猫にズッキーニ食べさせてもいい?注意する事

猫にズッキーニ食べさせてもいい?注意する事

夏の野菜として知られているズッキーニは低カロリーで、余分な水分を排出させてくれるカリウムが豊富に含まれているためダイエットメニューとして使われていることがあります。ズッキーニを使った手作り食を食べさせている猫もいますが、本当に食べさせてもよいのでしょうか?ほどよい苦味が特徴なズッキーニの危険性についても一緒に解説し、猫にとって良いのかどうか解明していきたいと思います。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫はズッキーニを食べても良い?

ズッキーニの匂いを嗅ぐ猫

食べても問題は無いがあえて食べさせる必要は無い

ズッキーニは形がキュウリと非常に似ていますが、かぼちゃの仲間であります。ズッキーニは炭水化物が少なく、水分が豊富で低カロリーなため猫の肥満によるダイエットメニューとして、使われていることもある食材です。

実際にダイエット目的で、猫の手作り食でズッキーニを使用しているメニューもあり、食べさせている猫もいます。ダイエット効果もあるズッキーニには、カリウムが豊富に含まれているので体内の余分な水分やナトリウム(塩分)を排出させてくれますし、代謝を促進させてくれるβカロテンも入っています。

しかし、ズッキーニは猫にとって直結命に関わることがないといわれている食材ですが栄養面を考えると、猫に必要な栄養素をバランスよく与えることが非常に難しいです。

特に猫は肉食動物なのであえてズッキーニを食べさせる必要はなく、消化に負担がかかってしまい消化不良の原因になったり、何かしらの病気にかかる恐れがあります。

猫はβカロテンからビタミンAをつくることができなかったり、必須アミノ酸であるタウリンも食事から摂取しなければいけないため、栄養不足により健康を損ねる危険性があります。

ズッキーニの苦み

また猫は12種類の苦味を感じることができるといわれており「苦味」に関して非常に敏感で嫌う味といわれています。そのためズッキーニを使った食事自体を食べない可能性があります。

基本的に総合栄養食と呼ばれるフードには健康面を考慮して、猫に必要な栄養素がバランスよく調整されているため、総合栄養食のキャットフードをしっかり与えた方が好ましいです。

ズッキーニを猫が食べる事に関する注意点

病院で点滴をしている猫

中毒症状を引き起こす成分が含まれている

ズッキーニを含め、キュウリやスイカ、メロンなどのウリ科の野菜全般に「ククルビタシン」という成分が含まれています。

人では、ククルビタシンを大量摂取した場合、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こします。実際にズッキーニを食べたことで下痢や腹痛などの中毒症状を起こした事例もあり、日本のみならず海外でも報告されています。

加熱してもククルビタシンの成分が消えることがありません。

品種改良によりククルビタシンを含まないように栽培されていますが。環境変化などにより、多くククルビタシンが含まれているズッキーニがあり「苦味」が特徴としてします。

人よりも体が小さい猫では症状が重篤になる恐れがあり、非常に危険です。もし猫にズッキーニを与え、中毒症状が見られた場合は必ずすぐに動物病院へ連れてきてください。

腎不全の猫に与えてはいけない

ズッキーニには余分な水分や塩分を排出してくれるカリウムが豊富に含まれていますが、高齢猫に多くかかりやすい腎不全になると腎臓機能の働きが悪くなることでカリウムの排出ができなくなり「高カリウム血症」になる恐れがあります。

カリウムは神経伝導や筋収縮、酸-塩基平行の調節など生きるために欠かせないミネラルですが、高カリウム血症になると全身の筋力の低下により、心臓の拍動が不規則となり不整脈を起こしてしまいます。

更にそれに伴い体が酸性化し「代謝性アシドーシス」となり嘔吐や呼吸困難、昏睡状態などに陥り、命を落とす危険性があるためズッキーニを与えないことです。

アレルギー

人と同様に猫も食物アレルギーがあります。痒みなどの皮膚症状や嘔吐、下痢などの消化器症状が見られます。しかしアレルギー反応のレベルによっては強く現れる恐れがあり、アナフィラキシーショックの危険性があります。

猫もアレルギー検査をおこなうことができますが、原因であるアレルゲンを特定することが難しく費用も高いため、アレルギー検査を実地しないケースが多いです。

食物アレルギーのほとんどが若い年齢で発症しますが、中にはある日突然発症することもあるので、アレルギーによる安全面を考えるとズッキーニを与えないほうが好ましいです。

猫にズッキーニは進んで与える必要はない

ステンレスのお皿でごはんを食べている猫

ズッキーニは炭水化物が少なく、水分が多く低カロリーなため、猫のダイエット食として使われることがありますが、ズッキーニを含めウリ科の野菜には「ククルビタシン」という成分がはいっており、含有量の多いものが流通する場合があるようです。多く含まれているものを食べてしまうと嘔吐や下痢などの中毒症状を起こす危険があります。

実際に人では嘔吐や下痢、吐血、下血などの中毒症状により救急搬送された事例もあります。

またズッキーニには余分な水分やナトリウム(塩分)を排出させてくれるカリウムが豊富に含まれていますが、腎不全になるとカリウムの排出がうまくできなくなっていくので「高カリウム血症」やそれに伴う「代謝性アシドーシス」になる恐れがあります。

そもそも猫は肉食動物であるため豊富なタンパク質や必須アミノ酸であるタウリン、体内で合成できないαリノレン酸やアラキドン酸、ビタミンAなどの栄養素を食事から摂取しなければいけないため、ズッキーニをあえて食べさせる必要なく、むしろ栄養バランスがとれている総合栄養食をしっかり食べさせることが大事です。

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