猫が醤油を舐めたら危険!
猫が醤油を舐めると危険な理由
日本のどの家庭でも必ずある調味料の醤油ですが知ってる通りに味がしょっぱく、塩分(Na)が多く入っています。猫が醤油を舐めてしまった場合、体に悪影響を及ぼしてしまう恐れがあります。
人の場合も“減塩”の言葉をよく聞くかもしれませんが、塩分を多く摂ってしまうと高血圧を引き起こしてしまうため塩分を制限しなければいけません。
猫も同じく過剰な塩分摂取は高カリウム血症となり、心不全を招いたり腎臓機能に大きな負担をかけてしまいます。特に人よりもはるかに体が小さい猫にとっては塩分の多い醤油は舐めただけでも体の不調を招いてしまう恐れがあります。
ほんの少量の醤油を舐めた程度であればすぐに命に関わる問題はないと思われますが、特に醤油の原料である大豆アレルギーの猫や慢性腎不全を患っている猫は塩分による悪影響が大きく及ぼしてしまいます。もちろん醤油だけではなく塩分が多い塩や味噌も危険です。
醤油を舐めたときの致死量
ある程度の塩分は猫も必要ですが、猫は人よりも体が小さく汗をほとんどかかないため塩分(Na)の必要摂取量は少ないです。私たちが少ない量と思っていても猫にとっては塩分の過剰摂取となってしまいます。
塩分を過剰に摂ってしまうと下痢や嘔吐、水を大量に飲むなどの中毒を引き起こす恐れがあり心臓や腎臓に大きなダメージをあたえ、腎不全のリスクを高めてしまい命に関わってきます。
塩分もある量を超えると死に至る致死量があり、今のところは猫の塩分致死量はハッキリとされていません。犬の場合は体重1kgあたり4gといわれており、そのまま当てはめることはできませんが、猫も同じだとすると体重4kgの場合ですと16g程で致死量となってしまうことになります。
醤油の種類によって含まれている塩分の量に差がありますが、一般的によく使われている“濃口醤油”の成分をベースに見てみますと100gあたりの食塩相当量は約14.5g(薄口醤油の食塩相当量は約16.0g)といわれており、大さじ一杯の醤油に約2.5gの塩分相当量が入っています。
それぐらい醤油には塩分が多く入っているため体格が小さい猫によってはかなりの大量摂取となってしまうのです。中には体質や骨格が小さい猫はほんの少量の醤油でも致死量に達してしまう恐れがあります。
猫が醤油を舐めてしまったらどうすればいい?
新鮮なお水を飲ませる
猫が塩分を一度に大量摂取すると腎臓に負担がかかり、場合によっては急性腎不全を引き起こしオシッコが全く出なくなってしまい、最終的に命を落とします。一気に大量摂取しなくても、少量ずつ毎日摂取すると循環器系や尿路系に負担がかかり、病気を引き起こすリスクが高くなります。
醤油や味噌のように塩分が多いものは味が濃く依存性が強いので、一度でもその味を覚えてしまうと猫も好むようになってしまいます。
しかし気をつけていながらも、ほんの僅かな隙に食卓にあった醤油を猫が舐めてしまった!ということがあるかもしれません。そんな場合、家で出来ることは「とにかく水を飲ませる」ことです。
私たちもしょっぱい物を食べると喉が乾き水を欲しがります。猫も同じように塩分を摂りすぎてしまうと上昇した体内の塩分濃度を薄めるために水を飲みたがるようになります。新鮮な水を飲ませて、オシッコとともに余分な塩分を排出させるようにしましょう。
状態が急変する前に動物病院へ
しかし猫が醤油を多く口にしてしまった場合は一気に致死量に達し中毒となる恐れがあります。場合によっては命を落としてしまったり、助かったとしても腎臓に大きなダメージをあたえた影響で慢性腎不全として一生病気と闘うことになります。
私たちが少量の醤油を舐めただけと思っていても、体が小さい猫にとってはダメージになる可能性もあります。ネギ類やチョコレート、ユリなどのようにすぐ命に関わるものではありませんが、「ちょっと舐めただけだから大丈夫」と様子を見過ぎてしまうと、重症に陥ってしまう可能性も考えられますので自己判断で任せず動物病院へ連れて行くことをすすめます。
猫が醤油を舐めないようにするには
猫の届くところに置かない
目を離した隙に醤油を飲んでしまった!というような誤飲事故が多く、そのほとんどがテーブルやキッチンの上に置いたままにし、その隙に猫が醤油を舐めたケースです。
猫は運動能力が高く、高い所でもジャンプして飛び乗ったり、手先が起用なので簡単にドアを開けることもできます。まして足音を立てずに歩けるので気づかないうちにテーブルにあがって口にしてしまうのです。
そのため、手っ取り早い対策としては“猫の届く範囲に置かないこと”です。これは私も常に気をつけていることですが猫は好奇心が強く、人の食べ物や飲み物など何でも興味をもち、口に入れてしまうからです。
まして醤油を使う刺身やお寿司などは猫が大好きな魚がはいっているので、大人しく黙っていられないはずです。安全のためにも料理中や食事中の間はケージに入れるなどをして、一切触れないようにしておくことも必要です。
普段から人の食べ物をあたえない
普段から人の食べ物をもらっている猫はその食習慣に慣れてしまったり、人の食べ物に抵抗性を感じなくなってしまうため欲しがったり、誤飲事故を招いてしまいやすいので子猫の頃から人の食べ物を与えないことも、猫が興味を抱かないようにするために必要です。
一度も人の食べ物を口にしていない猫はあまり興味を示さないですが、人の食べ物を食べた経験のある猫はその味をしっかりと覚えているため食べる癖がついてしまい、置きっぱなしにしている食べ物が気になって食べようとします。
中でも塩分が多い醤油や味噌をベースにした料理、せんべいなどは味が濃く依存しやすいため危険です。
まとめ
ネギ類やチョコレートなど猫が食べると危険な食べ物はいくつかありますが、人と同じように塩分も気をつけなければいけません。どの家庭でもある醤油は塩分が多く入っており、猫が舐めてしまうと中毒を起こす恐れがあります。
すぐ命に関わる危険なものではありませんが、人よりも体が小さい猫は人にとっては少量と思う醤油を舐めた程度でも、塩分の過剰摂取の危険があります。場合によっては命の危険を伴ったり、助かったとしても腎臓に大きなダメージを残してしまいます。
醤油を舐めないように醤油皿を使わないようにしたり、食事中や料理中は入らないようにケージに入れるなど猫にとっての安全策を考えることが大切なのではないでしょうか。
もちろん醤油だけではなくジャーキーやせんべい、魚の缶詰など塩分の多い食べ物はたくさん存在するので猫が食べないように注意しなければいけません。
また猫用のオヤツにも塩分が含まれていますので、与え過ぎに気をつけるとともに成分表から塩分量をチェックしてから選ぶように心がけてあげてください。