猫の尿が出ない?泌尿器トラブルを防ぐマッサージの方法と注意点

猫の尿が出ない?泌尿器トラブルを防ぐマッサージの方法と注意点

突然、猫の尿が出なくなって、困惑した経験はありませんか?放置してしまうと命にも関わる、猫の泌尿器トラブル。猫の泌尿器トラブルを防ぐ、マッサージ方法と注意点をご紹介します。

猫の尿が出ない時にマッサージは効果的?

仰向けでなでられながらカメラ目線の猫

猫の尿が出ないと気づいた時、「なぜ猫の尿が出ないのか」とか「どうしたら猫の尿が出るのか」と、ついついネットで検索したり、ユーチューブなどの動画を見て調べたりする方も多いでしょう。

実際に、猫の泌尿器トラブルに関する検索キーワードを調べて見ると、「猫 尿 出ない」や、「猫 尿がでない マッサージ」、「猫 腎臓 ツボ」などの検索キーワードが多く、猫の泌尿器トラブルで悩まれている飼い主さんが、とても多いことに気付かされます。

そのため、猫の尿が出ない時のマッサージ方法や、ツボ、圧迫排尿の仕方に至るまで、ネットには、猫の泌尿器トラブルに関する記事や動画が溢れています。

猫の尿トラブルは動物病院での治療を優先!

猫の尿が出ないと、何をどうして良いのかわからず、とりあえず何かしてあげたいと焦ってしまうものですが、猫の尿が出ない状態は、猫の命に関わる緊急事態です。猫の尿がでない時は、排尿を促すマッサージを考える前に、速やかに動物病院を受診してください。

猫の尿が出ない原因は、実にさまざまで、ほとんどの場合、単純ではありません。一刻も早く、動物病院を受診することが正しい対応です。

繊細な動物である猫は、何らかのストレスにより、おしっこを我慢してしまう場合もありますが、猫の尿が出ない原因が、尿石症や膀胱炎、尿路感染症や腎不全などの病気が要因である場合も多く、動物病院での処置が遅れると命に関わります。

猫の飼い主さんなら、ネコ科の動物の宿命とも言われる、慢性腎不全の恐ろしさをご存知の方も多いでしょう。慢性腎不全は、老化などが原因で、ゆっくりと進行しますが、年齢に関係なく発症し、進行スピードが早い膀胱炎や急性腎不全などの病気にも、十分注意しておく必要があります。

膀胱炎や急性腎不全によって、猫の尿が出なくなると、猫の体内に毒素がたまる尿毒症を発症してしまいます。

尿毒症になると、48時間から72時間で亡くなり、「早く動物病院に連れて行っていれば」と悔やまれる飼い主さんも少なくはありません。処置に一刻を争い、発見や対応が遅ければ、取り返しがつかなくなります。

尿が出ない時のマッサージはリスクもある 

猫の尿が出ない時、猫の下腹部のマッサージが有効とする情報を目にすることがありますが、猫の尿が出ない時のマッサージは、実は大変危険な行為です。

猫の尿が出ない状態で、安易に猫の下腹部を圧迫してしまうと、尿が腎臓に逆流してしまったり、猫の膀胱を破裂させてしまうリスクがあります。

猫の尿を強制的に出す専門的な施術、圧迫排尿の仕方を紹介しているユーチューブ動画もありますが、圧迫排尿のような専門的な方法は、獣医師の指導を受けたり、指示があった場合を除き、ネット情報を頼りに行うべきものではありません。必ず、かかりつけの獣医師に相談し、安易に真似をしないように注意してください。

猫の膀胱が破裂してしまうと、緊急手術が必要になりますし、マッサージを施している間に治療が遅れてしまうと、手遅れとなり、猫の命に関わります。治療の遅れにより、動物病院で処置を施した後でも、処置後に腎不全を発症するケースもあります。

先にお伝えしましたが、尿毒症になってしまうと2〜3日で命を落としてしまうため、治療の遅れは大変危険です。腎臓も一度機能を失ってしまうと、元に戻ることがありません。猫の尿が出ない状況は、一刻を争う事態だと認識し、速やかに動物病院を受診しましょう。

動物病院を受診した際には、いつから猫の尿が出ていないのか、抜け毛やむくみなど、気になった点はあったか、水飲みについてや、以前にも尿が出なくなったことはあったかなど、猫の現状と症状の経過を伝えましょう。

排尿トラブル用マッサージは予防ケアにおすすめ

猫の尿がでない問題は、日頃から猫のトイレ環境を整えたり、猫のトイレの様子をよく観察していても、比較的よく発症してしまいます。いつ、また猫の尿が出なくなるのか、不安になる飼い主さんも多いことでしょう。

近頃では、猫の尿量や回数、排尿にかかった時間や体重に至るまで、猫のトイレ事情を計測できる猫用トイレがあります。計測結果は、アプリで管理でき、記録もできるので、猫の泌尿器トラブルを予防するのに大変便利です。

