猫用ヒーターの選び方
寒がっている猫を見れば暖かくしてあげたくなりますよね。でも、単純にヒーターを使えばいいというものでもありません。人間用のヒーターの中には猫にとって安全でないものもありますし、それ以前に猫の好みに合うかどうかも問題です。また、毎日使うものだけに清潔さを保てることも重要です。もちろん、価格の手ごろさや維持費の安さも見逃せません。
人間用よりペット用が安全でおすすめ
人間用のヒーターには、火を使うストーブをはじめ、熱源が高温になるものが少なからずあります。火の怖さを知っている人間は危険性を理解できますが、残念ながら猫には通用しません。熱源に近づきすぎて被毛やひげが焦げたという程度ですめばまだしも、やけどや熱中症、脱水などのリスクもありますから油断はできません。
また、電源コードやスイッチ部などの安全対策がペットの行動に配慮されていないこともあります。猫がコードを噛んだり、スイッチ部の上で吐いたりしても大丈夫なような対策がなされていませんから、人間用のヒーターを流用するのは危険なのです。
猫の好みに合う形状や素材から選ぶ
寒いときにどんなふうに温まりたいかは猫それぞれ。布団に潜り込むのが好きな猫もいれば、飼い主のひざの上を好む猫もいますし、ふわふわのクッションを選ぶ猫だっています。たとえば、布団に潜り込むのが好きなら薄暗くて狭いこたつがいいでしょうし、飼い主にくっつくのが好きなら湯たんぽが気に入るかもしれません。
また、上に乗るのが好きなら下から暖められるマットやホットカーペット、あるいはふかふかのベッドなどが選択肢となります。といったふうに、猫の好みに合ったヒーターを用意してあげると、猫もすんなりと受け入れてくれるでしょう。
こまめなお手入れで清潔さを保てるか確認する
ヒーターは冬場は毎日使うもの。日々使っているうちにホコリもつけば汚れも溜まります。また、布製品や布製のカバーには抜け毛が付着するでしょう。ホコリや抜け毛、フケなどは放置しておくとカビが生えたりノミやダニが繁殖する原因にもなりえます。ですから、定期的に払い落とすなどの手入れが欠かせません。
また、猫は毛玉を吐くこともありますし、子猫や老猫がお漏らしすることも考えておく必要があります。放置すれば悪臭の原因になりますし、腐敗や金属の腐食といった問題も生じます。
パネル状のヒーターなら汚れが拭き取りやすい素材や形状のものを選べば掃除の手間も軽いです。布製品は丸洗いができるかどうか、布製のカバーのものも取り外して洗えるかどうかチェックしておきましょう。
猫にヒーターを使う時の注意点
猫のためにヒーターを使う際に注意すべき点がいくつかあります。まず、根本的に暖房が必要かどうか。寒がっているなら暖かくしてあげるべきですが、そうでないなら暖房はむしろいやがられるでしょう。
適切な温度管理ができていないと低温やけどを起こすリスクもあります。特に人間用のヒーターを使用する場合には注意が必要です。また、多頭飼いの環境では不公平が生じないように気を配る必要もあります。立場の弱い猫に寒い思いをさせるのは避けなくてはなりません。
必要性は猫の寒さ耐性や地域に合わせて判断する
猫にとって快適な環境は、温度が20〜28度、湿度が50〜60%程度と言われています。ですから、20度を下まわるぐらいの室温が暖房を使うかどうかの目安となります。ただし、生後6か月未満の子猫や老猫は体温調節がうまくできない場合もありますので、できれば22度以上を保てるようにしてあげてください。
また、猫用のヒーターが必要かどうかは人間用のヒーターの性能にもよります。寝床やお気に入りの場所、トイレなどが十分に暖かければ猫のために追加のヒーターは必要ありませんし、むしろヒーターをいやがるでしょう。ですから、単純に室温だけでなく猫が寒がっていないかどうかを重視するべきです。たとえば、
- 体を丸める
- 毛を逆立てる
- 小さく震えている
- 水を飲む回数が減る
- 寝る時間が長くなる
- くしゃみをする
- 普段と違う場所にいる
といったような様子が見られる場合、猫は寒がっている可能性がありますので猫用のヒーターを用意してあげるといいでしょう。
低温やけどを防ぐ対策を行っておく
ヒーターを使ううえで気をつけたいのが低温やけどです。低温やけどは比較的温度の低い熱源に長時間さらされることで起きるやけどです。温度が低いだけに気づかないあいだに重症化してしまいやすく、また皮膚の深い部分に損傷を負うこともあるため注意しなくてはなりません。
