猫の避妊手術を行う利点
望まない繁殖を防ぐ
猫の避妊の第一の目的は,望まない妊娠をしないようにすることでしょう。猫は,交尾によって排卵が起こる交尾排卵動物であり,交尾をすれば確実に妊娠します。外に出る猫や多頭飼いの猫の場合,知らないうちに妊娠,出産することもあり得ます。子猫を産ませたいという考えがないのであれば,避妊手術を受けさせることが賢明かもしれませんね。
病気の予防
避妊手術は,病気を防ぎ,リスクを減らすことにつながります。子宮蓄膿(ちくのう)症,子宮内膜炎,子宮がん,子宮炎,卵胞嚢腫(のうしゅ),卵巣がんといった生殖器の病気のほか,乳腺腫瘍(猫は高確率で悪性)なども予防できます。
発情によるストレスをなくす
猫は発情期になると,欲求不満からストレスを感じてしまうのです。避妊することで発情期がなくなり,このストレスを回避することができます。また,大きな声で鳴くなど,発情期の問題行動も防げることが多いようです。
猫の避妊手術を行う注意点
太りやすくなる
避妊手術を受けた猫は,ホルモンバランスの変化による食欲の増加,運動量や代謝の低下から太りやすくなると言われています。食事の量やカロリーの調整,運動の機会を増やすなどして,気をつけてあげましょう。
全身麻酔が必要
病気の手術に比べリスクが少ないとされる避妊手術ですが,全身麻酔を必要とします。このことを十分理解して判断することも大切です。
入院と抜糸
入院が必要となることもあります。一週間前後で手術跡の経過を見て問題がなければ抜糸となります。
猫の避妊手術を受けさせる時期
一般的には,最初の発情の前に避妊手術を受けるのが適切だと言われています。年齢にすると生後6~8か月以上,体重が2~2.5kg以上が目安となります。これが一般的に手術に耐えられる月齢と体重です。乳腺腫瘍に関しては、1歳を過ぎてからの避妊手術では,予防効果がかなり低下すると言われています。初回発情の前に手術をすることで高確率に防げる病気もあるため,あらかじめ獣医さんとよく相談しておきましょう。
猫の避妊手術で気をつけたいこと
ワクチンの確認
避妊手術の前にワクチンの有効期限が切れていないか確認しましょう。切れている場合は,事前に接種が必要です。
術後は安静に
術後数日は激しい運動を避け,安静にさせましょう。また,傷口を舐(な)めないように気を配ります。エリザベスカラーなどを装着して退院しますが,もし舐(な)めてしまったり傷口が開いてしまったりしたときには,すぐに病院に連れて行ってください。その他,便や尿の様子,食欲などの異変が続いた場合も病院に相談しましょう。
まとめ
避妊手術にもリスクがないわけではありません。とはいえ,病気の予防にもつながり,メリットもたくさんあります。獣医さんとも話し合いながら,避妊手術を受けるかどうか,よく考えてあげてくださいね。
40代 女性 かなこ
やはり、病気が怖いのがあったので手術にふみきりました。術後は、比較的早く元気になりました。傷も舐めないようにガーゼの服を着せました。抜糸の時も賢くしていたので、安心しました。入院は1週間ほどでした。退院してからは、他の猫ちゃんたちと今まで以上に仲良くなり、円満に暮らしています。