猫用ホットカーペットの危険性
一般的に猫は寒がりです。冬になるとこたつの中で横たわってぐっすりと寝ている猫の姿をよく目にします。
こたつに足を入れようとしたら、こたつの中から「にゃ~」と言う鳴き声が聞こえてきて、こたつに入るのがなんだか申し訳なくなってしまい、ホットカーペットを購入したのですが、「ホットカーペットだから、猫にとって安全なものだろう」と考えていたら、必ずしもそうではなく、ホットカーペットで火傷をしてしまう猫達もいる様です。
ホットカーペットでどうして火傷をしてしまうのでしょうか?
ホットカーペットで猫が火傷をしてしまう理由
猫はとにかく寒がりで、冬になるとこたつの中などでくつろいでいます。我が家の猫達も、人間がいる間はこたつがついているので、こたつの中に集まってきますが、私達が留守の間はこたつをつけて出かけるなんて事は、危険過ぎて出来ません。
ですが、昼間でもお家の中は寒くなってしまいますので、猫の為に暖房器具をつけておいてあげないと、家の猫の場合は2匹とも高齢なので、風邪をひいてしまうんじゃないかと心配です。そこで猫用のホットカーペットを購入したのですが、実はこのホットカーペットで低温火傷をしてしまう、猫や犬達が多いみたいなんです。
猫は寒がりですが、意外にも熱さには鈍感な猫が多いようです。また、痛みにも鈍感な猫が多い為、ホットカーペットでぐっすりと寝ている間に低温火傷を負っていたなんてお話をよく聞きます。
ホットカーペットによる猫の「低温やけど」
『低温やけど』火傷の度合いは、軽い順から
- Ⅰ度熱傷
- Ⅱ度熱傷(浅達性)
- Ⅱ度熱傷(深達性)
- Ⅲ度熱傷
と4段階のレベルに分けられています。
低温やけどは通常の火傷よりも、怪我の度合いは軽傷だと考えられていますが、低温やけどでも火傷の最高レベルのⅢ度熱傷にまで達してしまう可能性もあります。このⅢ度熱傷とは、皮膚がただれてしまう火傷の事をいいます。低温やけどで、皮膚がただれてしまうまで火傷する事は、とても稀ではありますが、場合によっては手術を行う必要があります。
低温やけどは、44℃の暖房器具で3~4時間、46℃程で1時間程触れていると発症してしまう可能性があるそうです。この様に、とても火傷になるとは思えない温度の暖房器具でも火傷を負ってしまうリスクがあるのです。
猫の体温は通常38℃程度なので、これよりも温度が高い物に長時間触れていると、低温やけどを発症してしまう可能性があるという事です。
そして、注意しなくてはいけないのが、猫の皮膚は人間よりも低温やけどをしやすい事です。人間は、動物の様に体毛が生えていない分、皮膚が他の動物と比べると若干厚くなっています。
猫はホットカーペットの低温やけどに気がつきにくい
猫の場合は、冬は寒さから体を守る為にWコートと言う寒さに強い被毛になりますが、その反面温度が感じにくく知らずのうち低温やけどになりやすいです。
また、この被毛が生えているのが原因で、猫の皮膚の状態が確認しにくいことも要因の1つです。軽度の低温やけどに気付けない場合が多いといいます。猫に触って痛がったりして、猫の皮膚をよく見たら赤くなっていたと、その時初めて気づく場合が多いのです。この低温やけどは、気づかないうちに重症化していたと言う事も多いそうです。低温やけどと言え火傷ですので、中度の火傷になると水膨れ、腫れ、脱毛や炎症が起き、皮膚がジュクジュクになってしまうといった症状が出てきます。
重度になってしまうと痛みを感じなくなってしまい、知らないうちに皮膚が剥けて壊死していたり、出血や皮膚の色が白っぽく変色していたりします。重度になると痛みを感じないこともあり、猫の様子をしっかりと見ないと発見が遅れてしまう可能性もあります。低温やけどは、通常の火傷と比べると治りが悪く、痛みが長期化してしまうので、とても厄介な火傷です。
普段から猫の皮膚の状態をこまめに確認するなどして、低温やけどには注意してあげましょう。
猫がホットカーペットで低温やけどした時の対処法
もし低温やけどになってしまった場合、まず水をかけて、患部をタオルで包んだ氷袋などで冷やします。この時注意する事は、水を掛け過ぎない事です。やけどをした部分や範囲によりますが、体の広い範囲に水を掛け過ぎてしまうと低体温症を発症してしまう可能性がありますので、気を付けましょう。