安全にヒーターを使うためには、使用前に温度が適切かどうか、器具に破損や故障がないかなどを毎回確認します。湯たんぽといった温度調節機能がないものの場合はタオルや毛布などでくるんで直接触れないようにするのもいいでしょう。
また、体の同じ部分が長時間熱源に触れているとリスクが高くなりますから、自分で体位変更ができない子猫や老猫は定期的に体の向きを変えてあげる必要もあります。
猫の頭数に合わせて設置場所や購入数を変える
多頭飼いの場合、ヒーターの大きさや数も問題になります。仲のいい猫同士でも快適な場所は奪い合いになりかねませんし、あまり仲がよくない猫同士なら険悪になるのは必然でしょう。ケンカをしてケガをする可能性も否定できません。
猫同士の仲がよければサイズの大きなものを用意すればくっつき合って過ごす姿が見られるかもしれません。あまり仲がよくないなら別々の場所にヒーターを設置して、それぞれの猫が快適に過ごせるようにしてあげましょう。
猫用ヒーターのおすすめ人気商品9選
猫用のヒーターの選び方や注意点を踏まえ、Amazonや楽天市場で人気の高いおすすめ商品を紹介します。購入者からの口コミ情報や商品レビューをチェック。安全性や衛生面を重視して選んでいます。愛猫のためのヒーター選びの参考にしていただければ幸いです。
ペティオ「猫のための電気ヒーター ソフト2 丸型」
おすすめポイント:
- 上にする面によって2段階の暖かさが選べる
- 過熱トラブルを避けられる自動温度コントロール
- 水洗いが可能なのでいつも清潔に保てる
ソフトな素材の丸型ヒーターです。「強」の面は「しっかりあったか」の約39度、裏返して「弱」の面は「やさしいあったか」の約32度。2段階の暖かさが選べるので愛猫の好みに合わせて使い分けられます。本体は水洗いが可能なので毎日の使用でも清潔に保てます。温度の上がりすぎを防ぐ自動温度コントロール機能や金属製チューブ入りの電源コードを使用するなどの安全設計も魅力です。
ドギーマン「遠赤外線 ペットのヒーターテキオン レギュラー」
おすすめポイント:
- 裏表で2段階の暖かさが選べるリバーシブルタイプ
- 手洗いできて清潔に保てるふわもこカバーが付属
- 熱くなりすぎない自動温度コントロール機能
遠赤外線で体全体を暖められるペット用ヒーター。使い方はコンセントに差すだけのシンプル設計ですが、約40度の「High」面、約35度の「Low」面を使い分けられるリバーシブルタイプなので、好みや環境に合わせて使い分けられます。ヒーター本体はABS樹脂製で、感触が硬いのを好まない猫もいるようですが、丈夫で拭き掃除がしやすいのはいい点。手洗い可能なふわふわ生地のカバーが付属しています。猫が噛んでも大丈夫な金属ラセン管入りの電源コード、自動温度コントロール機能も備えています。
マグクルーズ「キャリー用 ホットカーペット ポータブル」
おすすめポイント:
- 冬のお出かけにぴったりのキャリー用ヒーター
- 30度〜40度の4段階で温度設定が可能
- 洗濯機で丸洗いできるのでお手入れもらくちん
キャリーバッグに入れられるアウトドア仕様のホットカーペット。市販のモバイルバッテリーを使ってコンセントのない場所でも使えます。温度は4段階で設定でき、外気温などに合わせて選べます。バッテリーは裏面のジッパー付きポケットに収納できるので、コードを噛まれる心配はありません。USB端子に付属のカバーをかぶせれば洗濯機で丸洗いが可能。吐いたりお漏らししたりしたときにも安心です。
マルカン「遠赤外線ホッとヒーター猫鍋 マット付」
おすすめポイント:
- 猫耳をあしらった土鍋型ヒーター
- 清潔さを保ちやすいABS樹脂製
- 噛んでも平気な電源コードなど安全対策も
猫が丸くなって寝る愛らしい姿が楽しめるヒーター内蔵の猫鍋です。温度は母猫の体温とほぼ同じ38度の固定式。暖かすぎると感じる場合はタオルなどを敷いて調整してあげましょう。中に敷くマットはゴムっぽい素材で丸洗いが可能。本体も汚れがこびりつきにくいABS樹脂製なので清潔に保てるように配慮されています。電源コードは金属チューブでカバーされていて、噛み癖のある猫でも安心。また、温度が上がりすぎないようサーモスタットも内蔵しています。
マルカン「遠赤外線にゃんこの和み(にゃごみ)こたつ M」
おすすめポイント:
- 遠赤外線効果でじんわり暖まれる猫用こたつ
