脳の大きさと知性は比例しない研究
アメリカテネシー州ヴァンダービルト大学の研究者が脳の大きさと知性は比例しないことを発表しました。
これは知性の指標となる動物が大脳皮質に持つ『ニューロン数の多さ』を複数の肉食動物を使って比較したところ脳の体積が大きければニューロン数も比例するであろうと思いきや、研究結果は違ったのです。
色んな動物で比較
実験では、ヒグマの脳は当然、犬のゴールデンレトリバーより大きいのものですがゴールデンレトリバーの大脳皮質に持つニューロン数はヒグマよりも多いものでした。
またアライグマは猫と同じ大きさの脳を持ちますが、知性の指標となる大脳皮質に持つニューロン数は霊長類と変わらないという結果が出ました。これにより脳が大きい方が絶対に賢いという説は無くなったということです。では、犬と猫はどうなるのでしょうか?。
犬と猫どっちが賢いの?
- 猫の脳の重さは32g
- 犬の脳の重さは100g
脳の重さでは犬の方が猫の3倍もの量を持ちます。そして犬が大脳皮質に持つニューロン数は5憶3000万。それに対する猫のニューロン数は2億5000万という結果です。
つまり、研究結果では犬の方が猫よりも2倍以上の知性を持つことが分かりました。では知性の指標となる大脳皮質に持つニューロン数が犬より少ないからと、猫が全て犬に劣ってしまうのでしょうか?。ここで猫の記憶力や知性について深く調べてみました。
猫の犬に負ない記憶力
猫は人より短期の記憶力がある!
実は猫は犬にも、そして人間よりも優れた「短気記憶力」というものを有しています。これは近年発表された研究結果で、研究論文によると猫は人間の20倍もの「短気記憶力」という優れた能力を持っているんですね。
また記憶には短気記憶と長期記憶という2種類があります、短期記憶は例えば一瞬で覚えた記憶を数十秒~数分間のあいだ持続する記憶力のことです。
長期記憶は覚えた記憶を数時間~数十年、あるいは一生覚えているものを言います。では、猫が人間の20倍も優れているという短気記憶力についてご説明します。
猫は短気記憶を10分間保持できる
一瞬で覚えた短気記憶は人間でも記憶の保持は30秒程度とされています。ですが2007年に猫の記憶力を調査する研究では猫は短気記憶を10分間以上記憶することが出来ると証明されました。
このため、猫の短気記憶力は人間や犬を遥かに上回る能力と言えます。しかし、この猫の短気記憶力が発揮されるのは、猫が興味が惹かれるものでないと発揮されないということも研究結果に出ています。
猫も学習能力は犬に負けてない
猫と犬の知性を数値で比較すると、犬の方が賢いという結果になりました。ですが、猫だって学習能力は犬に負けていないと思われる面が多々あります。集団行動を行う犬と違い、基本的に猫は単独行動ですね。
このため基本的に犬は集団のボスである人間に指示を仰いで行動する人間に忠実な生き物ですが、人間に従う事のない猫の自分で考えて行動するのが基本と言えます。そして猫の自発的な学習能力は、時として人間を驚かせることもあるくらいの力を発揮します。
例えば自分で部屋のドアノブに乗って扉を開けて部屋の出入りをする。棚のおやつを取るために、扉を手で開ける。はたまた、おやつの瓶まで両手を使って上手に開けることが出来るという猫もいます。
猫は飼い主の行動を観察して覚えている
これは実は、飼い主の皆さんが知らない内に猫から行動を観察されて猫が自分で学習していることが理由と言われているんです。しつけが入り難いと思える猫ですが自分から学習する点でいえば目を見張る成長を見せてくれるということです。
ただし、一度覚えてしまうと猫が繰り返すので飼い主さんと飼い猫の戦いが始まることも…あるみたいです。
そして飼い主の皆さんは、猫にされて困ることの対処として、猫が出来ないように物を変えることや鍵を付けたりすることが一番早い解決になっているようですね。
まとめ
知性の指標となる動物が大脳皮質に持つニューロン数の多さでは猫よりも犬の方多くが賢いという結果になりましたが、猫の短気記憶は人間や犬よりも優れています。
また学習能力に関しては人に忠実でしつけの入りやすい犬は飼いやすく、一方猫は、飼い主の行動を日々観察して自分から覚えて行くというスタイルです。これは非常に猫らしい覚え方であり幅広い可能性を感じさせてくれますね。