猫が軟口蓋過長症になった時の症状と治療方法

猫が軟口蓋過長症になった時の症状と治療方法

猫の軟口蓋過長症という病気をご存知ですか?今回は猫にイビキがひどい場合に考えられる、猫の軟口蓋過長症という病気についてご説明します。

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の軟口蓋過長症はどんな病気?

口を開け目をつぶる猫

軟口蓋過長症は呼吸に異常が現れる病気

猫の軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)とは、上顎の奥にある膜状の軟口蓋という部分が長いとかかりやすい病気です。通常は、軟口蓋が呼吸の妨げになることはめったにありません。しかし、軟口蓋が長いことで、のどの入り口を塞いでしまい呼吸の邪魔をします。

軟口蓋過長症は先天的な病気

猫の軟口蓋過長症は、長い名前であまり聞きなれない病気ですが、この猫の軟口蓋過長症のほとんどが先天性(生まれつき)のものだと言われています。普段からいびきをかきやすい猫の場合は、軟口蓋過長症にかかっている可能性がある為注意が必要になります。

軟口蓋過長症は犬に多い

この軟口蓋過長症という病気は、調べてみても猫の症例はほとんど見つからず、猫よりも犬に多く見られる病気だそうです。犬の場合、パグ、ブルドック、フレンチ・ブルドック、シーズー、キャバリア・ヨークシャー・テリア、チワワ等に多くみられる病気です。

猫の軟口蓋過長症は先ほどお話した通り、先天性のものがほとんどなので、予防することが出来ない病気だと言われています。

猫が軟口蓋過長症になった時の症状

横になりこちらを見る猫

猫が軟口蓋過長症になった場合、

  • いびき
  • ブーブーと鼻を鳴らすような呼吸
  • ものがうまく飲み込めない、むせる
  • 苦しそうに息をする

等の症状が見られます。運動直後や興奮時には、これらの症状が更に悪化することもあります。猫の軟口蓋過長症は、重症化すると食事をすることが難しくなり、更には呼吸困難を引き起こしたり、チアノーゼを引き起こしたりする可能性もあるというところが、猫の軟口蓋過長症の恐ろしい点です。

いびきがうるさい、ごはんを食べずらそうにしている、呼吸が苦しそうに見える等の症状が見られた場合、猫が軟口蓋過長症にかかっていることがありますので、早急に獣医師へ相談することをオススメします。

軟口蓋過長症の治療法

治療中の猫

猫が軟口蓋過長症にかかってしまった場合、完治させるための薬はありません。一時的な治療方法として、酸素吸入を行う等でその場をしのぐことは出来ますが、呼吸が苦しくなるたびに病院へかかり酸素吸入を行うしかありません。

そうなると猫への負担はもちろん、飼い主さんの負担にもつながってしまいます。そこで、猫の軟口蓋過長症の症状を落ち着かせるためには外科手術が必要になります。手術をしても、長い間放置されていて慢性的経過が長い場合は、改善されないこともあるそうです。

猫の軟口蓋過長症の手術は、術前検査を含めても5~10 万円前後で済む場合が多いと言われていますが、みなさんご存知の通り動物病院は自由診療になっており、病院により費用は全く違います。同じ市内にある動物病院でも、かなりの差があることが多いのです。

もしも愛猫に軟口蓋過長症の手術を受けさせたいとお考えの場合は、いける範囲内の動物病院いくつかに相談し、いくらくらいの費用がかかるのかを確認できると良いかもしれません。

軟口蓋過長症の手術の注意点

手術は全身麻酔を使用しますので、猫がほかに病気を患っている場合や高齢の場合は、手術が出来ない場合もあります。症状が慢性化しないためにも、「もしかしてうちの猫、軟口蓋過長症かもしれない」と気づいた場合には、すぐに動物病院へ相談に行きましょう。猫の軟口蓋過長症の症状が重く、手術が可能であれば、若いうちに手術を受けることをオススメします。短毛種の犬の場合、ほとんどの子がこの軟口蓋過長症にかかると言われていますので、避妊去勢手術と一緒に軟口蓋過長症の手術を行う場合が多いそうです。

体重超過の猫の場合悪化する傾向にあると言われていますので、食事量や運動量に気をつける必要があります。軟口蓋の手術をしたあと、数年後にまた軟口蓋が伸びてきてしまい再発する可能性も無くはないそうなので、手術をしたからと安心せずに、注意が必要だと言えます。

まとめ

眠る猫

今回は猫の軟口蓋過長症について詳しく調べてみました。症例はほとんどが犬のもので、猫の症例がなかなか見当たらなかったことから、おそらく猫が軟口蓋過長症を発症するのは少ない確率であると言えます。

しかし、先天性の病気の為、生まれ持って軟口蓋過長症を持つ猫もいると言われているので、愛猫のいびきや呼吸で気になる点があれば、早急に獣医師へ相談するようにしましょう!

スポンサーリンク