冷やす時間の目安は、30分以上です。冷やしてみて赤く腫れている様であれば軽傷ですが、色が紫色や黒ずんでしまっている場合は、細胞が壊死している可能性があるので、すぐに動物病院を受診して下さい。
動物病院では、低温やけどの度合いによって感染予防のための薬、患部の塗り薬等が処方されます。重度の場合は、壊死してしまった皮膚を取り除く手術を行うこともあります。病院で処方された塗り薬を舐めてしまったり、患部を舐めて傷口が酷くなってしまう可能性があるので、エリザベスカラー等を付けて、患部を舐めない様な工夫をすると安心です。
猫が適温と感じるホットカーペットの温度
猫の体温は38〜39度と人よりも高く、過ごしやすい温度は18〜26度の間といわれています。ですので猫にホットカーペットを使う時は猫の体温と同じぐらいに設定してあげるといいでしょう。
高齢猫の体温は少し低めなので、2〜3度くらい温度をあげてください。子猫は成猫よりも体温がやや高い傾向があり、特に生まれたての子猫は体温と同じくらいの温度を保つようにしましょう。
ホットカーペットによる猫の脱水症状
ホットカーペットには、脱水症状を起こしてしまう可能性もあります。特に高齢で体の自由が利かない猫達は、身動きするのにも時間がかかってしまう為、脱水症状を起こしやすいと言います。
冬にあるとお勧めなのが、湯たんぽや低温やけどを防ぐ為に最高温度でも38度設定にされている猫用のホットカーペットです。
湯たんぽはカバーをかける事によって温度調節が可能ですので、猫にとって安全な暖房器具です。湯たんぽを使用する場合は、必ずカバーをかけてあげてそれでもまだ、温度が熱いようでしたらタオル等を掛けたり、布団の下に置くなどして工夫をしてあげるといいです。
まとめ
低温火傷や脱水症状の危険性を紹介しましたが、低温の暖房器具で火傷してしまうとは本当に怖いですよね。我が家には、高齢な猫が2匹もいるので、特に気を付けてあげなければいけないと、この記事を書きながら思いました。皆さんも低温やけどには気を付けてあげて下さい。
女性 なな
また、喉が渇いたらすぐに水が飲めるように、ホットカーペットの近くに2か所、水を置いとくようにしています。
しかし不思議なことに、とても冷え込んでいる日は、逆にホットカーペットは使いません。おそらく、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下に溜まるので、きっと寒く感じるのでしょう。そして案の定、キャットタワーの一番上で寝ています。
猫は本当に快適な場所を探すのが得意な生き物なのだと、感心させられます。
40代 女性 かな
猫ちゃんは、ぐったりよく寝るので低温やけどになりやすいのでしょうね。
うちの、猫ちゃんも出掛けている間の数時間動かずに寝ていたみたいで、皮膚が赤く腫れてしまいました。冷やすと直ぐに治りましたが、こわくなったので、使用をやめて分厚めのカーペットを敷き暖かくしてあげました。
30代 女性 りこ
高温になってしまってもわかりにくいので、猫ちゃんが低温火傷していても、気がつかないかもしれません。同じ場所ばかり舐めたりしているときには、気を付けなければいけません。
赤くなっていたりする場合は、軽く見ずに早めに獣医師に診ていただきましょう。
ひどくなると、皮膚移植をしなければならなくなったり、大変なことになるので、注意が必要ですね。
湯タンポがとても安全に使えてオススメですよ。
30代 女性 まきこ
いい気持ちでいつもより長く寝ていた猫ちゃんが起きてきてしばらくすると左足が特に赤く腫れていました。触ってみると熱があり低温やけどだとわかりました。すぐに冷やしました。すると腫れがましになりまして、様子を見ていました。水をよく飲ませてみたりもしました。幸い元気ですぐに治りましたが反省しました。
猫ちゃんはわかっていなくてまた寝ようとするので、猫ちゃん用の布団の下に敷くことにしました。すると、快適になりましてやけどもせずに暖かく過ごせています。
あのときに、低温やけどだと気がついて良かったなと思います。