また、猫の排尿トラブル用のマッサージは、日頃の予防ケアとして有効です。猫へのマッサージは、飼い主さんと猫とのコミュニケーションの機会を増やし、猫の体に触れることで、しこりや皮膚トラブルなど、体の変化にいち早く気づけるというメリットがあります。

猫の泌尿器トラブル防止に、何らかの予防ケアを考えている飼い主さんは、猫の排尿トラブル用マッサージに挑戦してみると良いでしょう。

猫の尿が出ないトラブル予防に効果的なツボ

背中を触られているソファの上にいる猫

肩こりや便秘、なんとなく重だるくて調子が出ない時、ツボ押しやお灸をされる方もいらっしゃると思います。ツボを押して不調を整えるという考え方は、東洋医学の考え方です。

ツボは、内臓などの身体内部に由来する反応点であり、筋組織の損傷における反応点でもあります。それゆえに、ツボを押すことで、体のどこに不調があるのかを探ったり、血の巡りなどの滞りをスムーズにし、不調を取り除く効果があると言われています。

実は猫にも、体の不調に効果的だと言われているツボがあり、ツボ押しは、猫のコンディションを整えるのに有効です。

猫の尿が出ないトラブル予防に効果的なツボには、主に「腎兪(じんゆ)」と「湧泉(ゆうせん)」というツボがあります。

腎兪(じんゆ)

猫の腎兪(じんゆ)の位置

腎兪と呼ばれるツボは、猫の一番後ろの肋骨をたどり、その中央にある骨のでっぱりから数えて、3つ後ろの骨の左右にあります。

骨のでっぱりを指の腹で捉えたら、その左右を軽く押し触るように、優しく触れてみると、少し窪んでいるのがわかるでしょう。その左右の窪みが、腎兪です。

腎兪は、腎機能だけでなく、老化予防としても重要なツボです。猫の腎兪を押す時は、親指の腹を使い、ゆっくり、優しく5秒ほど押圧します。人のマッサージと違い、力を入れて押さないように注意してください。ゆっくりと優しく、軽い力加減で押圧しましょう。

湧泉(ゆうせん)

猫の湧泉(ゆうせん)の位置

湧泉は、後脚の一番大きな肉球の底部にあります。腎臓に関する経路の始まりとなるツボで、「気が泉のように湧く」という字の通り、腎臓病だけでなく、後脚の麻痺などにも有効です。

猫の後脚の一番大きな肉球の底部を触れてみて、猫が嫌がらない様子であれば、猫の大きな肉球のちょうど付け根の部分を5秒ほど軽く押圧してみましょう。大きな肉球の付け根にあるツボが湧泉です。

小柄な猫は、肉球も小さく押圧しにくいことがあります。その場合は、綿棒を使ってツボを押圧すると良いでしょう。

ただし、綿棒を使うと、力加減が難しく、ついつい強く押してしまうかもしれません。くれぐれも、ソフトなタッチで、猫の表情を観察しながら優しく押圧してください。

猫のツボの押し方と注意点

膝の上で頭をもまれて気持ちよさそうな猫

猫へのツボ押しは、家庭でできる予防ケアの一つであり、治療ではありませんので、猫とのスキンシップの一環として取り入れるのが良いでしょう。では、具体的に、猫のツボの押し方と注意点を見ていきましょう。

猫のツボの押し方

猫のツボを押圧する時は、親指の腹の部分を使って優しく押圧します。

5秒くらいかけてゆっくりと力を加え、3〜5秒ほどその状態を保ち、また5秒ほどの時間をかけてゆっくりと力を抜いていきます。これを、1箇所のツボにつき5〜20回を目安に繰り返します。

たくさん押せば、効果が出るものではありませんし、やり過ぎは、かえって猫の負担になります。毎日無理せず、少しずつ行うようにしましょう。

猫のツボを押す時の注意点

猫は、基本的に、脚や背中を必要以上に触られるのを嫌がります。無理やりツボ押しをすると、かえって猫のストレスになったり、猫との関係性を悪化させてしまうかもしれません。猫が嫌がる時は、無理に触れないようにしましょう。

猫のツボ押しを行う時は、猫の表情をよく観察しながら、猫がリラックスして気持ちよく感じてる程度に行うようにしてください。

猫のツボを押す時は、人のツボ押しと同じように力を入れてしまわないように注意が必要です。猫と人では、ツボを押された時の感じ方が違います。

猫の尿が出ないトラブルを防ぐマッサージの仕方

タオルの上に乗ってマッサージを受ける猫

猫の尿が出ないトラブルを防ぐには、ツボ押しの他、下腹部のマッサージも有効です。飼い主さんが猫の体を触ることで、猫のリラックス効果が高まり、ストレスの解消に繋がる効果が期待できます。

