猫に炭酸水を飲ませても大丈夫?
シュワシュワとした独特の口あたりと爽快感が味わえる炭酸水。そのまま飲んだりお酒で割ったりと我々人間には馴染み深い飲み物です。
さて、この炭酸水ですが猫に飲ませても大丈夫なのでしょうか?答えはNOです。とはいえ、万が一飼い主さんが飲んでいた無糖の炭酸水を舐めてしまった程度の量であれば慌てなくても大丈夫です。
ただし積極的に飲ませることは好ましくない飲み物ということです。
猫に炭酸水が好ましくない理由
猫に炭酸水が好ましくない理由には、猫が我々人間とは異なり四足歩行で生活しているということや、人間の体に良いとされる成分も猫が摂取すると摂りすぎになってしまうことなどが関係しているようです。
炭酸のガスを上手に排出できない
炭酸水をはじめとした炭酸系の飲料を口にするとお腹が張りゲップが出やすくなりますよね。我々人間はこのゲップによりガスを上手に排出することができます。
しかし猫や犬のように四足歩行の動物は炭酸水に含まれるガスを上手に排出することが苦手です。猫が炭酸水を飲みすぎると、苦しそうにしたり嘔吐してしまうこともあります。また最悪の場合、胃捻転を起こしてしまうこともあるのです。炭酸水を飲んだ後ゲップが出来て猫が好むようであれば、少量の炭酸水を与えても良いでしょう。その場合にも、次に説明するミネラル分に気を付けて下さい。
ミネラル過多
炭酸水の中には、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが多く含まれているものもあります。我々人間にとってはこれらを摂取することで、不足しているミネラル分を補うことができるため良いとされています。
しかし猫の場合は体が小さいためにミネラルの摂りすぎ(ミネラル過多)になりやすく、過剰に摂取した場合は良くない効果をもたらしてしまうのです。まずナトリウムの摂りすぎは高血圧の原因になります。カルシウムの摂りすぎは腎臓に負担がかかります。
また結石や成長期には発育障がい、骨の形成異常を引き起こすことがあります。マグネシウムはストルバイト結石(若年層の猫に多い尿結石)の材料になり、摂りすぎると腎臓や膀胱などに石ができてしまいます。
猫が水を飲んでくれないときは?
猫は元々砂漠で生活していた動物であるが故に、少しの水で生きていける体になっています。つまり、猫はもともと濃い尿を排泄する動物であり、これが猫に腎臓や尿路系の疾患が多い原因のひとつとされています。
そのため飼い主さんとしては水を飲む習慣をつけたいと考えるはずです。中には炭酸水をねだったり、好んでしまうこともあるかもしれません。しかし炭酸水は猫にとってはほとんどメリットはなく、むしろリスクが多い飲み物です。
よって炭酸水を飲料水代わりに飲ませることはやめましょう。愛猫がなかなか水を飲んでくれないと困っている場合におすすめの方法をいくつかご紹介いたします。
ウエットフードを取り入れる
ウエットフードは水分を含んでいます。歯が汚れやすいことや保存が困難なことなどのデメリットはありますが、水分を補う手段としては有効です。単体で食べさせても良いですし、ドライフードに混ぜて食べさせても水分を補うことができます。
水の温度を変えてみる
猫は水に対して強いこだわりを持っています。常温の水が好きな猫もいれば、少し温か目の水を好む猫、逆に少し冷たい水を好む猫と実に様々です。火傷や冷えすぎに注意しながら、温度を変えてみることもひとつの手段です。
湯冷ましも体に良くおすすめ!!
水道水を一度沸騰させ、それを冷まして作る湯冷まし。湯冷ましは水道水に含まれるカルキを抜く効果があるため人間同様、猫の体にとっても良いです。少し手間はかかりますが好む場合は試してみてください。
ちゅ~るを水で薄める
ちゅ~るをおやつとして食べる習慣がある猫の場合は、いつものちゅ~るに水を混ぜ薄めたものを食べさせるとより水分量を増やすことができます。ちゅ~るのほとんどは嗜好品のため、積極的に進める方法ではありませんが、時々ちゅ~るを食べさせている方にはおすすめな方法です。総合栄養食のちゅ~るや水分補給用のちゅ~るを活用するのも良いと思います。
まとめ
今日のねこちゃんより:琥珀 / ♂ / 1歳 / キジトラ / 5.5kg
猫にとって炭酸水は思わぬ病気を招く可能性のある飲み物です。炭酸水や炭酸飲料を飲む習慣がある飼い主さんは気をつけてください。猫はもともと水をたくさん飲む動物ではないため、腎臓や尿路系の疾患を防ぐためにも水を飲む習慣をつけさせることは大切です。
しかし、ここで用いる水に炭酸水という選択肢は除外するようにしましょう。暑くなってくると熱中症も心配になるため、人間も大切な愛猫も上手に水分補給ができると良いですね。