猫にイチジクを食べさせてはいけない理由
猫がイチジクを食べると起こる症状
- 口の中の炎症
- 過剰なヨダレ
- 嘔吐、下痢
- 皮膚炎
この症状の他にも、食欲が落ちたり元気がなくなる場合もあります。イチジクは触れることでも中毒症状を引き起こすこともあります。イチジク属の中には、観葉植物で人気のガジュマルなども含まれます。中毒症状を引き起こす成分は木の枝や葉の中にも含まれるため、イチジクだけでなく部屋の中に配置する植物も注意しなければなりません。
イチジクに含まれる成分
フィカイン(フィシン)
イチジク属の木が産生する乳液状の樹液の中には、フィカイン(フィシン) と呼ばれるタンパク質分解酵素が含まれています。このフィカインは私たちにとっては消化を促進する作用があるといわれていますが、猫が摂取すると口の中の粘膜を傷つける危険性があります。
フラノクマリン(フロクマリン)
イチジクの果肉や皮、樹液の部分に含まれる有機化合物のことです。フラノクマリンは触れたところが日光に反応すると皮膚炎を起こすことが知られています。イチジク以外には柑橘類(特にベルガモット)、パセリなどに含まれています。柑橘類のエッセンシャルオイルは猫のいる部屋では控えたほうがいいでしょう。
イチジクと同じような中毒症状を示す植物
イチジクと同じクワ科イチジク属に属するもの
- ガジュマル
- ベンジャミン
- ゴムノキ
- アコウ
フラノクマリンを含むもの
クワ科植物以外には主に柑橘類やセリ科の植物に含まれています。
- ベルガモット
- グレープフルーツ
- レモン
- パセリ
これらの植物および果物は、イチジクと同様、触れたり、口にすることで中毒症状を引き起こす危険があります。特に観葉植物と猫を接触させないようにするのは難しいので、猫を飼っているお部屋にはクワ科の植物は置かないようにしましょう。
猫に果物はあげてはいけない?
猫に必要な栄養成分として積極的に果物を与える必要はありません。しかし、猫がすべての果物に中毒を引き起こすわけではないので、水分補給、便秘予防などの目的で与えるのもいいでしょう。
ただし、中毒を起こさない果物でも過剰に与えると下痢や嘔吐につながります。与えすぎには気をつけましょう。種があるものは誤って飲み込むと消化されずに消化管を詰まらせる場合もあります。必ず取り除いてから与えるようにしましょう。
猫に与えてはいけない代表的な果物
- ブドウ、レーズン
- パパイヤ
- マンゴー
- 柑橘類
猫に与えてもいい果物
- リンゴ
- イチゴ
果物はいずれにしても糖質が高くカリウムを多く含むものが多いため、中毒を起こさないものでも疾患がある猫の場合は与えないほうがいいでしょう。
まとめ
イチジクは猫に与えてはいけません。万が一、猫が触れてしまった場合はお水でよく洗い流しましょう。少量であったとしても、中毒を疑うような症状が現れた場合は、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。イチジクだけではなく、同じクワ科の観葉植物も猫にとっては危険です。近づけないようにしましょう。
その他、猫が食べていいもの・悪いもの
今回紹介した食材以外にも、人間には安全でも、与え方や量によっては猫にとって有害な食べ物が数多くあります。場合によっては命に関わるような食材もあるため、飼い主さんは正しい知識を身につけておくことが必要です。万が一のことが起こってしまわないよう、「猫が食べていいもの・悪いもの」を事前にチェックしておきましょう。