猫の黄疸は怖い病気の前触れ!原因を知って早期発見に繋げよう!

猫の黄疸は怖い病気の前触れ!原因を知って早期発見に繋げよう!

猫の黄疸(おうだん)は、白眼が黄色い、尿がやたらと黄色い、口の中が黄色い、などの症状が出ます。猫の黄疸は様々な病気が原因となっていて、中には命に関わる重大な病気が隠れていることがあります。この記事では猫に黄疸がみられたときに考えられる病気について解説していきます。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の黄疸の症状

目をつむる猫

猫の黄疸(おうだん)は、胆汁中のリビルビンという色素が、皮膚や粘膜、血液を黄色く変色させてしまう症状です。主に肝臓や胆嚢の病気により、引き起こされます。黄疸の程度は、見てすぐ分かる症状から検査をしてようやく分かるものまで、様々です。尿や白眼、皮膚が黄色くなるのは、比較的分かりやすい症状です。

猫の黄疸が起きる病気

丸まる猫

猫の黄疸が起きる病気には、どのようなものがあるでしょうか?

  • 溶血性貧血
  • 肝リピドーシス(脂肪肝)
  • 胆嚢障害
  • 胆管肝炎症候群
  • 急性肝炎
  • 慢性肝炎
  • 肝硬変
  • 膵炎

溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)

溶血性貧血は、血液中の赤血球が何かしらの原因により破壊され、酸素が全身に行き渡らなくなる病気です。白眼や口の粘膜が黄疸になります。原因は遺伝や外傷、免疫の異常などです。受診しての治療が必要となります。

肝リピドーシス(脂肪肝)

猫特有の病気で、御飯を食べないと体にエネルギーを送るため、肝臓に脂肪を蓄積しますが、それが過剰になってしまった状態です。急激なダイエットや食欲不振から3日食べなければなりやすいので、注意が必要です。

白眼や口内、皮膚などに黄疸がでますし、食欲不振になりますから、愛猫の様子を良くみておきましょう。命に関わる病気ですので、疑われる場合は早めに受診しましょう。

胆嚢障害(たんのうしょうがい)

肝臓から受け取った胆汁を濃縮して、十二指腸内に放出する役割をしている胆嚢。それを取り囲む組織に異常が出た場合、胆嚢障害が起こります。これは、胆管が詰まるか結石などが原因となっています。黄疸の他に食欲不振や嘔吐なども併発します。

胆管肝炎症候群(たんかんかんえんしょうこうぐん)

密接な関係にある胆管と肝臓が炎症を起こした病気を、胆管肝炎症候群、と言います。化膿性と非化膿性の2種類があり、化膿性の場合は細菌感染が原因で起こります。

非化膿性の場合は胆石や胆嚢障害など、他の臓器で起きた病気により発症します。先に御紹介した肝リピドーシスに発展する場合もありますので、黄疸の症状が出た時は、早めに受診しましょう。

急性肝炎(きゅうせいかんえん)

細菌感染や薬剤の投与によって、急激に肝臓に炎症が起きた状態です。肝臓は解毒やビタミンやタンパク質の合成など、実に数百もの役割を担っています。

そこが炎症に侵される、ということは、体に様々な異常が起きてきます。黄疸の他にも下痢や嘔吐、元気がなくなるなど、いつもと愛猫の様子が違うようでしたら受診しましょう。

慢性肝炎(まんせいかんえん)

急性肝炎を起こした感染症や中毒により、肝臓の炎症が継続的に起こることで、正常な機能が失われていく病気です。肝臓が不調になると、胆嚢や消化器、泌尿器など他の器官も働きが悪くなっていきます。黄疸の他にも、食欲不振や腹水、体重の減少などが見られます。

肝硬変(かんこうへん)

慢性肝炎の繰り返しなどで線維組織が増え、肝臓が固くなる病気です。肝臓の正常な働きが阻害されてしまいますので、黄疸や腹水、痩せるなどの症状が現れます。一度肝臓が肝硬変を起こすと元に戻ることはありませんので、充分な注意が必要です。

膵炎(すいえん)

膵臓は血糖値のコントロールや消化を担っています。膵臓内は通常、漿膜により保護されていますがそれが破れてしまい、強力な消化酵素により膵臓の細胞が消化されて炎症が起きた状態が、膵炎です。

遺伝や感染症などで起こります。突然起きる急性膵炎と、継続して長期間起こる、慢性膵炎があります。7歳頃とシャム猫に多いと言われています。

猫の黄疸による病気を早期発見するために

診察を受ける猫

猫の黄疸が出る病気をお伝えしてきましたが、実は肝臓や胆嚢の病気は、初期段階では余り症状がでないことがあります。健康だと思っていたら、健康診断を受けて初めて病気が分かった、ということもあります。早期発見、早期治療を行うためには、定期的な健康診断が大切です。

猫の黄疸に関するまとめ

ハートのクッションで眠る猫

猫の黄疸が出る病気の中には、命に関わる重大なものもありました。肝臓や胆嚢など、内臓の中でも重要な役割を果たしている器官に多い病気ですから、なるべく早く、気づきたいものです。
黄疸の症状は尿に一番最初に現れます。いつもより尿の色が濃いと感じたら早めに検査しましょう。皮膚に症状が現れるのは最終段階ですので手遅れになってしまうこともあります。

日頃から愛猫の様子には、十分に気を配ることが、大切です!

