米国の高齢者施設が「ペット型ロボット200体」を導入│入所者のストレス緩和や癒しを目的に

餌もしつけも不要なペットロボットが高齢者の癒しの源に

最近では本物と同じようにお腹を見せたり喉を鳴らしたりする精巧な犬・猫型ロボットが比較的リーズナブルな価格で販売されています。また、ペット型ロボットと触れ合うことにより認知症患者の症状が緩和されるという研究結果もあるそうです。

こうした流れを受けて、米国カリフォルニア州スタントンにある高齢者居住施設のRowntree Gardensでは先頃、入居者に癒しを与えるため犬と猫のペット型ロボットが導入されました。

南カリフォルニア高齢化評議会のリビー・アンダーソン理事長によると、今後同評議会が支援しているオレンジ郡の高齢者居住施設に「ペット型ロボット計200体」が配布されるとのこと。

これらのペット型ロボットが入居者の話し相手となって安らぎを与え、コロナ禍によるストレスを和らげてくれることを期待しているそうです。

また、1体100ドルほどするペットロボットの購入には新型コロナウイルス対策法(CARES Act)に基づく連邦政府の追加補助金が使われました。

ペットロボット導入のメリットとは

アンダーソン氏は、ペット型ロボットは薬剤などを用いず入居者たちに何かをする気にさせるのに完璧なツールだと考えています。

こちらが吠えれば吠え返したり、撫でたら喉を鳴らしたりしてくれるペット型ロボットであれば、入居者もペットとのコミュニケーションを楽しむことができ、さらに餌もしつけも不要なためスタッフも含めみんなが満足できます。

バッテリー2本のみで動く偽物のペットであっても、特に認知症を患いこうしたペット型ロボットが本物だと思い込んでいる入居者にとっては、非常に便利で楽しいものであるとのこと。

「入居者のみなさんが喜んでくださって何よりです」とアンダーソン氏は言います。

本物のペットには敵わないとはいえ、世話の手間がかからず低コストで済むペット型ロボットは今後徐々に活躍の場が増えていくかもしれませんね。