「犬は人に付き、猫は家に付く」の真実
それでは早速、真実を見てみましょう!
猫にとって『家=テリトリー』
ことわざの中で「家」とされたのは、テリトリーのことだと解釈できます。
猫にはそれぞれテリトリーがあります。それは飼われている猫でも変わりません。
テリトリーの外に出た猫は落ち着かず、テリトリー内に戻ろうとします。実際、引っ越し先に連れて行ったらいなくなり、元の家に戻ったという猫もいます。それほど猫にとって、テリトリーは大事だということです。
時代とともに変化している
人との歴史は犬には及ばないものの、人と過ごした長い時間の中で一緒に暮らせるよう、猫も変化してきました。今私たちが飼っている一般的な猫は「イエネコ」という種類です。
イエネコは「リビアヤマネコ」という野生の猫から進化した種族です。元は野生だったリビアヤマネコが、遺伝子の変化により人懐こい性質と小型化した体を手に入れたと言われています。人と暮らせるよう変化した方が種の保存に役立つとなったのでしょう。
前置きが長くなりましたが、このように種の保存のために遺伝子まで変化させてしまう猫です。メリットがあると思えば、「家に付く」を捨て、「人に付く」性質に変わることがあるかもしれません。
環境の変化が苦手
猫は、いる環境の変化が苦手な動物です。外出はもちろん引っ越しは猫に多大な負担を与えます。
不要な外出を控えることは大切ですが、引っ越しは致し方ない場合があります。
もしどうしても引っ越ししなければいけない場合、十分に配慮してあげましょう。
配慮してあげれば大丈夫
前項でお伝えしたように猫は環境の変化が苦手です。
万が一引っ越ししなければいけない場合は、なるべく今までいた家具や小物を使い、配置も似せるようにすると新しい環境に慣れやすいでしょう。
猫が使っているベッドやキャットタワーなど、引っ越しとともに新調したくなりますが、猫が新しい環境に慣れるまでは新しくしない方が良いようです。新しい場所でも、自分の匂いがついた慣れ親しんだものがあれば、猫の安心材料になります。
また、早く慣れさせようと家の中を連れまわすのではなく、猫が自ら見回りに行くまで、そっとしておいてあげましょう。猫の性格によっては引っ越しが難しい場合もありますが、フェリウェイなどのホルモン剤を使ったり、ゆっくり時間をかけて慣れさせたりして新居に馴染んでもらうよう、尽力しましょう。
猫を置いていくのは厳禁
「猫は家に付く」というのを額面通りに受け取って、愛猫を残して引っ越す飼い主さんがいるとか。信じられないような本当の話です。
いくら「家に付く」と言っても、飼い主さんや家具がなくなった部屋では知らない家と同じです。引っ越しは猫にとってストレスとなり得ますが、置いていくのはもっとストレスを与えます。
絶対に可愛い愛猫を1匹で置いていくのは避けてください。
猫、実は人大好き!?
アメリカ・オレゴン州で行われたある実験で、猫は人との交流を最も好む、という結果が確認されたそう。55匹の猫(飼い猫23匹、保護猫22匹)を対象に、食べ物、おもちゃ、匂い、人との交流という4種類の刺激を与え、どれを一番好むかを調べたところ、人との交流が一番人気だったとか。
ただこの実験をこなせた猫は、55匹のうち38匹でした。
その内の半数である19匹が、人との交流を一番好み、次いで14匹が食べ物、4匹がおもちゃ、1匹が匂いを選んだのだとか。
実験対象となった猫の数が少ないので、この結果が確実だとは言い切れない部分はあるものの、猫と暮らす人にとっては既知の事実ではないでしょうか?
「犬が人に付く」のは本当
「猫が家に付く」のは絶対とは言えないらしい一方で、「犬が人に付く」のは本当のようです。
犬をMRIで調査した結果、何よりも飼い主さんの匂いや音を優先していることが分かりました。
また、嬉しさや悲しさなどの感情処理の仕方が人と似ているため、絆を育みやすく、緊密なコミュニケーションを可能にしているのだとか。
同じ種族である犬以上に飼い主さんを頼るのも特徴的です。
そして犬は、霊長類以外で人と目でのコミュニケーションを求める唯一の動物です。これは人との絆をとても大切にしている、という理由が考えられています。
まとめ
猫が家に付くか、それとも人に付くかは、その猫の性格や育ち方などにもよるようです。
小さな頃から飼い主さんと旅行に出かけていれば、旅行するのが当たり前な猫に育つこともあります。
一概に「家に付く」と言い切れないところがありますね。そんなあいまいなところも、猫っぽくて良いのではないでしょうか?飼い主としては、家よりも人に付いてほしいと思う今日この頃です。