猫の癒し効果とその医療的根拠について

猫の癒し効果とその医療的根拠について

概要

  • 猫と触れ合うことはオキシトシンなどが分泌される癒し効果がある
  • 猫のゴロゴロ音には血圧を下げる、ストレス軽減、自然治癒力を高めるなどの効果
  • 猫の癒し効果は医療行為として、動物介在療法、動物介在活動、動物介在教育の3つに役立てられている

猫ブログや、猫雑貨、猫カフェなど、猫に癒しを求めるひとが年々増えているといわれています。その猫の癒し効果が、医学的に証明されたことをご存知でしょうか。アニマルセラピーなどとよばれることもある、猫の癒し効果とは、どんなものなのでしょうか。猫が人にもたらす癒し効果についてまとめました。

猫の癒し効果を生む物質「オキシトシン」

布団で眠る猫の写真

近頃テレビなどでも取り上げられ、話題になっている「幸せホルモン」「愛情ホルモン」などとよばれる「オキシトシン」をご存知でしょうか。このオキシトシンというホルモンは、ストレス解消、記憶力、協調性、心臓機能など人にとって、とても大切な機能に関係したホルモンです。またこのオキシトシンは、「人との絆」「信頼するひととの関係」にも関係すると新しい研究で確認されたそうです。

猫と約15分触れ合うことで、このオキシトシンを含む、癒し系ホルモンが分泌されることがわかっています。猫と暮らすようになり、人間付き合いが円滑になった、前向きになった、仕事が上手くいくようになったなど、個人差はあるものの、猫の癒し効果は人の生活においてとても強い味方だといえますね。

猫の癒し効果を得る方法

カフェと猫の写真

猫と暮らす人は、意識していなくとも毎日の猫との暮らしで癒し効果を得ることができますが、猫と暮らしていない人はどうでしょうか。

猫の写真、動画をみる

上記で紹介したオキシトシンは、猫の写真や動画などをみることでも分泌されるといわれています。一日の終わりに、猫ブログや猫動画などをみてみたり、携帯やパソコンのホーム画面を猫の画像にしてみたりと、日々の生活のなかにほんの少し、猫の癒しを取り入れてみてもいいかもしれません。

猫カフェにいく

全国各地にある、猫カフェに足を運んでみてはいかかでしょうか。猫と触れ合うことができ、ゴロゴロ音を聴くこともできるかもしれません。仕事に疲れたとき、ストレスで体調が悪い時など、猫の癒し効果がどれほどのものか、是非体験してみてください。

猫の癒し効果が得られる「ゴロゴロセラピー」

人の腕と子猫の写真

猫といえば、甘えるときやリラックスしているときに喉を鳴らす「ゴロゴロ音」を思い浮かべませんか。まさに、このゴロゴロ音が人に癒し効果を与えるといわれており、その主な効果は以下の3つといわれています。

血圧を下げる

猫のゴロゴロ音は、血圧を低下させ、不安を和らげる効果があるとされています。また、高齢者の認知症予防にも効果があるといわれ、介護施設などで、セラピストとして高齢者と生活を共にする猫もいます。

ストレスをなだめる

猫のゴロゴロ音の振動、低周波が免疫力を上げ、ストレスを軽減させることから、副作用のない薬とまでいわれています。海外では、この猫のゴロゴロ音を聞くためだけに通院する人もいるのだとか。

自然治癒力を高める

猫が骨折した場合、ほかの動物に比べ、3倍近くのスピードで回復することをご存知でしょうか。猫は骨折のほかにも何らかの病気を患ったときや、体調が悪いときなどに、治癒力を高めるため、このゴロゴロ音を鳴らすことがあります。これには、ゴロゴロ音の振動が大きく関係しているといわれています。

実際に、猫のゴロゴロ音を使った骨の治療は行われており、この治療を受けたデビット・ベッカム選手や松坂大輔選手が、奇跡の復活を果たしたといいます。また、猫と暮らす人が骨折をした際に、飼い猫が骨折した箇所に乗りゴロゴロ音を鳴らし続けた、という例もあるそうです。猫は自身のゴロゴロ音に治癒力があることを、よくわかっているのでしょうね。

猫の癒し効果が与える心臓への影響

白いニットを着た茶トラの写真

猫を飼っているひとは、飼っていないひとに比べ、心臓血管系の疾患や心筋梗塞、狭心症などのリスクが約4割減少するといわれています。猫と触れ合うことで、血圧が低下し、心臓発作などのリスクが減少するそう。また、心筋梗塞の発作後1年の生存率も、ペットと暮らす人のほうが3倍以上高いとのデータもあります。猫ブームと称されるほど、猫に癒しを求める人が増えたのには、医学的にも証明できる理由があったのですね。

各分野で活用される猫の癒し効果

抱っこされている猫の写真

猫の癒し効果は以下の3つの方法で、世界的に役立てられています。

動物介在療法

医療行為の一環として、医師による治療計画に基づき行われます。骨折治療に取り入れられている超音波骨折治療法や、うつ病などを含めた、精神病の治療などが主です。この、動物介在療法というのが、アニマルセラピーの基本といえます。海外では、1960年頃から、医療の一環として取り入れられたといわれています。

動物介在活動

現在日本で一般的に用いられており、アニマルセラピーとよばれる活動のほとんどが、この動物介在活動に該当します。動物と触れ合うことで、対象者の生活の質を向上させ、精神の安定を図ります。実際に、精神疾患をもつ人が、猫と触れ合うことで「楽しかった」「また触れ合いたい」と、ポジティブな思考に切り替わることが多くあるそうです。猫の癒し効果が、一番身近に発揮されている活動といえますね。

動物介在教育

子供が動物と触れ合うことで、第三者を尊重する気持ちや、責任感を養うことができるといわれています。主に、小学校などの教育の場で行われているこの活動は、将来的に動物虐待を防ぐことなども目的とされているそうです。

まとめ

人と猫の手の写真

上記以外にも、猫が人に与える影響として、1歳までに猫と接触した子供は、アレルギー全般に対して発症率が減少することや、人を快眠に導くことなど挙げればキリがありません。私自身も猫と暮らしていますが、知らず知らずのうちに、猫に救われていたことは多々あるのだと思います。是非、みなさんも猫の癒し効果で、日々の疲れを吹き飛ばしてくださいね。

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