野良猫たちは雨の日にどこにいるのか
野良猫は雨の日にどこで何をして過ごしているのでしょうか?
普段は、道路や公園などで自由に寝そべっている野良猫を見掛けることがありますが、雨の日に野良猫の姿を見ることは殆どありませんよね。
いつも遊びに来る野良猫が雨の日は来ない…と心配になる方も多いようです。冷たい雨が降り続ける雨の日、野良猫達はどこにいるのでしょうか。
野良猫は雨の日に車の下や軒下で雨宿りしている
野良猫は雨の日、車の下や軒下、屋根付きの駐輪場などで雨宿りしていることが多いようです。野良猫に限らず、猫は自分にとって快適に過ごせる場所を見つけるのが得意です。
特に過酷な環境で生きる野良猫の場合は、自分の縄張りのなかで暑さや寒さ、雨の日に過ごせる場所をいくつか決めていることが多いようです。
野良猫は雨の日にご飯をくれる人の家にいる
雨の日野良猫は、地域性にもよりますが、いくつかの家でご飯をもらいながら生活している野良猫も多いようです。野良猫が「自分に危害を加えない人」と認識している場合は、普段ご飯をくれる人の玄関先や、ベランダなどで雨の日野良猫は雨宿りをすることもあります。
家の軒下
野良猫は雨宿りをするときに家の軒下で過ごすことがあります。 戸建ての軒下であったり、マンションなどの1階のベランダの下などに隠れて過ごしています。
屋根つきの駐車場の下
野良猫は、雨の日に屋根つきの駐車場の下であったり1階にガレージがある自宅で雨宿りをします。しかし、人が出てきたりすることもあるので人目につきにくい倉庫などの場所に隠れて過ごしています。
野良猫たちは雨の日に何をしてどう過ごしているのか
雨の日、野良猫たちはどのように過ごしているのでしょうか。
野良猫は雨の日に活動しない
雨の日野良猫はどこかに出かけたりしません。猫は完全肉食動物であり、狩りができない雨の日は体力を温存するために、普段よりもじっと寝て過ごす習性があります。「猫は雨の日によく寝る」と言われるのも、この習性が関係しているのですね。
これは猫の本能的な行動であるため、個体差はあるものの完全室内飼いであっても野良猫でも雨の日は比較的行動量が減るようです。
特に野良猫の場合、雨の日に活動すれば、体が濡れて体力も奪われ、体温が下がり命に関わります。このようなことから、雨の日の野良猫はお腹がすかないように、体力を奪われないようにひたすらにじっと過ごすことが多いようです。
ただ、生まれて間もない赤ちゃん猫や、狩りが自分でできない子猫を抱えている野良猫の母猫の場合は、雨の日でも多少無理をしてでも食べ物を探しに行くこともあるようです。
また、母猫と離れたばかりの子猫の場合、雨を凌ぐ場所や、体が濡れることで自身の命が危険に晒されることを知らずに出歩いてしまい、川の氾濫や水が溢れた側溝などに流されてしまうこともあります。野良猫にとって雨の日は、命が危険に晒される可能性が十分にあるということですね。
雨の日は野良猫との出会いの日
「愛猫との出会いは雨の日だった」というお話しをよく聞きます。雨の日の野良猫エピソードをご紹介します♪
雨の日に子猫を抱えて訪れた野良猫
これはある雨の日「猫の完全室内飼い」という概念が全くなかった時代に、私の祖母が経験した野良猫との雨の日のお話しです。当時、複数の猫がご飯をねだりにくる所謂「野良猫溜まり場」だった祖母宅では、野良猫たちを家のなかには入れず、庭先や勝手口前などでご飯を与えて居たそうです。
野良猫のメンバーはほぼいつも同じで、祖母は全猫を「みーちゃん」と呼んでいたのだとか。(笑)やはり雨の日になると、軒下や車の下などに避難しにくる野良猫達。とても強い雨の日、他の野良猫たちは家の中へ入れてくれる別宅へと避難したのか、野良猫の姿は見えなかったそうです。
そのことを確認し、勝手口の戸締りをした矢先に戸をカリカリと引っ掻く音が。どのみーちゃんがご飯を食べにきたのかと戸を開けると、ある野良猫が雨の日であるのによちよち歩きの子猫を連れて佇んでいるのが見えました。