ただし、嫌がるときに、無理やりマッサージを行うと逆効果ですので、くれぐれも無理やりマッサージすることは避けてください。

猫の下腹部辺りを優しくマッサージする

猫がお腹を見せて横になっている時、そっとお腹の辺りから、下腹部の辺りに手のひらをのせ、時計回りに円を描くように、ゆっくりと軽いタッチでさすります。

必ず手のひらはそっと置き、力は入れずにゆっくりと、優しくさするようにマッサージしましょう。猫の下腹部を圧迫するのはよくないので、くれぐれも注意してください。

猫の後脚を優しくマッサージする

次に、猫が横向きになってリラックスしている時、後脚の外側に、そっと手のひらを置きます。

後脚の付け根の辺りから、そっとつま先の方に向けてさすります。

猫の肋骨辺りから太ももにかけて優しくマッサージする

さらに、横向きになって寝ている猫の、肋骨辺りから、後ろ脚の太ももにかけてゆっくりとさすります。

このときも力は入れず、手のひらでそっとさするように、ゆっくりと撫でます。

ツボを意識しながらマッサージする

猫の排尿トラブルは、内臓の冷えや血流の滞りが元凶になっている場合もあるため、猫の体をさすることで、血流の流れをスムーズにし、ポカポカと体を温めてあげることで、排尿トラブルを予防することが期待できます。

先に紹介した腎兪や湧泉のツボを意識しながら、ツボの押圧と合わせて、このマッサージを行ってみると、より効果的でしょう。ポカポカ体が温まり、リラックスできると、猫はうっとりと気持ちよさそうな表情を見せます。

猫に排尿トラブル予防のマッサージを行う時の注意点

伏せて退屈そうな表情を見せる猫

猫へのマッサージは、家庭でできる予防ケアの一つにすぎません。治療ではないので、マッサージをすれば必ずよくなるとか、症状が改善するわけではありませんので、誤解しないようにしましょう。

では、具体的にマッサージを行う時の注意点をご紹介しましょう。

猫が嫌がる時は無理やりしない

「猫のツボを押す時の注意点」でもお伝えしていますが、猫は、基本的に背中やお腹、脚などのデリケートな部分を触られるのを嫌がります。稀に、触られても平気な猫もいますが、全ての猫がマッサージを受け入れてくれるとは限りません。

また、飼い主との信頼関係の有無にかかわらず、猫が病気や怪我をしていたり、痛みや痺れなど、なんらかの不調を抱えている時は、症状が出ている部分に触れられるのを本能的に嫌います。

猫が嫌がっているのに、無理やりマッサージをしてしまうと、猫のストレスになり、かえって猫の不調を悪化させてしまったり、猫との信頼関係が壊れてしまうリスクがあるので注意しましょう。

猫が嫌がっているときは、髭が前方にピンと張って警戒していたり、耳を横や後ろに倒したイカ耳にしたり、尻尾をパタパタ振ってイライラしていたりします。猫の表情や仕草を、よくよく観察することで、猫の気持ちを察知することができるはずです。

マッサージをする時は、猫がリラックスして受け入れてくれるときだけ、行うようにしてください。

猫にとって優しい力加減で始める

猫へのマッサージが、人や犬へのマッサージと大きく異なるポイントは、力加減にあります。

猫には、人のように「痛気持ちい」という感覚はありません。そのため、加減を誤って力を入れてしまうと、猫の不調を悪化させてしまったり、怪我をさせてしまう恐れがあるので注意しましょう。

猫の体格や年齢によっても、力加減は異なりますが、優しくゆっくりと、ソフトなタッチで行います。特に、小柄な猫やシニア猫へのマッサージは力加減に十分注意が必要です。

アロマオイルは使わない

猫へのマッサージに、アロマオイルは必要ありません。むしろ、アロマオイルを使用することで、オイルを誤って舐めてしまったり、揮発したオイルの成分による中毒症状などが出てしまうと、大変危険です。

また、猫の嗅覚は人の数十万倍から数百万倍おあります。人にとっては癒される香りでも、猫にとっては強烈なニオイとなり、かえってストレスになってしまうので、要注意です。

猫の肉球のツボ押しやマッサージの際に、肉球の乾燥やひび割れなどのケアが必要な場合は、市販の肉球用のクリームや、無香の猫専用オイルを使うのが良いでしょう。ただし、専用クリームやオイルも、塗られるのを嫌がる猫には、無理に使わないようにしてください。

これらの注意点を意識して、猫の排尿トラブル用マッサージを行うことが大切です。

まとめ

仰向けで頭をマッサージされている子猫

トイレ環境や食事、飲水量など、猫の泌尿器トラブルを防ぐために、日頃から気を配られている飼い主さんは、とても多いことでしょう。

色々と気を配り、注意していても、防ぎきれないのが猫の泌尿器トラブルです。

猫の尿がでなくなってしまったら、すぐに動物病院を受診することが鉄則ですが、この機会に、予防ケアやスキンシップの一環として、ツボ押しや、マッサージに、トライしてみてはいかがでしょうか?