母猫は子猫を食べる
母猫は、子猫を食べることがあります。特に野生で生きる野良猫の場合、珍しいことではありません。共食い、育児放棄が理由と言われることがありますが、それぞれに動物的な本能が深く関係していることが考えられます。
母が子を食べるというのは、人に置き換えればありえない話であり、強いショックを受けるかもしれませんが、子を食べる動物は猫だけではありません。厳しい動物界で生き抜くためには、時に酷な判断も必要なのでしょう。
母猫が子猫を食べる理由
母猫が子猫を食べるときに、考えられる理由についてご紹介します。
1.子供が弱っている時
母猫は弱っていたり、成長が見込めなかったりする子猫を食べることがあります。
猫は、多胎動物であるため、一度に3匹〜5匹の子猫を出産します。環境や体質にもよるものの、野良猫が出産した場合の子猫の生存率は高いものではなく、体が小さかったり、疾患があったりと、成長そのものが見込めない子猫も少なくありません。
むしろ、健康に成長できる子猫の方が少ないほどです。そのため、健康で生き残る可能性が高い子猫を生かすために、弱っている子猫を母猫が食べてしまうことは珍しいことではありません。
2.子猫の亡骸を隠すため
オス猫や他の動物に殺されたり、傷付けられたりした子猫を隠すために、食べる場合もあります。このような行動は、子猫の亡骸を放置することで外敵に居場所がバレたり、他の子猫が感染症にかかったりしないようにするためと考えられています。
3.母猫の栄養不足
猫も、妊娠中や出産後は通常よりも栄養が必要になります。野良猫の場合、栄養不足であることが多いため、出産で奪われた体力を回復するため、母猫は子育てをする体力を補給するために、子猫を食べてしまうこともあります。母性本能よりも、動物として生きるための本能が優先されるのでしょう。
4.外敵から身を守るため
外敵の気配を感じた場合、身を守るために母猫が子猫を食べることがあると考えられています。
数匹の子猫を育てていると、いざ外敵が来たときに自分の身を守ることさえできない可能性もあります。そのため、母猫は子猫を隠すかのように食べてしまうことがあるようです。
5.育児放棄
どの動物にも、「育児放棄」というものがあります。ただお世話をせず放置してしまうこともあれば、子猫を威嚇する、子猫を食べるなど、育児放棄による行動は様々です。
ただ、野良猫の場合、母猫が十分に栄養補給できていないことや、出産してすぐに発情期を迎えることによって、子猫を食べてしまうことも少なくないようです。
6.子猫から違う匂いがする
子猫に人や他の動物のニオイが付くことで、育児放棄をしてしまう可能性もあるとされています。母猫が子猫を食べる理由についてご紹介しましたが、これらはあくまでも推測に過ぎません。
ただ、成長の見込みがある子猫のために、弱っている子猫を食べるというのは、子孫を残すために出産をする動物とって、特段不自然な行動ではないのかもしれませんね。
母猫が子猫を食べるのはいつまで?
では、子猫を食べる行動をするのは、いつくらいまでなのか?母猫が子猫を食べることが最も多い時期は、生まれて間もない頃とされています。
母猫が子猫を食べると言われる時期を無事に過ぎても、子猫がオス猫や他の動物に傷付けられたり、何らかの感染症によって弱ってしまったりした場合は、猫が生後2か月〜3か月であっても食べることもあります。
猫は通常、生後3か月〜4か月頃になると親離れをしますので、この時期を過ぎれば母猫が子猫を食べる確率は格段に下がるでしょう。
母猫が子猫を食べるのを阻止するには
飼い猫が出産をする場合、愛猫が子猫を食べるようなことは避けたいですよね。母猫が子猫を食べるのを阻止するために、飼い主ができることをご紹介します。
十分な栄養補給
まず、母猫が栄養補給のために子猫を食べてしまうことを避けるため、高栄養価な食事を心がけましょう。妊娠、授乳期に対応した高栄養価なキャットフードも販売されています。
また、高栄養、高カロリーなドライフードと合わせて、水分補給ができるウェットフードを与えるのもいいですね。母猫のお腹が空いたときにいつでも食べられるよう、置き餌をするのもおすすめです。
安心できる環境
母猫が子猫を食べるおそれのある時期、母猫が子猫を食べることがないように、安心して子育てができる環境作りも大切です。
子猫を食べる心配を少なくするためには、母猫には人の出入りが少なく、静かで暖かい場所を子育ての場所として与えてあげるのもいいですね。
性格によっては、飼い主さんが見える場所の方が安心できるという場合もありますので、無駄に食べるのではないかと心配するよりも、母猫の様子をしっかり観察し、気持ちを汲みとれるよう心がけたいですね。
ただ、子猫を食べるのではないかと、執拗に母猫を構ったり、子猫に触れたりすることはないよう注意してください。
いつでもご飯は食べることができるし、敵はいない。子育てに集中できる環境を作ってあげましょう。
子猫の保護
飼い主から見ても、明らかに弱っている子猫や、疾患を持っていると思われる子猫がいる場合、母猫が許すのであれば、子猫を保護するのもひとつです。
ただ、安心できる環境で子育てをしている母猫の場合は、弱っている子猫を必ず食べるとは限りません。
ただ、特定の子猫に対して明らかに他の子猫と違う態度をとったり、威嚇を始めたりした場合は、いつでも保護ができるよう母猫の様子をしっかり見ましょう。
母猫が子猫を食べるのは、動物的本能によるものが大きいため、阻止することは難しいかもしれません。ただ、栄養面のサポートや、最悪の事態になる前に子猫を保護することならできます。
ただ、子猫を食べるのではないかと心配になるあまり、母猫の子育てに手を出し過ぎるのはおすすめできません。基本的には、子育て自体は母猫に任せ、異変にいち早く気付けるよう、見守りましょう。
まとめ
母猫が子猫を食べるのはなぜ?5つの理由や阻止する方法についてご紹介しました。
実際に飼い猫が子猫を食べることがおきてしまい、驚きとショックのあまり母猫が怖くなってしまったというお話を聞くこともあります。
確かに、人に置き換えれば子供を食べるなんてとんでもない話ではありますが、人にとっての子育てと、猫の子育てでは環境も、価値観も異なります。
母猫が子猫を食べるという行動の理由について解明されてはいないものの、様々な理由や動物的な本能が働いて起こることであり、決して無差別に傷つけるつもりで食べる行動をしている訳ではないことを理解する必要がありますね。
30代 女性 しおり
その頃は、母猫ちゃんの栄養が足りていなくて困っていたのだと思います。その頃には、虐待も多かったので怖い思いをしたことがあったのかもしれませんね。
母猫ちゃんが子猫を食べてしまった原因は、お腹がすいていたからなのか、子猫ちゃんが弱っていたからなのかはいまだに、わかりませんが辛かっただろうなと思います。
結局、その時の猫ちゃんたちはいなくなってしまいましたので、保護されたのかなと思っています。可哀想な猫ちゃんが一匹でも減るように保護活動に励みたいと思います。
50代以上 男性 マーリン