猫が口の中を気にする時に疑うべき病気と治療法

【獣医師監修】猫が口の中を気にする時に疑うべき病気と治療法

猫が口の中を気にする時に考えられるのは、口腔環境が悪化しているサインだという事です。猫だけでなく、動物は虫歯にはなりにくいですが、歯周病にはなりやすいのでケアには十分な注意が必要です。時には口の中に重い病気が潜んでいる事もあります。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が口の中を気にする

口を開けている猫

猫は口の中に違和感を感じたら、くちゃくちゃという音を立て始めます。
時には口の中だけではなく、口の周りにも異変を感じ始めるので口や舌を動かすことで違和感を少しでも軽減しようとするため音が鳴ってしまいます。

また、涎が多くなったり酷い口臭も猫の口の中が病気に冒されている典型的な症状になります。

口の中の違和感を訴え始めた時の猫の口腔内の状態は、決して放置して良い状態ではありません。
腫れや痛みが強く、吐き気を訴える事もあります。

口の中の状態を確認したい状況ではありますが、痛みが強いと猫が口を開ける事自体を嫌がる可能性があります。
猫の口腔環境の状況の確認のためには、獣医の協力が必要不可欠です。

猫が口の中を気にする時の病気

口の中が見えている猫

歯周病

猫は犬とは違い、涎を垂らす事がありません。したがって、涎の分泌が急に多くなり始めたら、歯周病に罹患している可能性が高いです。

口の中を観察すると、まず強い口臭がある事が殆どです。
次に歯肉の状態を見ます。綺麗なピンク色をしていたら、経過観察で構いません。しかし、口臭が強いのであれば、歯肉から出血している場合が多いです。

また、歯周病の場合ウイルス性疾患を併発する事があり、口内炎が出来やすくなります。

歯周病は歯石の付着を放置する事により引き起こされます。
放置しておくと、麻酔をして歯石を取り除かなければならないので猫にとっては大きな負担なります。
日頃から歯磨きの習慣を付けてあげると良いでしょう。

肉芽腫

肉芽腫は主に3つの種類に分類する事が出来ます。

  • 好酸性プラーク
  • 好酸性肉芽腫
  • 無痛性潰瘍

好酸性プラークは主に舌や口蓋に発症しやすく、脱毛と潰瘍を伴います。
通常、2歳から6歳の間に発症しやすく、強い痒みを伴う点が特徴です。

次に好酸性肉芽腫は、口周り全体に直線状に潰瘍が発生する症状が特徴的です。

最後に無痛性潰瘍は、上唇に発症しやすい病気です。
隆起した潰瘍が唇の先端に出来るため、痛みを伴う事が稀にあります。
多くの場合は、痛みを感じない猫の方が圧倒的に数が多いです。
そして、無痛性潰瘍は、メス猫に多く発症しています。

猫が口の中に病気がある時の治療法

猫の口の中

歯周病

歯石を取り除いた後に、口内炎を併発しているようであれば、抗生物質を投与します。

その後、定期的に歯石除去の治療を行い、歯磨き指導が入ります。

一度歯周病になってしまうと病気の進行の速度を緩やかにする事は出来ても、猫の口の中の健康状態を以前のように戻す事は不可能です。

したがって、症状がこれ以上悪化しないためにも口腔ケアを念入りに行う必要があります。

肉芽腫

アレルギーが原因ではないかと言われていますが、発症の原因が不明です。

まずは、ステロイド剤を投与する事による患部の炎症を抑える処置を行います。
どのタイプの肉芽腫であっても、ステロイド剤を利用すれば、症状の軽い段階であれば改善の兆しが期待出来ます。

次に取る手段は、アレルゲンの特定です。肉芽腫は、アレルギー反応によって引き起こされる事もあります。

よって、ステロイド剤の投与で症状が改善しない場合は、アレルギーがないかどうなのかを確かめる必要があります。

多くの場合は、ステロイド剤投与によって経過を見ながらの治療となるでしょう。

まとめ

口を大きくあけている猫

猫の口の中の病気に気付けないでいると、取り返しのつかない事態になります。

口の中の病気は進行が早く、悪性である場合が大半なので早期発見と治療がポイントとなります。

口腔内を清潔に保つためにも、定期的に歯磨き指導を受けると良いでしょう。

40代 女性 いずみ

昔、飼っていた猫ちゃんが肉芽腫になり、治療をしたのを覚えています。
最初は、口臭がきつくなったので獣医師に診ていただきましたら、肉芽腫だということがわかり、ステロイド剤の投与が始まりました。
2週間ほどすると、症状が改善しましたし、口の中を気にすることが少なくなりました。
くちゃくちゃすることもありましたが、何より出血があったので、心配しましたが治療の甲斐あって、出血することもなくなっていました。
1年後には、すっかりよくなってステロイド剤を一度中断しました。それでも、12年間頑張って生きてくれたので、感謝しています。