猫の横隔膜ヘルニアの症状と治療法、手術の費用

猫の横隔膜ヘルニアの症状と治療法、手術の費用

猫の横隔膜ヘルニアとは、どのような病気なのでしょう?命に関わることもあるので、万が一愛猫がこの病気になってしまった時の事を考えて、予備知識を付けておきましょう。猫の横隔膜ヘルニアの症状やその原因、治療法、手術費用、術後ケアについて、お伝えしていきます。

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監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

猫の横隔膜ヘルニアとは

獣医と黒猫
  • 先天性横隔膜ヘルニア(心膜腹膜横隔膜ヘルニア)
  • 外傷性横隔膜ヘルニア
  • 食道裂孔横隔膜ヘルニア

猫の横隔膜ヘルニアとは、体内で胸部と腹部の内臓を隔てている横隔膜に穴が開き、腹部の臓器が胸腔内に移動して、胸部の臓器を圧迫する病気です。

横隔膜ヘルニアは「先天性横隔膜ヘルニア(心膜腹膜横隔膜ヘルニア)」「外傷性横隔膜ヘルニア」「食道裂孔横隔膜ヘルニア」の3種類に分けられます。重症になると命に関わる病気ですので、早めの対処が必要です。定期検診で見つけられることもあります。

猫の横隔膜ヘルニアの症状と原因

目を閉じる猫

猫が横隔膜ヘルニアを発症すると、どのような症状が表れるのでしょうか?また、何が原因なのでしょう。種類別にお伝えしていきます。

先天性横隔膜ヘルニア(心膜腹膜横隔膜ヘルニア)

先天性横隔膜ヘルニアは遺伝する確率の高いヘルニアです。子猫の頃から食欲元気不振、嘔吐、腹痛、呼吸困難、発育不良などの症状が見られますが、全く無症状の事もあります。

放置しておくと数週間から数ヶ月で命を落とす危険性もあるため、獣医師の診察を受けた事のない子猫を迎えた時は必ず、動物病院で診て貰いましょう。

先天性横隔膜ヘルニアは、猫種や性別関係なく、起きるようです。内臓が癒着して、治療が難しくなる事もありますので、早めの対処が大切です。

外傷性横隔膜ヘルニア

外傷性横隔膜ヘルニアは交通事故や転落などで大きなダメージを受けた時に、横隔膜が破れてしまうヘルニアです。この場合は内臓も損傷を受けている事が多く、生きている事が奇跡と言えます。

猫は痛みや不調を隠す動物なので、もしかすると事故後、けろっとしているかもしれません。ですが、念のため受診して、外傷性横隔膜ヘルニアかどうか検査して貰った方が良いでしょう。

出来る限り室内飼いにした方が、事故に遭う確率は減ります。重症な時は心肺停止やショック死の可能性もあるため、なるべく早く病院へ連れていきましょう。

食道裂孔横隔膜ヘルニア

横隔膜は元々、食道が通る部分だけ穴が開いています。これを「食道裂孔」と言いますが、ここに異常が生じて腹部の食道や胃が胸腔内に侵入して起こるヘルニアが、食道裂孔横隔膜ヘルニアです。

ご飯を食べる時に痛がる、食べたものをそのまま吐き出す、食が細い、食道炎、巨大食道症、下痢、便秘などの症状が見られます。先天性で起きる場合と外傷によって起きる場合があります。

猫の横隔膜ヘルニアの治療法とかかる費用

お金と猫

猫の横隔膜ヘルニアは、症状の重さによって異なります。軽症の場合は経過観察になる場合があります。重症の場合は外科手術を行ない、横隔膜の修復や内臓の癒着を解消するなどの処置が取られます。手術の費用は入院費も含め、10万円〜30万円程度の場合が多いようです。

横隔膜ヘルニアの手術は全身麻酔が必要となりますので、麻酔から覚めないリスクが伴います。また、横隔膜ヘルニアの手術は小さな病院で対応できず、設備が整った病院を紹介されることも。その場合、安全性や確実性は高まりますが、その分費用も高くなる事がしばしばです。万が一に備えて、あらかじめペット保険に加入しておくと安心です。

猫の横隔膜ヘルニアの術後ケア

カラーをつけた猫

愛猫が横隔膜ヘルニアの手術を受けた後は、自宅でどのようなケアを行えば良いでしょうか?

退院後1〜2週間程度は、激しい運動をさせないように気をつけましょう。多頭飼育の場合は、隔離しておく方が安全かもしれません。外出する猫は、この機会に完全室内飼いに切り替えると良いでしょう。

横隔膜ヘルニアの術後は貧血や肺気腫を起しやすいので、病院から処方された薬は必ず最後まで飲ませるようにしてください。消化の良いご飯を与えるようにしてあげましょう。

横隔膜ヘルニアの手術の痕が気になって舐めてしまう猫がいます。その為、病院でエリザベスカラーを付けられますが、これが猫のストレスになる事も多いです。どこかへ引っかかったり、毛づくろいができなかったりしますので…。

もし愛猫が動きづらそうで可哀想でしたら、布製のエリザベスカラーに変えてあげても良いでしょう。術後服を着せるのも良いです。どちらも多少のストレスは感じるでしょうが、横隔膜ヘルニアの手術痕を舐め壊すよりはマシですので、愛猫に合ったグッズを取り入れてあげてください。

まとめ

獣医に抱きかかえられている猫

横隔膜ヘルニアは外見では分からない事があります。事故に遭ったり激しい衝撃を猫が受けたりした時は、必ず受診しましょう。愛猫の命を守る為にも、猫だけで外に出さないよう、気をつけてください。室内でも高い所から落ちた衝撃で、横隔膜ヘルニアになる事があります。充分に注意してあげましょう。

記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子先生
  • (ふくふく動物病院 院長)

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

40代 女性 なな

我が家の猫ちゃんが、高い場所から落ちて怪我をしたときに、横隔膜ヘルニアになりました。手術をしました。横隔膜が破れていたので綺麗に縫い合わせてくださったそうです。
外傷性だったので、まだ内臓が横隔膜に移動するまでにはいたっていなかったので、助かりました。それからは、キャットタワーの踏み台にも滑り止めをつけました。下にはものをおかないようにしました。これからも、怪我にも気を付けたいと思います。

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