確実に近づき、結局最後は苦しみながら死んでしまいました。

私の体験談を聞き、皆様はどう思われましたか?「苦しんで死ぬくらいなら、早く安楽死を決めてあげればよかったのに」ですか?それとも、「安楽死なんて可哀想だ、その子の寿命で亡くなったんだからよかっただろう」でしょうか。

飼い主さんにとってはとてもつらい選択だと思います。今回は、猫の安楽死について少しお話をしてみたいと思います。

猫の安楽死として行われる処置

点滴をする猫の手と注射

安楽死は、動物に苦痛を与えないことに重点が置かれます。命を絶たせる薬剤大体は薬剤の前にも必要があれば鎮静剤を使用し、眠ってたようになってからすぐに脳の機能が低下しますので、すぐに呼吸停止、心停止へと進むと言われています。

薬剤を投与し始めてからは数秒で亡くなります。だからといって、喜んで安楽死を選択する飼い主さんはほとんどいませんよね。愛猫に安楽死という選択をする場合、

  • 老化や病気、けがにより猫自身の生活に支障が起きている
  • 病気やけがによる苦痛を取り除きたい
  • その病気が治る見込みがない、けがを治療しても多くの身体機能が失われその後の生活が困難になると考えられる

この3つが主な理由として挙げられると思います。病気の場合、治す方法が無い時に、安楽死を選択する人もいるそうです。他にも飼い主の都合で安楽死をさせられてしまう事もあるんだとか・・・。

猫の安楽死でかかる費用

電卓、ピンセット、ガーゼ

動物病院は自由診療なので、値段はその病院によるとの事でしたが、相場としては5,000円から30,000円程ではないでしょうか。場所によっては獣医師の心のケア代が含まれる所や、安楽死は出来ませんと断られてしまう場合もあると聞きました。

費用ももちろん重要ですが、飼い主の心情を理解し、一緒につらい気持ちをわかってくれるような、信頼できる獣医師なのかどうかも大きなポイントになってきます。

猫の安楽死に関するまとめ

夕焼けに照らされてぐったりする猫

今回は、猫の安楽死についてお話させていただきました。猫を飼う以上、病気になる事や老化により猫の介護をしなければいけない事も、よく考えておかなければいけません。しかし、どれだけ考えていても、いざ、安楽死という選択肢を考えなければいけなくなった時にはどうでしょう。

あっさり猫に安楽死をさせるという気持ちになる飼い主さんは、非常に少ないのではないでしょうか。本当に猫にとって安楽死が必要なのか、安楽死を選択して自分のメンタルは大丈夫なのか、等の様々な事をしっかりと考えなければいけません。安楽死を選択した後、寂しさや激しい後悔から、ペットロス症候群に陥ってしまう場合もあるのです。

そして、病気の猫のお世話でヘトヘトだったり、老猫の介護で疲れていたりすると、「もう疲れた、やめたい」という気持ちと、「早くよくなってほしい」と願う気持ちの葛藤があると思います。そんな時、安楽死という選択もある事を頭の隅に置いておくことで、少しは気持ちが楽になるかもしれません。

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