愛猫が亡くなる前にしておくことべき5つのこと

愛猫が亡くなる前にしておくことべき5つのこと

愛猫と最期の時を過ごすということは、とても辛く悲しいことです。我々人間は、別れの時が近づく愛猫に何をしてあげられるのでしょうか?ここでは猫が亡くなる前にしておきたいことについてご紹介致します。

愛猫と過ごす最期の時について

人と手を繋ぐ猫

とても悲しいことですが、愛猫と過ごす楽しい日々には必ず最期の時がやってきます。もしも、愛猫と一緒に過ごせる時が残り僅かと宣告されてしまったら、皆様はどのように過ごしたいでしょうか?ここでは、最後の瞬間まで幸せに過ごすためにしておきたいことについて、少し触れさせていただきます。

1.一緒に過ごす時間をできるだけ増やす

戯れる猫

猫と残された時間を過ごすという理由では、仕事を休むことはできないでしょう。常に愛猫のことが気がかりだとは思いますが、逆に最低限は普段通りの生活を送るほうがよいかもしれません。その代わり、自宅にいられるときはできるだけ一緒に過ごしてあげましょう。看病や介護の状況によっては必ずしも穏やかな日々とは言いきれないかもしれません。それでも愛猫にとっては、大好きな飼い主さんがそばにいてくれることが何よりも嬉しいはずです。

2.少しでも多くの思い出を残す

本を読む猫

泣いても笑っても、思い出は後から取り戻すことができません。その一瞬一瞬の出来事を、思い出として写真や動画に残しておきましょう。愛猫が亡くなった直後は悲しみが増し、これらの行動を悔やんでしまうかもしれません。しかし徐々に愛猫との別れを受け入れ始めたとき、振り返る思い出が背中を押してくれるようになります。よって、思い出作りをすることは大切な過程なのです。ここでひとつアドバイスをさせてください。

それは、撮影した写真や動画を必ずPCやSDカードに保存することです。万が一スマートフォンが破損してしまった場合、大切な思い出を復元させられないことがあります。これは愛猫を二度失うことになってしまいます。大切な存在を失うのは一度で十分でしょう。日頃から意識してデータを保存する習慣をつけておくことをおすすめします。

3.心の準備をする

顔を舐める猫

重い病気を宣告されたり、高齢で安らかな最期が間近に迫っている状況では、その事実を受け止めるまでに時間がかかるでしょう。悲しくて何度も泣明かす夜を繰り返すかもしれません。このようなときは我慢せずにたくさん泣いてください。まずはご自分の気持ちに素直になりましょう。そして今、愛猫としたいこと、伝えたいことなどを整理し一つ一つできることから実行していきましょう。とても残酷なことですが時間は待っていてくれません。刻一刻とお別れの時へと誘っていきます。

時を止められない以上、残された時間で何ができるのかを考えることが重要なのです。そして、少しずつ心の準備をしていきましょう。とはいえ、これはあまり難しく考えないでください。どれほど覚悟を決めていても、悲しいことに変わりはありません。ただ、貴重な時間を悲しみに支配されてしまわないように一度客観的に状況を把握してみましょう。

4.愛猫の前では笑顔で過ごす

老婆に可愛がられる猫

一人で過ごすときは自分の気持ちと向き合い、素直になることが大切です。しかし、愛猫の前ではできるだけ笑顔でいる努力をしてあげましょう。これは、これから旅立って逝く愛猫に未練を残させないためです。あまり悲しんでばかりいると、愛猫も辛くなってしまいます。愛猫にとっても、飼い主さんを残してくことは唯一の心残りになるでしょう。決して簡単なことではありません。それでも笑顔で過ごし、たくさんの思い出を目に焼き付けてください。思い出は必ず後で大きな助けになるはずです。

5.治療方針を考える

エリザベスカラーを付けた猫

重い病を患っている場合、その病気に対する治療をどこまで進めるかを決断しなければなりません。猫の場合、終末期医療には次のような選択肢があります。

  • 病気そのものに対する治療
  • 延命措置
  • 緩和ケア
  • 安楽死

病気そのものに対する治療を継続する場合は、できる限り闘病を続けるということです。延命措置は万が一のときに、心肺蘇生を行うことを指します。緩和ケアは、腫瘍をはじめとする痛みを伴う病を抱えている猫に痛みを除去する治療のみを行います。これは根治治療ではなく、あくまでも補助的な治療になります。そして、すべての苦しみから解放させてあげる選択肢として安楽死があります。

どの選択も、最終的には飼い主さんが決めなければなりません。とても酷なことです。ここで大切なことは、選択肢に正解はないということです。たとえどのような道を選んでも、愛猫のことを想ってのことです。誰かの評価や、一般論ではなく、飼い主さんの意思を尊重することが適切な選択となります。特に安楽死に関しては様々な意見があるでしょう。ひとつ確かなことは、飼い主さんが悩み抜いて、ようやく辿り着いた結論に対して批判する権利は誰にもないということです。そして飼い主さんが導き出した判断であれば、愛猫は嬉しく思うのです。

