猫に胡椒は刺激が強すぎてNG!
猫に胡椒は刺激が強すぎて危険であるため、量に関わらずNGです。
強くてスパイシーな匂いを持つ胡椒は、人間にとっては魅力的に感じられるもの。しかし、猫は人間よりも嗅覚が優れた生きものであるため、胡椒の匂いを嗅ぐだけでも、くしゃみをしてしまいます。
そのため、猫を飼っているなら、胡椒の取り扱いには十分に注意しなくてはなりません。
胡椒は「猫よけ」に使われている香辛料の1つ
胡椒の強い匂いを嫌って、まったく近付かないという猫も少なくありません。そのため胡椒は「猫よけ」アイテムとしても使われています。
猫よけに使える対策として、ホームページで胡椒などの香辛料を紹介している自治体もあるほどです。また猫よけには、胡椒以外の香辛料も使用されています。
基本的には胡椒以外の香辛料や調味料もNG
胡椒以外で猫よけの使われているのは、以下のように辛味や匂いの強い香辛料です。
- 唐辛子
- カレー粉
いずれも、人間の暮らしの中で良く使われる香辛料であるため、取り扱いには注意しましょう。
胡椒や唐辛子だけでなく、マヨネーズ、ケチャップなどの調味料も猫にはNGです。刺激が強すぎるものであるため、猫にはNGだと覚えておくことを強くおすすめします。
猫が胡椒を食べると体に悪影響を及ぼすことも!
くしゃみをするだけでなく、猫が胡椒を食べてしまうと、体に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。たとえ、猫が強い興味を示していたとしても、猫に胡椒を与えるのは絶対にやめましょう。
胡椒を食べると出る可能性のある症状
猫が胡椒を食べると出る可能性のある症状には、以下のようなものがあります。
- 嘔吐
- 下痢
- 貧血
- 血尿
- 胃腸炎
- 呼吸困難
- 不整脈
- 内臓障害
摂取した胡椒がほんの少量だったなら、目に見える症状が出ないこともあるでしょう。しかし、外見からは分からなくても、猫の体内に大きなダメージを与えているかもしれません。
素人判断で「大丈夫」「しばらく様子を見てみよう」と考えるのは危険ですので、必ず動物病院を受診してください。
もし胡椒を舐めたあとに、猫の元気がなくなっていたら、それも症状の1つだと考える必要があります。摂取した胡椒の量によっては命にも関わるため、早急な対応が必要です。
猫が胡椒を食べたときの致死量
猫が大量に胡椒を食べてしまうと、命に関わる可能性があります。ただし致死量は、体の大きさ・体重・年齢・持病などで変わり、個体差が大きいものです。
少しだからと油断はできないため、量に関わらず与えるのはやめましょう。
子猫や老猫は影響を受けやすいので注意が必要
幼い子猫や老猫などは、たとえ少量であっても胡椒の影響を受けやすいので注意が必要です。
健康な若い猫なら、量によっては大きな影響が出ないこともあるでしょう。しかし子猫は、成猫と比較すると体が発達していません。そして老猫・病気をしている猫は、体力が落ちているうえに、内臓の機能も低下しています。
健康な若い猫よりも重篤な症状が出る可能性が高いため、子猫や老猫には胡椒を与えないよう注意してください。
胡椒が含まれている食べ物も注意が必要
注意しなければならないのは、胡椒そのものだけではありません。胡椒が含まれている「人間の食べ物」にも十分に気を付けてください。
- カレー
- ソーセージ
- 焼肉
上記のような人間の食べ物に猫が興味を持ち、食べたがってしまうことがあるかもしれません。
しかし、人間の好みに味付けされた料理の多くには、胡椒や唐辛子などの調味料が使われています。肉や魚などだとしても、胡椒などの香辛料を使って味付けをしているのなら、たとえ少量でも与えるのはやめてください。
気付かずに胡椒入りの食べ物を与えてしまい、体調を崩してしまうような事態は可能な限り避けたいものです。「猫が喜んでいるから」と繰り返し与えてしまうと、慢性的な内臓疾患につながるおそれもあります。
胡椒そのものに気を付けるだけではなく、胡椒などの調味料が含まれている食べ物はすべて与えないようにしましょう。
猫が胡椒を舐めないよう保管場所にも注意が必要
猫が胡椒を舐めたり食べたりする危険性を減らすためにも、胡椒や唐辛子などの調味料は、保管場所に注意してください。胡椒を舐めてしまうリスクを減らすための対策としては、以下のようなものがおすすめです。
- 胡椒などの調味料は扉付きの棚で保管する
- 胡椒が入っている棚の扉はきちんと閉める
- テーブルの上などに胡椒の瓶を放置しない
- 人間の食べ物をテーブルの上に置いたままにしない
基本的に、猫は戸棚などの狭い場所を好む生きものです。「どこにも猫が見当たらないと思ったら棚の中にいた」という話も珍しくはありません。
そのため扉が開いていたら、胡椒の入っている棚のなかに入ってしまうおそれもあるでしょう。
また猫がいる部屋では、テーブルの上に胡椒の瓶や料理などを放置するのもやめましょう。猫自体が胡椒の匂いを避けるものであるとはいえ、うっかり猫が胡椒を摂取してしまう可能性もあるため警戒が必要です。
人間が胡椒の危険性を認識して気を付けることで、猫が胡椒を舐めてしまうリスクは大きく減らせます。愛猫の健康を守るためにも、くれぐれも胡椒の管理には気を付けましょう。
猫が胡椒を食べたときの対処法
猫が胡椒を食べたときの対処法を紹介します。
猫が胡椒を食べたときはどうするべき?
もし猫が胡椒を食べたり舐めたりしたときは、すぐに動物病院に行き、獣医師の診察を受けてください。
たとえ症状が出ていなくても、早めに獣医師に相談することをおすすめします。症状により治療方法は違いますが、断食したうえでの輸液療法などが行われます。
舐めた直後は平気だったとしても、時間が過ぎてから突然症状が出る可能性もあるため、油断できません。愛猫の命にも関わることですので、様子見をせずに動物病院で相談しましょう。
猫が胡椒を食べたときに説明したい3つのポイント
動物病院を受診するときには、以下3つのポイントについて獣医師に説明しましょう。
- 何を舐めたり食べたりしたのか
- 量はどのくらいか
- どれくらい時間が過ぎたか
- どのような症状があったか
動物病院を受診するときには、把握している情報すべてを獣医師に伝えるとスムーズです。
その情報や猫の状態をもとに、獣医師が適切な診断をしてくれます。もしくわしい量が分からないなら、その旨を説明してください。
猫が胡椒以外の調味料を食べてしまったときも、同じように状況をくわしく伝える必要があります。自己判断での対処は危険ですので、絶対にやめましょう。
まとめ
刺激の強い胡椒を猫に与えると、嘔吐・下痢・不整脈・内臓障害などの症状を引き起こす可能性があるため、絶対にやめましょう。
また胡椒だけでなく、唐辛子やカレー粉など他の香辛料や調味料にも、同様のリスクがあります。直後には異変がないとしても、数時間~数日後に症状が出るおそれもあるため、注意が必要です。
さらに胡椒そのものだけではなく、胡椒を含む食べ物にも気を付けなくてはなりません。
安全のために、胡椒や唐辛子などの調味料は、猫にいたずらされない場所に保管してください。子猫や老猫が胡椒を摂取すると、少量だとしても命に関わる重大な症状を引き起こす可能性があります。
愛猫との楽しい暮らしを守るために、くれぐれも胡椒を与えてしまわないよう、気を付けてくださいね。