投稿者

女性 百日紅

猫は我慢してしまう生き物、という話を聞いたことがあります。病気になっても辛い症状が分からないままだと発見が遅れてしまいますよね。黄疸と聞くと、目で見てすぐわかる症状を想像してしまうので、実際に愛猫に黄疸があらわれた場合、すぐに気が付くことができるのか心配になりました。目や口元、おしっこなどいつもの健康チェックが大切ですね。健康な時の状態を知っていることが重要だと思います。また、見た目だけで黄疸と分からないこともあるので、健康診断を受けようと思いました。さらに、黄疸となる病気には遺伝性のものがあるので、品種によってはいつも注意して観察しておくことが必要ですね。いつもと違うと感じたときは病院に行って相談することが大事だと思いました。
投稿者

30代 女性 咲子

猫の黄疸は、記事にあった病気以外で「玉ねぎ中毒」等による重度な貧血を引き起こした場合にも見られる事があるそうです。主に黄疸の症状が表れやすいのは、耳の内側や、口内粘膜、目の周り等だそうですが、目視で黄疸を判断するのは難しいそうです。

明らかに黄疸だと判断できる程、強く症状が出ている場合は血液中のビリルビンが異常に高くなっている可能性がありますので、すぐに獣医さんに診てもらう必要がありますね。玉ねぎ中毒や、何らかの感染症等による黄疸症状においては、回復する可能性は十分にありますが、肝臓の修復が難しい程までに症状が進行している場合は、事態は非常に深刻との事。

早期治療が要となりますが、どの病気も目で見て分かる症状が少ないので、定期的な健康診断は必ず受けておくべきですね。7歳頃までは1年に1回、それ以降は半年に1回の健康診断を受けましょう。
投稿者

20代 女性 唯

猫に黄疸の症状が出た場合、原因となっている何らかの疾患が重篤化しているケースが多いようです。「猫 黄疸」と検索しようとすると「余命」という単語が出てくる程に、事態は深刻です。記事にもあった膵炎に関しては、特に早期治療が要とされており、一般的に黄疸まで確認されているとなると、命に関わる状態だと認識します。また、猫の膵炎に関しては外注検査になる為、疾患の確定に日数を要します。ただ、一刻を争う事態ですので、確定診断前に治療を開始する必要もあるという事から、十分な知識を持った獣医さんに診療、診断してもらわなければなりません。

黄疸の症状が出ているにも関わらず精密検査を行ってくれない、診断や治療法が曖昧等の場合は、すぐに施設の整った大きい動物病院を再受診するようにしましょう。また、白目や耳等が黄色くなる他に、尿にも黄疸が出る事があります。システムトイレ等のトレイ部分に利用するシートは、尿の色がしっかり分かるようなシーツタイプを選び、日頃から尿の状態をしっかりチェックしておくと、早期発見に繋がるかもしれませんね!
投稿者

40代 女性 なつ

うちの猫ちゃんが玉ねぎ中毒になったときに、溶血性貧血になり、その時に黄疸が出ました。すぐに、獣医さんに診ていただいて治療をしていただきました。日にちはかかりましたが、元気になりました。吐くし下痢したりと可哀想な症状がでまして、げっそりしました。体重も減りましたが治ってからたくさん食べさせて体重をもどしました。バランスよく食べさせるために、お野菜も食べさせました。便通もよくなり、元気になりまして病気もしなくなりました。どんな、病気も早期発見が大切なので、おかしいなと思ったら早めに獣医さんに診ていただくことを、おすすめします。
投稿者

40代 女性 ゆきなちゃん

シャム猫を多頭飼いしていましたので膵炎になる猫ちゃんが多かったです。
食事に気を付けていましたが、どうしても膵炎になり黄疸が出ました。白眼に黄疸が出ることが多かったです。毎日、シャム猫ちゃんたちの目を見て観察していましたので、少しでも黄色みがでてきたら、直ぐに獣医師に診ていただいていましたので、早期発見でした。ひどくはならなかったのですが、毎日点滴で可哀想なので毎日反省していました。
食事に気を使い、コレステロールの少ない食べ物に変えたり茸類を猫ちゃん用の出汁で煮て処方食にトッピングしたりしていました。
よく食べてくれまして、一番茸類が病気に効いたような気がします。食べさせてみるのをおすすめします。初めは小量からが安心ですね。
投稿者

40代 男性 ねこ

黄疸、黄色い液体を吐いたときは安易にネットを信用せず病院で検査を。一番怖いのはFIPの発症です。

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