長いこと引き取り手が見つからなかったシニア猫
イギリスのコーンウォールにある動物保護施設「Little Guild」では年間200頭もの犬や猫が引き取ってくれる家族を見つけています。
この保護施設では犬猫の譲渡活動を60年以上も行っており、毎年11月は「シニアペット譲渡月間」だそうです。
一方、Little Guildで280日間も暮らしてきた10歳の猫バーサ(Bertha)は、いつも他の猫が素敵な家族を見つけて引き取られていくのを見送るばかりでした。
ところが、バーサを紹介したTikTok動画が100万回も再生され一躍有名となったことで、彼女の生活は一変します。
動画配信で一躍スターに
このTikTok動画を投稿したのはLittle Guildのスタッフであるケルシー・トゥレックさん。バーサはこの動画により一躍ソーシャルメディアのスターとなりました。
トゥレックさんによると、バーサは施設のみんなに好かれており、スタッフにとってはとても大きな存在だったそうです。なぜ誰もバーサを引き取ろうとしなかったのか不思議に思っていたトゥレックさんは、バーサにぴったりの飼い主が見つかるよう彼女の評判を広めようとTikTok動画を投稿したのでした。
動画では、施設の窓から道行く人々を眺めるバーサの姿が映されています。
バーサはいつもその窓から外を眺め、人々が手ぶらで施設を訪れては子猫を抱いて帰っていくのを見ていたそうです。
各地からバーサを引き取りたいという問い合わせが殺到
ニューヘイブンに住むメル・デフェリポさんは、かねてからシニア猫を迎えたいと考えていたと言い、バーサのTikTok動画が人気になったのは、Little Guildに問い合わせをした後のことでした。
デフェリポさんは、シニア猫に居心地の良い家を提供することについて強い思い入れがありましたが、バーサがTikTokで有名になったのをきっかけに、「今やらなければいつやるんだ」という気持ちになったそうです。
Little Guildにはアメリカやカナダ、イギリスの各地からバーサを引き取りたいという問い合わせが殺到しましたが、スタッフは問い合わせをくれた人たちが別のシニア猫を迎え入れてくれることを願って各地の地元のシェルターを紹介しました。
Little Guildのスタッフもバーサの動画の再生数に驚いているそうです。
同保護施設CEOであるジェニー・ランゲンダーファーさんは、「多くの人々がLittle Guildに興味を持ってくださっていることをスタッフも喜んでいます。シニアの猫や犬は非常に優しく愛情豊かで、飼い主と絆を育む時間も十分に残っています。シニアペットを引き取ることで得られるものはとても多いのです」と言います。
今はすっかり甘えん坊に
デフェリポさんが最初に施設のバーサに会いに行った時、バーサは圧倒されて興奮しており撫でることもできなかったそうですが、現在はすっかり落ち着いて生活しているとのこと。
飼い主や同居人たちに構われるのが大好きで、ニャーニャー鳴いたり喉を鳴らしたりと忙しいそうです。
また、自身でもバーサのTikTok動画を投稿したデフェリポさんは、「この譲渡の話を聞いて一人でも多くの人がシニア猫の受け入れについて考えてくれれば」と話しています。