猫の知能指数
脳化指数
動物の知能の指標として、ハリー・ジェリソンによって1973年に考案されました。体の重さに対し、脳の重さがどのくらいあるのかを比較して算出される数値です。その脳化指数は以下になります。
- 1位 人間(脳化指数0.89)
- 2位 イルカ(脳化指数0.64)
- 3位 チンパンジー(脳化指数0.30)
- 4位 カラス(脳化指数0.16)
- 5位 イヌ(脳化指数0.14)
- 6位 ネコ(脳化指数0.12)
犬と猫はほとんど数値も変わらないことが分かります。
神経細胞(ニューロン)の数
知能は脳の質も関係しているといわれています。その一つの指標として、生物の脳を構成する神経細胞であるニューロンの数の多さがあります。神経細胞(ニューロン)とは学習と記憶を司る細胞であり、知能の高さを比べるときの目安になり、この細胞が多いほど情報処理能力に対する大きな能力を持っているといえます。
- 人間 100億~1000億個
- チンパンジー 80億個
- イヌ 1.6億個
- ネコ 3億個
猫の神経細胞(ニューロン)の数が犬よりもはるかに多いことが分かります。
脳の発達レベルを数値化したり、神経細胞(ニューロン)の数を比べてみると、上記のような結果が報告されていますが、動物にはそれぞれの習性や特性などにより長けている能力が異なるため、数値だけを見て一概に比較することはできない気もします。
猫の知能と長けている能力
猫が長けていると思われる能力をいくつか挙げてみましょう。
観察し、学習するという能力
猫はじっくりと観察をして真似をします。そして器用に学んでいきます。目的のために何度も何度も繰り返し、挑戦しながら手順や方法を身につけていきます。いつの間にかドアの開け方を覚えていたり、引き出しの開け方を覚えていたりしますよね。
短期記憶能力の高さ
短期記憶とは比較的短い、秒単位の時間しか保持されない記憶のことです。人間の短期記憶は平均30秒といわれていますが、猫の短期記憶は10分以上も持続するといった結果が報告がされています。とはいえ長期の記憶力がないというわけではありません。特に嫌なことはよく覚えているようです。これは同じ思いを繰り返さないように、痛かった記憶や、怖かった記憶、不快だと感じた記憶などはしっかりと覚えているのです。
感覚器官が発達している
特に聴覚や嗅覚が発達しており、少しの変化にも敏感に反応します。勘も鋭く、状況を見て行動する猫もいます。また、飼い主の声や家族の声を認識して聞き分けることができ、短い言葉や単語であれば理解できる猫もいるようです。(どちらかというと、飼い主の声のトーンや表情、雰囲気で何となく理解していくといった表現の方が正しいのかもしれません)
実際、飼い主が猫の悪口を話していたりすると敏感に察し、ストレスを感じ、元気がなくなる子もいるのです。逆に、飼い主に褒められていると分かるとこうすると「褒められるんだ」と学習していく猫もいるのです。
犬と猫の知能の違い
飼い主の指示に忠実に従う犬と違って猫はなかなか言うことを聞いてくれません。これは飼い主の指示を理解できないというよりは、そもそも指示に従わないといった習性によるものなのです。
犬の場合ですが、本来群れで生活し、集団の中のリーダーに従います。飼い主の指示に従い、従順であることは本来の犬の習性であるともいえますね。
猫は単独で行動し、単独で考えて判断をする動物です。本来、猫は指示を受けて動く動物ではありません。飼い主の言うことを聞かないのではなく、猫は指示を受けて動く習性はないのです。
まとめ
犬でも猫でも、「言うことを聞くから知能が高い。言うことを聞かないから知能が低い」という判断は、あくまでも人間目線によるもので扱いやすさに重点が置かれているように感じます。それぞれの習性などを考えると知能という言葉で優劣をつけるのは非常に難しいことです。犬には犬の持つ良さ、猫には猫の持つ良さがあります。それらを理解した上で、ペットとの楽しい生活を送っていきたいものですね。
男性 匿名