インドに猫がいない3つの理由

インドに猫がいない3つの理由

インドは他の国に比べると、猫の数がとても少ない国です。猫好きな国も多い中、なぜインドは猫が少ないのでしょうか。その理由について今回詳しくまとめました。インドのペット事情や宗教的な観念を元に、猫のいない理由について紐解いてみましょう。

インドには猫がいない理由

青空とタージ・マハル

インド旅行をしている人の話を聞くと、「野良猫をあまり見かけなかった」なんていうエピソードを聞くことがあります。

多くの国で愛されている猫ですが、なぜインドには猫が少ないといわれているのでしょうか。今回はその理由について調べてみました。

インドは宗教的な問題や文化の違いから、猫があまりいない国になったようです。それでは、インドに猫がいない理由について、ひとつずつ見てみましょう。

1.そもそもペットを飼うという文化があまりないから

インドにはそもそも、「ペットを飼う」という文化がそこまで深く根付いていません。

猫に限らず、犬やうさぎ、ハムスターなど、日本ではよく見る動物をペットとして可愛がるという概念があまりないのです。

牛や犬を飼っている家庭はちらほら見かけますが、愛玩動物として飼っているというよりは「実用性のある生き物なので飼っている」という認識に近いです。つまり、愛玩動物ではなく、家畜として飼っているという感じだといえるでしょう。

猫は自由気ままで人に従うことを嫌う生き物なので、人間の役に立つようなことを覚えて実行するのは苦手ですよね。

だから、ペットショップやブリーダーのように、わざわざ猫を繫殖する存在すらインドでは希薄です。インドの家庭で猫を飼っている光景をあまり見かけないのは、このような文化の影響といえるでしょう。

その代わり、インドには猫以外の野生動物がたくさん外をうろついています。

犬やヤギといった小さめの動物だけでなく、牛も野生動物として歩いているのです。日本では考えられないような光景ですが、インドの人たちは野生の動物を受け入れており、一緒に共存しています。

ちなみに、インドの人にとって牛はとても神聖な生き物です。なので、牛を食べることはもちろん、殺すようなこともしません。

牛に関しては、宗教的な理由が絡んでいますが、基本的には動物を大切にする国民なのです。

2.宗教的な理由から猫を嫌っているから

寺院のそばに暮らすインドの猫

インドといえば、仏教が誕生した国でもあります。なので、「インド=お釈迦様」を連想する人も多いでしょう。実は、このお釈迦様と猫が関連しているのでは?といった話が残っています。なんと、お釈迦様が命を落とした理由は、猫にあるといわれているのです。

お釈迦様と猫にまつわる言い伝え

インドでは、お釈迦様の死亡原因はキノコを食べたことによる中毒死ではないかと語り継がれています。中毒になったお釈迦様は、中毒症状を治すための薬を持ってくるようにネズミにお願いをしたそうなのですが、そのネズミを猫が食べてしまったというのです。

そのせいでお釈迦様の元に薬が届かず、命を落としたという言い伝えがあります。ただし、あくまでも言い伝えなので真実かどうかは不明です。

仏教発祥の地であるインドではこのような言い伝えがあるせいで、猫に対して不吉なイメージを持っている人もいるのです。

猫はヒンドゥー教でも嫌われ者

また、猫に対してマイナスなイメージを持っているのは、仏教だけではありません。ヒンドゥー教の信者からも、猫は嫌われているようです。

というのも、ヒンドゥー教において、ネズミは神聖な生き物として扱われています。ヒンドゥー教の神様であるガネーシャは、ネズミに乗っているという話があるため、ネズミは「神様の乗り物」として知られているのです。

しかし、猫はその神聖なネズミを食べてしまう生き物なので、あまり良いイメージを抱かれていないのです。

インドで猫をあまり見かけないのは、上記に挙げたような言い伝えも関連しているのでは、と推測できます。

3.猫の天敵である野犬が多いから

先ほどもチラっと先述したように、インドには野犬がたくさんいます。しかも、日本のペットとして飼われているような、おとなしくて従順な犬は少なく、野生の本能をむき出して生きている犬が多いです。

むやみに近づくと襲ってくることもあり、相手が人間だったとしても、容赦なく嚙みつくことで知られています。

野生なので病気を持っている犬も多く、インドでは野犬に襲われて狂犬病にかかり、命を落とすことも珍しくありません。

なので、野良猫にとっては非常に暮らしにくい環境であるといえます。野良猫がいたとしても、野犬にすぐに襲われてしまうため、野良猫が少ないのではないかといわれています。

インドにも猫が好きな人はいる

寺のコーラムに横たわるインドの猫

しかし、インド人全員が猫を嫌っているというわけではありません。中には猫が大好きなインド人もいますし、都市部などに行くと猫をペットとして飼っている人だっているのです。

インドでキャットフードを入手するのは大変

ただし、キャットフードをインド国内で入手するのはけっこう苦労します。そもそもペットを飼うという文化があまり根付いていないため、ドッグフードですら一定の場所(大きなスーパーなど)に行かないとゲットすることができません。

猫を飼っている人は、犬を飼っている人に比べると遥かに少ないため、ペットショップにさえキャットフードが置いてない場合だってあるのです。

なので、中には仕方なくドッグフードを食べさせている飼い主さんもいるそうです。

まとめ

インドの夕日とバナラシの街並み

インドは日本と環境が大きく違いますし、文化も異なります。そのため、猫に限らずペットに対する意識も違うといえるでしょう。猫好きな国が多い中、インドは珍しい考えを持った国といえるかもしれません。

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