いつもは家に入らずにご飯だけを食べ、いつの間にか居なくなっているのに、家の中に何とか入ろうと子猫をくわえて戸を押し開けたそうです。強い雨のなか、こんな子連れ猫を追い出すこともできないと折れた祖母は、玄関先に毛布を入れた段ボールを置き、「一晩だけだよ」と声を掛けたそうです。
ここまでお話しすれば、その後の展開はお分かりかと思いますが…「一晩だけだよ」が「玄関だけだよ」に変わり、数週間経った頃には居間で寛ぐ4匹の姿があったそうです。
「ねこだましに遭ったんだ」などと、祖母は文句を言っていましたが、結局のところその野良猫が子猫たちを守るために祖母に頼ることを選んだのは正解だったのだなと、この話を聞く度にしみじみ感じます。(笑)
雨の日は野良猫と人を繋ぐ
野良猫の成猫であれば、雨の日はじっと動かずに過ごすべきだと判断することができますが、野良猫の子猫の場合は何も考えずに歩き回ってしまい、濡れた体はどんどん冷たくなっていきます。雨の日は風邪を引くだけならまだしも、よちよち歩きの野良猫の子猫の場合、下水道管や側溝に流されてしまうことも。
このように雨の日野良猫は普段ならないであろう窮地に追い込まれる事が多く、お腹がすいた、寒いと鳴き続けるしかない子猫の声が、心優しい人に届くことも少なくないようです。
雨の日ずぶ濡れになった野良猫の子猫を保護したというお話しは非常に多く聞きます。やはり「雨の日、子猫を放っておくと死んでしまうかもしれない」という焦りが、野良猫を保護するという行動を後押しするのでしょう。
中には、なりふり構わず氾濫した側溝へ飛び込み子猫を救出したという方も。実際に我が家で暮らす愛猫も、雨の日に姉妹3匹で保護されました。雨の日に野良猫たちが持つ危機感が、人にも伝わるのかもしれませんね。
また、この危機感を逆手に取って、雨の日野良猫を保護する方法もあるようです。近所をウロウロしている野良猫をきちんと家族として迎えたいが、なかなか保護できないという方が、雨の日に家の中へ野良猫が入れるよう少しだけ戸を開けて、毛布を入れた箱やご飯を置いておいたらその野良猫が箱で寝ており、そのまま家族にお迎えできたというお話しもあります。
この方法であれば、捕獲機などで無理に捕まえる必要もなく、人にとっても野良猫にとっても負担が少なくていいですね。雨の日は野良猫にとって危険があるために、人と繋がる機会が増えるという何とも複雑な関係性が見えてきましたね。
目の前の命に手を差し伸べることはそう簡単なことではありません。しかし、過酷な環境で生きなければならない野良猫たちが、一匹でも多く幸せになれることを願っています。
まとめ
野良猫は雨の日、どこでどのように過ごしているのかをご紹介しました。
猫の習性から考えると、雨の日は安全な場所でじっと寝ていることが多いのに対して、雨の日に野良猫と出会ったというお話しが多いのは、やはり縁というものなのでしょうか。
もちろん、まだまだ無知な子猫が雨の怖さを知らずに歩き回ってしまうことも関係しているのですが…。私自身、繁殖期に雨が降ると「もし子猫が家の前に居たらどうしよう」などと考えてしまうことがよくあります。
それはきっと雨の日に野良猫と出会ってしまったら、見て見ぬフリはできないからだと思います。
野良猫にご飯を与えている方は、私の祖母のように雨の日に訪ねられた時のこともしっかり考えておきましょうね!(笑)
20代 女性 うみか
うちの猫ちゃんとは、ある雨の日に4匹が捨てられているのを見つけ保護したのが始まりでした。
子猫ちゃんは弱っていましたが、なんとか助けることができました。
他の3匹も他の里親さんのもとで元気に過ごしています。野良猫ちゃんは、子猫がいるときには獲物を見つけるためにふらふらと出ていって頑張って食べ物を見つけるのですね。
母猫も命がけで生きているのです。
子猫ちゃんも、母猫についていくのに必死なのでしょう。事故に遭わないように見守ってあげたいですね。