猫が寝ている飼い主を攻撃する理由3つ

猫が寝ている飼い主を攻撃する理由3つ

熟睡している時に猫に飛びつかれる。あるいは、朝とんでもなくひどい方法で起こされる。このような経験のある飼い主さんは、結構多いのではないでしょうか。もちろん、ほとんどの場合は「お腹が空いた!」が原因なのでしょう。しかし、ことはもう少し複雑かもしれません。ここで少し詳しく見てみませんか?

1.子猫のときはとにかく「遊びたい」

うつ伏せで寝ている女性の背中に乗る猫

大体生まれて4~5か月ぐらいからでしょうか。飼い主さんが寝ている間に、タンスの上からジャンプしてきたり、動く足にじゃれついたりしてくるのは。これは、外の世界に興味を持ち始めたお子ちゃま猫、独特の襲い方です。

胃袋の小さい子猫たちは、おそらく最初は「お腹空いた!」と飼い主さんに訴えに来るのです。しかし、飼い主さんの寝姿を見つめているうち、足がピクピク動いたりばふっと布団がめくれたり、不思議なことがたくさん起きるのを発見します。そして、面白がって手を出すうち、だんだんエスカレートして飛びつくようになるのです。

成猫になると人間にもダメージが

これは、小さいうちならまだ「可愛いね」で済む問題かもしれません。しかし、猫は1歳くらいまではまだお子ちゃま脳です。一方で、身体の成長は急激で、1年でほぼ大人と同じくらいのサイズになります。いくら小さいとはいえ、無防備な状態で体重3kg以上の生き物に猫キックをされたり、タンスの上から胸や顔の上に飛び降りられたりすれば、受ける人間はタダでは済みません。

夜は寝る習慣をつける

この件に関しては、とにかく「夜は寝るものだ」と根気よく教えていくしかありません。具体的には、ケージで眠る習慣を付けさせるのが一番です。また、夜寝る前にたくさん運動をさせるのも効果があるでしょう。それまで身体が要求するままに食べて寝ていた子猫に、飼い主さんの生活サイクルを教えることはとても重要なことです。できれば1歳になる前までに、夜は眠る習慣を付けておきたいものですね。

2.大人の猫なら純粋に「お腹が空いた」

寝ている男性の顔に手を伸ばす猫

猫も3歳くらいになると、子供らしい性質が落ち着いてきます。そして、日常生活の中でたくさん経験を積み、飼い主さんとのコミュニケーションも比較的スムーズになってきています。もしこの年齢以上の大人の猫が飼い主さんの寝込みを襲うとしたら、朝ご飯の時間になっても起きてくれない飼い主さんに苛立ってのことでしょう。

猫に反応しない

しかし、だからといって噛まれたり爪を立てられたりするのはどうかと思いますよね。この場合の対策は、とにかく眠ったふりをして無視し続けることです。「どうしたの?」とか「もう少し待ってね」と頭を撫でたり、怒って立ち上がってお尻をぶったりしてはいけません。たとえこっぴどく怒られたとしても、何らかの反応が返ってくれば、猫は「この方法なら人の注意を引くことができる!」と考えてしまうからです。

疲れるまで遊んであげる

対策としては、大人の猫に対しても子猫と同じように、夜寝る前にくたびれるまで遊んであげるのがいいでしょう。時間は10分から20分ほど。猫がくたびれて遊びに休憩を入れ始めるまでです。遊び終わっておやつをあげれば、猫は満足して朝まで寝てくれるはずです。しかし、もしそれでもダメなら、おやつの量をもう少しだけ増やしてみましょう。ただしその場合は、増やす量に合わせて、通常の食事の量を減らしてくださいね。

予防にケージを使う

また、少し時間はかかりますが、夜はケージで寝るようにしつけるのもいいですね。ケージで眠るメリットは、夜飼い主さんが安眠できるだけでなく、災害時などに安全な場所に猫を退避できるというメリットもあります。スペースさえ許すなら、検討してみる価値のある方法です。

3.高齢猫なら「病気」かも!?

上からのぞき込む猫の顔アップ

「高齢猫」とは、一般的には7歳以上の猫のことを指します。この年齢にさしかかってくると、猫の運動量も食欲も落ち着いてくるものです。しかし、この頃になってもひどい方法で猫に起こされるなら、それは病気のせいかもしれません。一番可能性が高いのが「甲状腺機能亢進症」です。これは高齢猫に多い病気で、我が家の猫2匹も共に13歳頃発症しました。

甲状腺機能亢進症とは

甲状腺機能亢進症とは、喉元にある「甲状腺」という新陳代謝をつかさどる臓器が異常をきたす病気のこと。甲状腺が出す甲状腺ホルモンが少ないと「甲状腺機能低下症」、多いと「甲状腺機能亢進症」と呼ばれます。

甲状腺機能亢進症にはいろいろな症状があるのですが、1番目立つ症状に「異常な食欲」が挙げられます。甲状腺ホルモンの分泌が多いと常にランニングをしているような状態になるので、エネルギーがどんどん消耗され、いつもお腹を空かせているようになるからです。

  • 年を取ったのに最近よく食べる
  • 食い意地が張るようになった
  • 食べている割に太らない
  • かえって痩せていく

という場合は要注意です。我が家の場合も、頭を両手でガシガシ掘られたり、しつこく顔に爪を立てられたりしましたが、これが猫からのSOSサインだったことに後で気がつきました。この病気の場合、猫は怒られるのを百も承知で飼い主さんを起こします。それほど辛い、切羽詰まった状況にあるからです。

シニア猫の我慢に注意

大人の猫は、人間が思っているよりずっとたくさんのことを我慢してくれています。ですから、もしいつもと違う行動を取り始めたら、それはわがままではなく、不調のサインかもしれません。もし「最近、朝の飼い猫の起こし方がひどくなってきた」と感じることがあれば、ぜひ1度ドクターに相談することをお勧めします。

まとめ

さくら

猫が飼い主さんの寝込みを襲う原因は、ほとんどの場合が空腹です。空腹は子猫にとっては遊びのきっかけですが、大人の猫にとっては目的そのものです。これに対抗するためには、猫に分かる方法で説得して工夫をしなければなりません。

しかし一方で、猫の心と体に何かおかしなことが起きていないか、観察する目も必要です。猫はむやみに攻撃しません。それを信じて我が子と向き合ってくださいね。

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