- 出入り口をつくれるワイヤー入りの布団
- 中間スイッチ付きの電源コードは噛みつき対策済み
体の芯からじんわりと暖まる猫用遠赤外線こたつです。温度設定は固定式(中は30度前後、上面は34度前後)。暖かさが足りないと感じるようなら上掛けや敷き布団を組み合わせるといいでしょう。布団の縁に自由に曲げられるワイヤーが入っていて出入り口を作れるようになっています。布団に潜り込むのが上手でない猫にもやさしいつくりです。中間スイッチ付きの電源コードは金属チューブでカバーされています。布団とマットは手洗いできて清潔に保てるのもいい点です。
プラタ「ペットベッド ヒーター Lサイズ」
おすすめポイント:
- 潜り込んで寝られる寝袋タイプの猫用布団
- モバイルバッテリー対応のUSB電源式
- 季節によってはヒーターマットなしでも使える
ぬくもりを逃がさない寝袋タイプのふかふか布団に取り外し可能なヒーターマットをセット。枕にちょこんと頭を乗せて寝ている姿は猫好きならずとも悩殺間違いなしです。USB電源なのでスマートフォンなどのACアダプターが流用できます。モバイルバッテリーにも対応していますから、コンセントがない部屋でも使えます。電源コードはカバーがなさそうなのがやや不安ですが、設置場所を工夫して噛まれないようにしましょう。また、中間スイッチ付きなのは便利な点です。
アイリスオーヤマ「ペットベッド ホットカーペット取付可Sサイズ」
おすすめポイント:
- ドームタイプのベッド+ホットカーペット
- 温度調整用センサーで一定の温度をキープ
- 丈夫な電源コードで噛まれても安心
クマをモチーフにしたドームタイプのベッドに、ぴったりサイズのホットカーペットを組み合わせたセット商品です。ホットカーペットはリバーシブル仕様(約38度と約28度)で温度調整用のセンサーを内蔵。常にほぼ一定の温度をキープしつつ、電気代の節約も可能です。長さが少々短いのがたまにきずですが、丈夫な二重保護タイプの電源コードで安心感も高いです。なお、ベッドに付属のクッションとホットカーペットのフリースカバーは手洗い可能で清潔さを保てます。
K&H「サーモキティ ベッド M」
おすすめポイント:
- 猫が入ったときだけ暖まる省エネ設計
- 丈夫で丸洗いできるふかふかフリースカバー
- ヒーターを取り外せば一年中使える
ペットが入っているときだけ作動するハイテクヒーターを採用した省エネタイプのヒーター内蔵ベッド。二重サーモスタットのはたらきで快適な暖かさと節電を両立。米国労働安全保険局が認定したMETラボラトリーの認証を受けた安全設計に加えて、内側にふかふかのフリース生地を使ったカバーは丸洗いが可能なので清潔さも保ちやすいのはうれしいですね。ヒーター部を取り外すこともできますから暖かい季節にもふかふかのベッドとして活用できます。
サンコー「温冷ヒーター付きペットハウス アニマルカプセルホテル」
おすすめポイント:
- 狭い場所が好きな猫にぴったりのカプセルタイプ
- 暖房+冷房機能で1年中快適に過ごせる
- 噛みつき対策や温度ヒューズなどの安心設計
暖房だけでなく冷房機能も備えたペットハウスです。電流をかける方向によって暖かくも冷たくもなる半導体の一種「ペルチェ素子」を使用。14〜40度の広い範囲で愛猫の好みに合わせて温度を設定でき、オールシーズンで快適に過ごせます。冷房時のファンの音が気になるという声が多いので、音に神経質でない猫向きと言えるかも。中に敷く防水パッドと水洗い可能なマットが付属。簡単に清潔さを保てます。噛みつきに強い金属被覆の電源コードで安全性も確保されています。
まとめ
猫は寒がりな生き物なので、冬になると水を飲む量が減ったり運動しなくなったりして健康面でも心配ですし、強いストレスにもなります。でも、猫の縄張りである家の中全体を快適な暖かさにすると家計への影響も無視できませんし、外出時や就寝中につけっぱなしというわけにもいきません。
と考えると、猫の居場所だけを部分的に暖めるヒーターを用意するのがベター。とは言え、人間用のものを流用するのは安全性の面で不安がありますから、やはりペット専用のものを用意しましょう。
ペット専用のヒーターを選ぶ際には、低温やけどや電源コードを噛んだり、吐いたり、お漏らししての感電事故などへの対策がなされているかどうかを重視しましょう。また、衛生面も気になりますからお手入れのしやすいものを選ぶのがおすすめですよ。