貴重な時間を忘れないでください

ここで挙げた4つのことは、どれも難しいことです。無機質な活字だけではどれも綺麗事のように感じてしまうかもしれません。実際、苦楽をともにした愛猫との別れが近づくと全ての思考が静止してしまうほど辛いものです。この悲しみの中で、冷静に物事を考えることは簡単ではありません。そこで、ひとつだけ意識してほしいことがあります。それは、貴重な時間を無駄にしないことです。最期に残された時間は、これから先も生き続ける飼い主さんへの贈り物です。この贈り物を、愛猫とともに大切にすることだけは忘れないでください。

生前から最期を意識するということ

パソコンを見る猫

高齢化に伴い、「終活」という言葉をよく耳にするようになりました。これは人間だけにとどまらず、動物と暮らす飼い主さんも実行している方がいらっしゃいます。猫の終活はどのようなものなのでしょうか?また、必ずしなければならないのでしょうか?ここからは、猫の終活について考えてみたいと思います。

終活は必ずしなければならないの?

終活に関する報道や、書籍を目にすると終活をしていないことに焦りを感じる方もいらっしゃるでしょう。そして何よりも、まだ元気に過ごしているのにも関わらず、死について考えることに抵抗がある方もいらっしゃると思います。まず、終活は必ずしなければならないものではありません。縁起が悪いと感じ、終活に対する抵抗が強い場合は無理にしなくても大丈夫です。焦ることはありません。

猫の終活は何をするの?

逆に愛猫の終活を検討している場合は、具体的にどのようなことをすればよいのでしょうか?猫に関する終活では、主に次のようなことを検討していきます。

  • ペット保険への加入の検討
  • 治療の選択肢を考える
  • 供養の方法に関する検討など

ペット保険の加入について検討することも、終活のひとつです。猫も人間と同様に、加齢とともに身体が衰え病気になりやすくなります。猫の医療では、人間のような健康保険制度はありません。よって、ペット保険に未加入の場合は負担が大きくなります。更に動物病院は自由診療であるため、各医療機関によって値段が大きく異なります。経済的な負担を考慮するとペット保険の加入がおすすめですが、加入しない場合でも、ある程度貯金はしておくことをおすすめします。

治療の選択肢については、先ほどご説明致しました。これも一種の終活で、日頃からご家族で話し合っておくことも良いかもしれません。もちろん、最終的な判断はその状況に置かれてみないと見えないこともたくさんあります。普段から意識しつつ、柔軟な対応をすることが大切になります。

そして、終活という言葉から最もイメージされることは、供養の方法を検討することでしょう。現在では多くの選択肢があります。飼い主さんが穏やかな気持ちになれる選択肢を検討してみてください。

猫の供養に決まりはあるの?

天使になった猫

猫をはじめとする動物の供養に、厳密な決まり事はありません。飼い主さんがより穏やかな気持ちで過ごせる供養のかたちを検討すると良いでしょう。いくつか例をご紹介致します。

お骨はどこへ?

人間の場合、概ね49日を区切りに納骨することが一般的とされてきました。(地方によって風習が異なります)現在では敢えて納骨はせずに、手元に置いておく方もいらっしゃいます。供養のかたちも時代とともに変化しているのです。

さて、猫の納骨はどうなのでしょうか?猫の場合は特に決まりはありません。あまり長く手元に置いておくと良くないという考え方もあります。その一方で、自分自身が亡くなるまで手元に置きたいという方もいらっしゃるでしょう。決まりがないということは、飼い主さんの意思を尊重する方法で良いのです。

お線香をあげても大丈夫?

愛猫が亡くなり遺体を安置する際、また節目の時にお線香をあげたい場合は、あげても大丈夫です。最近の仏具店では、猫缶を模したロウソクも販売しています。最寄りの仏具店に出向き、愛着の湧くものを選ぶのも良いでしょう。ただし今現在、他にも猫がいる場合は誤飲や煙に注意してください。

愛猫を忘れなければならないの?

よく「忘れてあげることが供養」と言います。家族同然である猫を失った悲しみの中にいると、「早く忘れたほうがいい」という言葉をかける方もいらっしゃいます。でも、実際に忘れることなどできるのでしょうか?中にはショックがあまりに大きく、記憶が曖昧になってしまうこともあります。このような場合を除き、基本的には忘れることなどできないでしょう。

無理に忘れる必要は全くありません。むしろ忘れる努力をすることで、より悲しみの渦に飲み込まれてしまうことがあります。愛猫とともに過したかけがえのない日々は、素敵な思い出として大切にし、語り継いであげることも供養になるでしょう。よって、忘れることが好ましいというわけではありません。

まとめ

撫でてもらう猫

猫と過ごす最期の時間や、供養の在り方に正解はありません。ここで紹介したこともほんの一部であり、一例に過ぎません。また、どのような過ごし方をしても必ず後悔が残ります。「後悔先に立たず」や「後の祭り」という言葉がありますが、永遠の別れに対して未然に後悔を防ぐ手立てはないのです。

そして、後で悔いることができるということは、それだけ愛猫を大切に想っていたということです。出会いから別れの旅立ちの瞬間まで、ともに過した時間は色褪せることなく心に刻まれていくでしょう。もしも愛猫に最後の時が近づいてきたら、その残された時間を大切にしましょう。

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