猫が毛づくろいをする時間
毛づくろいは猫にとって本能的に組み込まれた行動であり、起きている時間の実に8〜15%を費やしていると言われています。猫の平均睡眠時間は12時間程度ですから、起きている時間を1日12時間とすると、日に1〜2時間程度毛づくろいに費やしている計算になります。かなり長い時間行っている事が分かります。
ちなみに、子猫でも生後6週程度で大人と同じように自分自身を毛づくろいするようになります。もう一人前だよ!とばかり一心不乱に毛づくろいする様子は見ていて飽きないでしょうね!!
猫が毛づくろいをする理由とその効果
猫が毛づくろいをするのには、どんな理由があるのでしょうか?
いつもピカピカ☆被毛の清潔を保つため
抜けた被毛や汚れ、ダニやノミなどを取り除いたり、乱れた毛の流れを整えたり、人間で言えば常に洋服にエチケットブラシをかけているイメージでしょうか。
しなやかな体を活かし、全身の被毛をトゲトゲのついた舌でブラッシングします。猫の首は普通に180度位は曲がってしまうので、背中を毛づくろいするのもお手の物です。
オーバーヒート防止に!体温調節
毛づくろいの時には舌でブラッシングをすると同時に、唾液を塗り付けてもいます。その唾液が乾燥する時の気化熱により体温を下げています。冬は被毛の中に空気を含ませ、熱が逃げないようにしている、とも言われています。
また、毛づくろいにより皮膚に刺激を与える事で皮脂腺から防水効果のある分泌物が出てきます。同時に皮膚や被毛の乾燥も防いでいるようですよ。とても便利ですね!!
「落ち着け、俺。」の転位行動
猫は恐怖やストレスを感じた時、興奮している時など、毛づくろいをする事で気分を落ち着かせる事があります。飼い主に叱られたり、遊んで気分が高揚したりすると良くペロペロしています。ストレスを感じて、パリパリと爪研ぎに走る子もいますけどね。(←ウチの子です。)
猫が毛づくろいしない場合の注意点
もし愛猫が毛づくろいをしなくなったら・・・何か異常を抱えている場合があります。獣医師に相談するようにしましょう。高齢猫では老化により、毛づくろいの頻度が減る事もあります。
逆に毛づくろいが過剰になった場合、ケガやノミ・ダニなどの寄生虫などの可能性があります。また不安がある時に過剰になる事も。人間でも不安な頃があると、ついつい髪の毛をいじってしまう事がありますよね?それと似ています。
毛の長い猫が毛づくろいする際の注意点
ペルシャなどの被毛の長い長毛種では、毛づくろいをして大量に毛を飲み込み、その毛が体内で詰まってしまう「毛球症」になりやすいです。ですから、飼い主さんが定期的にブラッシングをしてサポートしてあげましょう。
毎日、もしくは少なくとも週に2度はスリッカーブラシなどで抜けた毛を取り除くようにします。
猫が届かない場所の毛づくろい方法
猫は体が非常に柔軟なので全身の至る所を毛づくろいする事ができます。背中を丸め、脚をピンと上げ、それは器用に行っていますよね。ですが自分の頭や首などは体の構造上、どうしても毛づくろいをする事ができません。
ですから顔を洗う訳です。前足に唾液を塗り付け、それで顔を洗っていきます。耳の後ろや目、口の周りなど、なぜか目を閉じながら、気持ちの良さそうな顔をして行ないます。ご飯を食べた後で顔を洗うのは、ついた汚れを取り除いているからなのですね。目を細めながら洗う様子が、「美味しかった〜!」と満足しているように見えてしまうのは私だけでしょうか?
猫同士で顔周りを毛づくろいする時もありますね。親しみを持っている相手を丁寧にペロペロしている光景はとても微笑ましいです。が、我が家では穏やかな空気が一転、舐めていた方が突然攻撃をしかける事があります。
これは優位性を示すため、と言われていますが、攻撃された方の子はせっかくのうっとりタイムを壊されてとても迷惑そうです(笑)。攻撃する方の子はいつも決まっていて、確かにやんちゃな性格なので、どうしても自分が上だ!と主張したいのでしょうね。
まとめ
普段何気なく愛猫がしているのを目にする毛づくろいですが、様々な理由があったのですね。これからは今どんな理由で毛づくろいをしているのか、考えるのが楽しくなりそうです♪
愛猫が丁寧に自分の体を毛づくろいしているのは愛猫自身の事を大切にしているようにも思えます。「自分を大切にしよう。」と言われている気がして、また一つ猫から学ばせて貰った筆者でした。